十三章キャラクター紹介上
すみません、一つに纏めることができませんでした(汗
●ヴァンダルー・アーク・ヒルウィロウ・ソルダ・ザッカート ダンピール(母:女神) 12歳 男性
冒険者学校にやっと入学した。立場はダルシアが名誉伯爵であるため、書類上は貴族の子弟となっている。
またテイマーギルドを利用して、アイゼンのような極めて珍しい新種の魔物やピートやペインのような蟲型の魔物、そして最終的にはアンデッドを「テイム可能な魔物」として認知させる作戦も展開している。
また、幽霊屋敷から大胆な招待を受け、そのまま屋敷全体をテイムしてしまった。そのことでテルカタニス宰相やドルマド軍務卿等、オルバウム選王国の中枢を担う大貴族たちが困っている事は、本当に薄々だが察している。しかし、幽霊屋敷をお勧めの物件として紹介した不動産屋の推薦どおり屋敷を購入した自分達に非はないと考えているようだ。
冒険者学校の受験では、上手く実力を隠してそれなりの成績を示すことに成功した。すごく目立っていたが。
『オリジン』では分身バンダーを通して冥達を守りながら六道と戦い、無事決着を迎えて、これで『オリジン』と関わる機会は激減するだろうと楽観していたら、その正反対の事態になってしまった。
六道が国際秩序を崩壊させるような作戦を実行した結果、冥達を【体内世界】の一つに保護したのは、予想通りに事が進んだともいえる。しかし、自身の一部が『オリジンの神』に生えるとは計算外だった。
そのため、『オリジン』と関わる機会は激減するどころか、これから『オリジン』の人々がヴァンダルーを忘れ去るまで常に関わっている状態に。
どうしてこうなったのかと言えば、六道が『オリジン』の人々を無差別に虐殺しようと放った衝撃波を防ぐため、降臨した自分に原因がある。それに、ヴァンダルーの事を全世界に中継させたセルゲイを夢で導いたのは彼自身だ。
だから自業自得と言えばそうなのだが、「これもすべて馬鹿なことをした六道聖のせいだ」と考えている。次に会ったら今度こそ、念入りに滅っしてやると八つ当たりしているもよう。
今は死んだ魚のような瞳で『オリジン』を見守りつつ、【体内世界】で博や冥達と戯れながら、「好きな人同士で二人一組になってください」や「お友達同士で班を作りましょう」等の恐ろしい精神攻撃を冒険者学校で受ける事を恐れ、警戒している。
なお、天宮博人だった頃淡い憧れを抱いていた成瀬成美(現在雨宮成美)については、今は特に何も感じていない。ヴァンダルーにとって彼女は「めー君と博の母親」だから価値があるのであり、そうでないのならベイカーや岩尾などの、導かれていないその他の転生者と同じで、「死ななければ別にどうなってもいいか」という程度の存在でしかない。
そのため、もし成美が冥や博をないがしろにするようなら、脳改造手術を施す事も検討していた。だから、成美が子供達に執着する姿勢を見せたのは、彼にとっては好印象だった。
ちなみに、自分が人間であるという事に対してより頑なになっており、そう主張する彼からは静かな狂気すら感じさせる。
●パウヴィナ・ザッカート ノーブルオークハーフ 9歳 女性
ヴァンダルーの妹的存在。巨幼女から巨少女になり、一緒に冒険者学校へ受験するためにオルバウムへ。
門では不審がられたが、ジョブに就けるから人間であるとごり押しして都に入り、人々から注目を受けている。
冒険者学校の受験では加減にやや失敗し、ヴァンダルーよりも優秀な成績を示して、絡んできた貴族の少年を心酔させ取り巻きにすることに成功する。
ちなみに、そのせいでヴァンダルーとは別のクラスになったようだ。
●雨宮冥 人間 3歳(あと少しで4歳) 女性
自身を狙う六道との戦いに勝利しためー君。ただ、バンダーが彼女に(バンダー基準で)凄惨な場面は見せなかったため、本人には戦ったという認識は薄い。悪いおじさんを、めっしに行っただけだと思っている。
赤ん坊のころから霊を見てきたため、アンデッドに対するハードルが極端に低い。普通の人が思わず目を背けるような凄惨な死体を見ても、普通にしていられる。バンダーに変身装具を渡された今では、アンデッドにしようとするだろう。
プルートーによって死属性魔術を習得する条件が偶然満たされたことで、死属性魔術を使う事ができる。それによって六道が使い捨てにした実験体の死体からアンデッドを作っていた。
また、生まれつき【死属性魅了】を身につけている。
相変わらずニョロニョロとしたものが好きで、バンダーの本体であるヴァンダルーと初めて遭遇した時も、「ニョロニョロしてなくて変」と思い、その口に手を突っ込んで舌を引っ張り出すほど。彼女にとってヴァンダルーはニョロニョロしているのが通常らしい。
●雨宮博 人間 8歳 男性
雨宮寛人の息子で、バンダー(ヴァンダルー)の六番弟子くらい。無属性魔術を習得し、変身装具の性能があってこそだが【虚砲】を放つ程の少年魔術師。
チート能力は魂由来なので両親から受け継いでいないが、その分魔術的な才能や身体能力的な素質は受け継いでいる。
それにヴァンダルーからの加護と導きと、バンダーの過激な指導(『オリジン』では、常識的な教育者は子供に攻撃魔術を教えない)によって、才能が早めに開花している。
勉強は嫌いだが、別に苦手でも頭が悪いわけでもない。単に、勉強よりも遊ぶのが好きというだけだ。
また幼いながら比較的常識人で、バンダー(ヴァンダルー)にツッコミを入れることもしばしば。ただ、最初から入れても無駄に思えるツッコミは入れない事もある。
しかし子供らしく変身装具に憧れの視線を向けるが、自分が渡されたのは発動するとホラーゲームのラスボスっぽい怪人に変身する防御力特化仕様だった。デザインはともかくその性能はすさまじく、魔力を振り絞れば【魔力弾】ではなく【虚砲】を放ち、肉弾戦では格闘技の素人の彼が【シャーマン】の守屋が戦闘用に作り出した人工精霊に勝利する程だ。
そのため、博も性能には文句はない。文句はないが……。
学校では友人に恵まれなかったようだが、ウルリカやジョゼフ等の父の仲間、そして歳の近いガブリエル等と仲がいい。
●ジョゼフ・スミス 人間 男性
【ドルイド】のコードネームを持つ転生者で、ヴァンダルーに導かれた事で精神的に回復した人物。その急速な回復と、雨宮邸に出入りする頻度の高さから六道聖に「雨宮邸に潜む何者か」(バンダー)と接触していると判断され、警戒されていた。
その結果【スレイプニール】に狙われるが、同じく導かれていた陽堂と七森の協力と、バンダーと冥から渡された特殊なカビによって撃退する事に成功している。
また変身装具を渡されており、発動するとボディースーツだけではなくヘルメットやマントにも変化する特別製となっている。雨宮寛人達に渡された汎用変身装具よりも数段上の性能を誇るが……デザインに羞恥心を刺激されるらしい。
事件解決後も『オリジン』に残り、雨宮夫妻をサポートする事を選んだ。
●ウルリカ・スカッチオ 人間 女性
【エコー】のコードネームを持つ転生者。背の高い、北欧系の凛々しい容姿の美女だが実は傷つきやすい繊細な心の持ち主で、【ブレイバーズ】の活動を通して目にした凄惨な出来事や光景によって、精神を病んでしまった。
症状はジョゼフより重傷で、外出するには薬が欠かせないほど。
しかし、冥の三歳のお祝いの後夢でヴァンダルーと遭遇し、導かれたことで持ち直した……はずだ。今では薬がなくても、少しパニックに陥り易い程度に治まっている。
ただバンダー(ヴァンダルー)と冥と博に依存することで精神を保たせているので、はた目には病んでいる状態とあまり変わらないかもしれない。
【エコー】は受けた攻撃を反射する事ができるチート能力。自分の周囲に、攻撃を反射できるバリヤーを張れる力と考えるとイメージしやすいかもしれない。実際には受け止めて跳ね返すわけではないので、理論上はどれほど高い威力の攻撃でも、グレネードでもミサイルでも衛星軌道上からの攻撃でも跳ね返す事が可能。
ただ、毒ガスなどの彼女を目標に向かってきているわけではない毒物等は跳ね返せない。
事件後は冥や博と共に『ラムダ』に移住したが、そこで再会したカナコやまだ遭遇していない某姫導士によって、アイドルデビューの危機に脅かされている。
頼みの綱のヴァンダルーはむしろ推進派であり、残るは冥と博だが二人が強固に止めるとも考え難いので、もはやまな板の鯉状態である。
●獅方院真理 人間 女性
【メタモル】のコードネームを持つ【ブレイバーズ】のメンバーだった女性。六道聖に洗脳され彼の影武者をさせられた後、死属性研究の実験体にされ『ブラックマリア』のコードネームを与えられる。
他の属性魔術を失った代わりに手に入れた死属性魔術を使い、雨宮寛人達を抹殺するために派遣されたが……その時にはヴァンダルーに導かれたことで正気(?)を取り戻しており、実験体の監視役でもあった【倶生神】ダー・ロンを殺害。そのまま雨宮寛人が来る前に六道が派遣した部隊を、仲間の実験体達と共に全滅させた。
実験の結果死属性魔術を獲得したが、魔力は三万程度しかなく、さらに六道と同じく死属性魅了を持っていないためアンデッド(ゴーレムを含む)が作れない。そして、【無属性魔術】も知らない。
そのため、実は実験前よりも戦闘面では弱くなっている。
しかし、六道が魔術や薬剤を用いて施した洗脳によって自我を失い、ヴァンダルーに導かれたことで精神が変質し、脳ではなく魂で直接思考し行動できるようになった事で、同じ人間にしか変身できなかった【メタモル】が変化した。
脳や心臓などの重要臓器を含めた部位を複製する事が可能になり、頭部や胸部に大きな損傷を受けても事前に予備の頭部や心臓、肺を用意する事で死亡を防ぐことができるようになった。
【危険感知:死】の魔術と組み合わせることで、ほぼ確実に狙撃などの暗殺から身を守る事ができる。
ただ、予備の部位を作る材料は彼女自身の肉体なので、無限に作り続けることはできない。頭部全体の場合は、食事を挟まなければ二回が限界である。
もっとも、今の彼女は魂で直接思考することができるので、脳を大きく損傷しても出血をどうにかできれば数時間以上生存し続けることが可能である。
さらに言えば、『ラムダ』に移住する事を選んだ彼女が自ら望んで人間から変異するのは時間の問題だろうから、そうした欠点もいずれ克服すると思われる。
また、ウルリカ同様彼女にもカナコの魔の手が伸びているが、今のところは他のヴァンダルーの仲間と打ち解けるのに都合がいいから参加するつもりの模様。
ちなみに、外見は十代後半から二十歳程に見える姿に【メタモル】で変身している。
なお、死属性魔術を習得した際の彼女の魔力が三万程度で、六道が『アークアバロン』に転生した時と比べて魔力の上昇幅が少なかったのは、彼女は生きたまま処置を受けたのに対して、六道は一度死んで転生したため。
ちなみに彼女は雨宮冥を「ママ」と呼ぶが、それは一時人格が崩壊していた彼女が立ち直るのに、人格が崩壊する前に強く思っていた亡き母親を支えにする形で精神を再構成したため。
冥が実の母親、「母さん」と別人であることは理解しているが、彼女の中で冥を「ママ」と呼ぶこととその事実は矛盾しないらしい。
●ユキジョロウ 人間 十代後半 女性
アジア系の、しかし病的に白い肌をした女性。六道聖の死属性研究のために集められた実験体の一人で、その結果、冷気で他者を凍死させる事ができるようになった。
氷や冷気そのものを操っているのではなく、対象の体温を奪うための冷気を生じさせることができるという能力。そのため、無生物を冷やす事や、生物を含んでいない水を凍らせることはできない。……生物が一部でも触れていれば無生物でも冷やせるし、液体中に微小な菌やプランクトンが含まれた水は凍らす事ができるので、僅かな違いかもしれないが。
また、彼女自身は絶対に凍死しないという能力……というより、特徴も持っている。これは単に低体温症や、体が凍り付くことで死ぬ事はないというだけで、凍らないわけではない。
もし彼女が冷凍庫に閉じ込められて凍らされた場合、凍り付いたまま生き続けることになるだろう。
もちろん、氷で物理的に殴られれば怪我をするし、凍らされた後バラバラに砕かれれば死ぬ。
なお、別に炎や熱が弱点という訳ではない。熱への耐性は人並みである。
夢で出会ったヴァンダルーに導かれ、ヴァンダルーを「神」、冥を「聖女」として崇めている。だが冥の両親である雨宮夫妻に対しては、特に何の感情も向けていない。自分からトラブルを起こし、もめるつもりはない。だが、ことさら親密な関係になる必要も感じていない。つまり、顔と名前が一致しているだけの他人として扱っている。
『第八の導き』に似ている六道の実験体達だが、『第八の導き』と違って【ブレイバーズ】に対して、ヴァンダルーの前世である『アンデッド』にとどめを刺したことについて悪感情は持っていない。
彼女達を助けたのはヴァンダルーであって、『アンデッド』ではないためだ。
ヴァンダルー自身がかつての自分に止めを刺した事について今も恨み、憎んでいればユキジョロウ達も同様に憎んだかもしれない。しかし、実際はそんなことはなく、本人にとっては「どうでもいい事」であったため、ユキジョロウ達もそれに倣っている。
……六道との戦いが迫っている状況で、もめている場合ではなかったという事情もあるが。
ただ、悪感情は抱いていないがジョゼフ等ヴァンダルーに導かれている者以外の【ブレイバーズ】を信用してもいない。彼らが有能なら六道聖が裏で何をやっているか、自力で気が付くことができたはずだと考えているためだ。
●ボコール 人間 十代後半 男性
眼鏡をかけたラテン系の十代後半の少年。正確な年齢は本人が覚えておらず、さしたる興味もないようだ。
六道聖の死属性研究の実験体の一人で、脳改造を施された影響で笑顔以外が浮かべられなくなった。また、喜怒哀楽の感情の内、喜び以外の感情が希薄になっている。
彼が獲得した限定的死属性魔術は【増殖】と【促進】で、まるで【生命属性魔術】のようだ。実際、似たような魔術は【生命属性魔術】にもある。
ただボコールの【増殖】と【促進】は、対象の寿命を早めるという結果ありきの魔術である。
生物は生まれ、成長し、増え、そして死ぬ。ボコールの魔術は死ぬまでの時間を早めるために、成長や増殖を早めているのである。
恐ろしい魔術だが、寿命が長い対象……大型の動物や人、樹木等を対象にすると効果が出るまで時間がかかってしまう。そのため、ガブリエルが対象の中に仕込んだ寄生虫や微生物、癌細胞等を対象にして、結果的に敵を殺すという方法をとる事が多い。(ジョゼフの植物に使った時は、チート能力によって発生し維持されている仮初の生命だったため、魔術の効果があった)
非常時には自分自身に魔術を使い、身体能力を底上げする事も可能。ただ、自分で自分の寿命を削る事になるので、よほど追い詰められなければやらない。
コードネームがブゥードゥー教の司祭であるためか、自分をヴァンダルーと冥を信仰する司祭として位置付けているため、そうした言動が多い。
また、ユキジョロウへ迫る人工精霊を身を呈して止める程仲間同士の結束は固い。
●ガブリエル 人間 十代前半 両性具有
中性的な印象の整った容姿の美少年、もしくは美少女。実際には、どちらでもない両性具有。
六道聖の実験体の一人で、もともとは双子の兄と妹の二人だった。二卵性でありながら容姿も体格も似ており、互いの臓器に適合可能な遺伝子をしていたため、六道によって一人にさせられてしまう。
『アークアバロン』の試作体を創る事を目的とした実験だったが、生きた双子を使ったフランケンシュタインの怪物とも言うべき手術は、六道が予想しなかった形で成功した。
一つになった体で蘇生したガブリエルは、双子両方の記憶を持っているが人格は兄でも妹でもなく『ガブリエル』一人に統合されている。
これは自我が確立する思春期前に手術が行われたからだろう。……手術が数年後だったら、多重人格状態になっていたかもしれない。
実験の副産物として獲得した限定的死属性魔術は、【受胎】。対象の体内に魔術で作った寄生虫や微生物、癌細胞を発生させるという物。魔術で作るので、対象があらゆる寄生虫や病原体、癌細胞が効かない体質だろうが何だろうが発生する。ただ、発生した後も増殖し続けるかは対象次第。それに時間もかかる。
そのため、ボコールと組まないと即効性に乏しい。
歳が比較的近いためか、博と仲良くなり、よく一緒に行動している。年齢的にはガブリエルの方が年上だが、研究所に監禁されて育ったため実は博の方が物知りだったりする。
●陽堂正輝 人間 男性
【ザントマン】のコードネームを持つ転生者。視認した対象や約百メートル範囲内の生物、無生物の意識を奪ったり起動を止める、また惑わせ夢うつつの状態にする事ができるチート能力を持つ。【ブレイバーズ】が国際的な救助隊だった頃は、けが人や病人を安全に眠らせ続ける事で活躍していた。お茶の間には、怪我をした野生動物を保護し、移送する任務でよく取り上げられていた。
【ブレイバーズ】が対テロ組織に性質を変えてからは、能力をテロリストや武装勢力の鎮圧に使ったり、単純に魔術や身体能力を駆使して戦う事が多くなった。しかし、彼はジョゼフや七森のように凄惨な光景や、命がけの戦闘に精神をすり減らしたのではない。
いくら殺しても、戦っても、勝っても終わらないテロとの戦いに虚無感を覚え、すべてが無駄のように感じるようになり、自殺願望にさいなまれるようになった。
しかし、夢でヴァンダルーと繰り返し遭遇。実際は、初遭遇以外は彼の魂にくっつけられたヴァンダルーの魂の欠片、加護とだが。
そして繰り返し問答を重ねる事で、「犯罪やテロが終わると考える事が、そもそもの間違いなのだ」という答えに至り、復帰していたジョゼフに協力するようになる。
そして六道聖が起こした事件後は、『オリジン』にしばらく残る事を選択した。
●七森美里 人間 女性
【アスクレピオス】のコードネームを持つ転生者。治癒魔術のエキスパートで、その効果を増幅させる【アスクレピオス】の効果もあり、死んでいなければとりあえず一命を取り留める事ができる。
ただその力のために災害現場や事件現場、野戦病院等に駆り出される事が多く、凄惨な光景を見続けたために心に深い傷を負い、しかしそれを理由に任務を断ると自分なら助けられた人を見捨てる事になるので、現場に出続けなければならない。そうした環境で精神をすり減らし、ついには倒れて一線から身を引いていた。
しかし夢でヴァンダルーに遭遇し、導かれたことでジョゼフ同様に回復。また、【アスクレピオス】の効果を無生物の修理にも発揮できるようになった。
六道聖が起こした事件の収拾と【ブレイバーズ】の再建のために『オリジン』に残る事を選んだ。……そのため、結果的にアイドルデビューへ誘う魔の手にかかるのが先になった。ある意味運のいい人物。
●セルゲイ・ダラント 人間 四十八歳 男性
引き締まった肉体を維持している合衆国の元将軍にして、現大統領。『オリジン』の神の一部をヴァンダルー化させた、ある意味功労者(元凶)。そして合衆国の隠れた救世主。
元々はごく普通のエリート軍人であり、愛国者だった。しかし、幼い息子を当時『第八の導き』として活動していたプルートーに助けられた事で、隠れ『第八の導き』信者となる。
だが、『第八の導き』壊滅時にはまだ将軍ではなく、作戦に干渉する権限がなかった。そして、軍人としての自分と信者としての自分、どちらを優先するべきか悩んでいた。プルートー達が信者達にテロ活動を促すどころか、むしろ逆だった事も当時のセルゲイが行動に踏み切れなかった理由でもある。
結果、『第八の導き』は壊滅し、セルゲイは後悔にさいなまれる事になる。それを救った形になったのが、数年後に夢で遭遇したヴァンダルーと冥である。
夢で導かれた彼は信者として覚醒。『第八の導き』の時と同じ轍を踏まぬよう、来るべき時に備えて軍内部に協力者を増やし、一大勢力を築いた。表向きには、次の大統領選を狙っているとか、上院議員になるつもりだとか、色々と噂を流すことで情報をかく乱して捜査機関の、そして結果的に六道達の目を潜り抜けた。
そして副大統領がバンダー一行に攻撃を命じた段階でクーデターを実行。そして大統領に就任した最初の仕事が冥を迎えるための箱庭の建造で、その次が魂のみで降臨したヴァンダルーの姿を全世界に中継するよう命ずる事である。
最初の仕事は現在企画段階で、本当に冥が利用するかは不透明な状態である。だが二番目の仕事のお陰で合衆国では失神する者が続出し、その後『第八の導き』と新大統領を支持する者が大幅に増えてしまった。
彼が行動を起こさなければ合衆国全体はともかく、副大統領がいた司令部にはバンダーが襲来していた可能性が高く、更にヴァンダルーが『オリジンの神』の一部になる事も無かったので、ある意味『オリジン』世界のキーマンの一人でもある。
今後は【ブレイバーズ】と協力し、六道が起こした事件の収拾にあたると思われる。
●ダンドリップ エルフ 三百歳以上 男性
本名ランドルフ。青い髪のエルフ吟遊詩人のルドルフとしてカナコの元に潜入していたが、そこから離脱し元の生活に戻った……のだが、昔なじみからの依頼を受けてしまった結果、再びヴァンダルーに遭遇してしまった。
魔境と化してしまった故郷を取り戻すために冒険者となったが、同郷のエルフも含めて誰も故郷を取り戻すことを本気で望まず、協力してくれなかったことで夢や理想を失い、挫折した過去を持つ。
なお、ヴァンダルーというよりもカナコの芸道の方に導かれかけており、彼女を尊敬する人物の一人に加えている。
●メオリリス エルフ 二百数十歳 女性
オルバウム選王国の首都、オルバウムにある特別な素質を持つ者を集めた冒険者学校、通称英雄予備校の校長を務めるエルフの女性。
ランドルフとは同郷ではないが昔なじみで、元A級冒険者。冒険者引退後、その実力と知識を買われて校長に就任した。
生まれた順が遅かったせいで家督を継ぐことができない貴族の三男四男や、政略結婚にも使いにくい妾の末の娘や庶子、冒険者として活動して箔と経験をつけたい騎士の子弟等も生徒として入学してくるので、選王国の貴族に対して強いコネクションを持っている。
ランドルフの過去を知っており、彼が引退した後もコンタクトをとれる人物の一人。また、かつては肉体関係があり恋人同士でもあったが、結局結婚には至っていない。
ただお互いを友人以上の相手だとは思っており、ランドルフの事を何かと気にかけていたようだ。
●雨宮寛人 人間 男性
六道を倒し、『オリジン』世界をとりあえず滅亡の危機から救った【ブレイバーズ】のリーダー。しかし、組織のナンバー2が事件の首謀者であるため、これで安泰とはいかない。
もちろん、六道が事件を起こすのに各国の大統領や要人が協力していたので、雨宮の責任だけが問われることはないと思われるが、今後の【ブレイバーズ】と『オリジン』には波乱が続く事だろう。
セルゲイ・ダラント大統領や残りの【ブレイバーズ】のメンバーと力を合わせて乗り越えられるかは、彼にかかっている。
死属性を「存在してはいけない」と定義していたが、それは死属性の研究や使い手を作り出すための実験に多くの犠牲を強いるためで、死属性が邪悪だと考えているからではない。そのため、既に生み出されてしまった実験体や使い手を排除しようという発想は持ち合わせていない。
ちなみに、もし彼と六道に与えられたチート能力が逆だった場合は、六道は【ブレイバーズ】のリーダーとして活躍し、雨宮はそれを補助する事務方やオペレーターとして力を発揮するという、平和な【ブレイバーズ】になっていただろう。(ヴァンダルーを除く)
彼のチート能力は【防御力無視】、【全属性適性】(死属性と時間属性を除く)、【無詠唱同時多発動】、【不滅の力】、【鋼の精神】、【幸運強化】、【性能強化】の七つ。だが、主に使っていたのは【防御力無視】と【全属性適性】、そして【無詠唱同時多発動】の三つ。
【不滅の力】は、いわゆる火事場の馬鹿力で、力が底をついても「まだまだぁ!」と立ち上がる事ができる。
【鋼の精神】は、精神的な影響を受けずに行動する事が可能になる。そのため、雨宮は激しい戦闘を経験し凄惨な光景を見ても、心に傷を受けることはない。
【幸運強化】は、転生者達が共通して与えられた幸運を強化する能力。そのため、彼は他の転生者より幸運に恵まれることが多い。
【性能強化】は、この能力の所有者が使う物品の性能をより強化する能力。彼が使うと四十五口径の銃は五十口径並みの威力と三十口径並みに反動が小さくなったり、鍋がいつまでも焦げ付かないままだったりする。なお、変身装具もこのチート能力の効果の範囲内である。
冥と博をヴァンダルーに預けるのに同意したのは、これから『オリジン』に冥と博にとって安全な場所は極めて限られる事が分かっていたため。
●雨宮成美 人間 女性
【エンジェル】のコードネームを持つ【ブレイバーズ】のメンバーの女性。博と冥の母親。
六道の裏切りと同時に、自宅にバンダーがいたことにも気が付き、色々と動揺する間もなく世界中を飛び回り、バンダーの正体が天宮博人である事を知るが、バンダー本人が込み入った話をするのを嫌ったために思い悩む暇もなかった人。
バンダーとしては、決戦前に下らない事で動揺されるのは極めて面倒だったので当然の処置だった。
彼女の天宮博人への感情は思い出になっている。夫である雨宮寛人との馴れ初めであるが、それゆえに覚えてはいる。そのためバンダーやヴァンダルーとの遭遇は衝撃的であった。
しかし、雨宮寛人に対して特に落胆や失望させられるようなことはなかったので(初対面時から暫く雨宮寛人が嘘をついていたことは、結婚前に乗り越えている)特に夫婦の絆には影響はない。そしてバンダー(ヴァンダルー)が自分達夫婦の事をどう思っているかも、多少は察しているので昼ドラ的な何かが起こることはないだろう。
なお、彼女や寛人はバンダーから「あとで話そう」と言われているが、結局話せていなかったりする。
●デリック・サンダー 人間 男性
マッチョな肉体を持つ、見るからに熱そうな白人男性。
【ケイローン】のコードネームを持つ合衆国生まれの転生者。【対象の学習能力向上】と【対象の成長促進】のチート能力を持つ。
『地球』では高校の教師をしていたが、村上と違い生徒に対してある程度の責任感を持ち続け、しかし現世では所詮同じ年齢の一個人であるため、一定の距離を取っていた。
【ブレイバーズ】に入る前はスポーツジムのトレーナーをしており、顧客のダイエットを成功させるなどチート能力を使って収入を得ながらも、あまり目立たないようにして生活していた。
【ブレイバーズ】に入った後は基本的に裏方に回る事が多く、自身が他人に教えられるほどの技術や知識を習得した後は、ほかのメンバーや各国のレスキュー隊や警察官等の教官を務めていた。
ただデリック本人が弱いわけではなく、普通の精鋭部隊の隊員を数段上回る実力を持っている。
六道聖からは、チート能力が似ている事と、さらに自身ではなく他者を対象にできる事から疎まれ、表舞台から故意に遠ざけられていたが本人は全く気が付いていない。
他のメンバーからは「距離感のあるアサギ」と性格を例えられていた。また、六道が裏方に回し続けたせいで各国のレスキュー隊や警察組織の現場のメンバーに強い人脈がある。
六道と彼の配下亡きあとの【ブレイバーズ】では、おそらく幹部として活躍するだろう。
●六道聖 人間→神→元神 男性
【アバロン】のコードネームを持つ【ブレイバーズ】のメンバーの一人で、結成当時から雨宮達を支え続けた縁の下の力持ち。【学習速度上昇】と【成長制限無効】の能力を持ち、チート能力を使わない戦闘や、魔術の腕は【ブレイバーズ】でも一二を争う。
しかし表に出ることは少なく、【ブレイバーズ】の実務的な仕事や情報戦の指揮を執る影のリーダー……っと、思われていたが、実は死属性魔術研究に憑りつかれ仲間たちを裏切っていた黒幕。
自身にとって邪魔な【監察官】や【ウルズ】などの仲間を排除していき、【ブレイバーズ】を自分と配下で牛耳ると、雨宮を表で動かし、裏では死属性魔術の研究を続けていた。
『地球』にいた時から真面目で品行方正、成績優秀な人物だったが、実は特別になりたいという願望に幼いころから取りつかれていた。しかし『地球』ではそれは無理だろうと考え、無難に自分に届く範囲での特別になる事で満足しようとしていた。
しかしロドコルテによって『オリジン』にチート能力付きで転生させられたことで、今度こそ真の特別になろうと考える。だが、自身が獲得した能力はつまり「努力すればするほど強くなれる」というもので、客観的に能力の有無を確認しにくい性質だったことで、自身がヒーローとして特別になるのではなく、ヒーローとなった雨宮達を駒のごとく操る【ブレイバーズ】の影の実力者になる事で満足しようとした。
だが、死属性の存在を知ったことで、「この魔術を手に入れれば、自分はこの世界で唯一無二の特別な存在になれる」と考え、いつしか新たな神となるという野望に憑りつかれてしまった。
目的のためには鋼のような忍耐力を発揮し、表の顔を維持したまま何年も暗躍を続けながら配下や協力者を集めている。しかし、目的達成のためには非人道的な手段も躊躇わずに使う、非人間的な一面がある。ガブリエル達実験体達が受けた人体実験や、同じ転生者でも利用しつくす。
その反面、自分に忠実で有能な守屋幸助のような配下とは信頼関係があったようだ。その守屋達も戦闘中に自身の力とするために殺してしまったが、それも六道にとっては「捨て駒にした」のではなく、「より自分の力になれるようにした」という感覚で、裏切ったつもりは全くない。
自分が特別になる事を目指しているため、彼は世界を自分が頂点に存在し、それ以外の全てが自分の下にあると考えている。その考えは、『アークアバロン』に転生して人間から神に変化した事で隠しようがないほど強まってしまったようだ。
死属性魔術を手に入れる過程で、再び転生する事が必要だと考えて作った装置が輪廻転生システムとして機能したため、神へと変化する。
それによって身長が三メートルを超えるギリシャ彫刻を思わせる逞しく美しい、しかし体毛が一切ない肉体に転生している。
その戦闘力は高く、相手が雨宮寛人達だけだったら苦も無く圧勝していただろう。しかし、バンダーも同時に敵に回したために、三度目の死を迎える事となった。
ただロドコルテによって魂を砕かれる前に救いだされ、今は守屋とともにロドコルテの拳の中にいる。
他に【ナイト】の鍋島、【一寸法師】の矢崎、【アルテミス】のキャサリン・ミラー、【倶生神】のダー・ロン、【コピー】の井口健男という配下がいた。
なお、『ラムダ』世界の神々に当てはまらない事柄が多数あるが、彼は『オリジン』世界で初めて人間から神に至った存在である。物理法則が異なる『ラムダ』の神々と異なるのは、必然と言える。
●守屋幸助 人間 男性
【シャーマン】のコードネームを持つ転生者。六道の配下で、彼の秘書的な役割を熟していた腹心。
六道聖に対して心酔しきっており、六道を頂点とした新たな世界の到来を心から望んでいた人物。それによって世界は救われると本気で信じており、今もそれを疑っていない。
死んでも、それも六道本人の手によって殺された直後でも、その忠誠心は揺るがず、冥に魅了されることなく六道聖に従う事を選ぶほどで、狂信の域に達している。
なお、それは六道が【死属性魅了】を持っているからではなく、生前から守屋達が彼に対して狂信的な忠誠を誓っていたため。
六道が死亡し、ロドコルテに魂を回収される際ヴァンダルーによって同僚であり同士である鍋島と矢崎の魂を喰われるが、守屋は運良く六道とともに無事回収された。
現在は六道の魂と共に、ロドコルテの拳の中にいる。
●ジョニー・ヤマオカ 人間 男性
【バロール】のコードネームを持つ転生者。六道を含めて主だった【ブレイバーズ】のメンバーと距離を取り、任務に忠実で寡黙な人物と思われていたが、実際は六道の忠実な配下の一人。
視認した対象のエネルギーを奪い(電気、熱、運動、魔力、あらゆるエネルギーを含む)、奪ったエネルギーを自身の魔力に変換するチート能力の持ち主。
エネルギーを奪われた対象がのろのろと這いずる姿から、見つめた存在の戦意を奪う魔眼を持つ【バロール】のコードネームを与えられた。
また、チート能力を使わなくても戦闘能力は高く、戦車と肉弾戦をして勝つことができるほどだった。しかし、エネルギーを奪う間もなくバンダーに接近され、生きたまま脳を【魔王の神経】に侵され、六道聖や今回の作戦、カードの暗証番号等の情報を搾り取られて死亡した。
その後、バンダーに自分名義のクレジットカードを使われたため、一時期『あのエイリアンの正体は、ジョニー・ヤマオカ!』と誤情報が出回り、予期せぬ形で有名人になってしまった。
なお、合衆国を含めた各国の中枢ではその間違いにすぐ気が付いたが、一般人の間にはまだこの誤情報が流れ続けているらしい。
●西鏡義彦 人間 男性
【スレイプニール】のコードネームを持つ【ブレイバーズ】のメンバー。デリックやジョゼフ達の乗った輸送機を撃墜するために合衆国の最新戦闘機に乗って出撃したが、陽堂と七森の合わせ技によってミサイルを防がれ、ジョゼフによってカビに生きたまま喰われるという悲惨な最期を迎えた。
なお、デリック達が南米に迎えに行きそのまま護送するはずだった犯罪者は、最初から存在しない。彼らを輸送機に乗せるための偽任務である。
騎乗した物の性能を本来以上に引き出すというチート能力の持ち主で、『ラムダ』に転生すればテイマーとして活躍できただろう人物。
ちなみに、前職はレーサーである。ロデオにも挑戦したが、牛の身体能力を本来以上に発揮させた結果、鞍から吹っ飛ばされてしまった。その後は牛には乗らないと心に決めているらしい。
●杉浦七夜 人間 男性
【アレス】のコードネームを持つ【ブレイバーズ】のメンバー。岩尾やベイカーと同様、雨宮寛人に近しいメンバーを装っていたが、実際には六道聖の忠実な配下の一人だった。
偽任務で雨宮達をおびき出し、『ブラックマリア』や『ガブリエル』、『ユキジョロウ』に『ボコール』といった実験体に加え、【アルテミス】のキャサリン・ミラーと【倶生神】のダー・ロンの転生者を伏せさせ不意を突き、万が一それでも始末できなかった場合は雨宮のチームに潜入している彼が止めを刺す。完璧な作戦で雨宮寛人抹殺を狙った。
しかし、『ブラックマリア』こと獅方院真理が正気を取り戻しており、ほかの実験体と協力して裏切ったことで作戦は水泡に帰し、彼もガブリエルとボコールの協力技の前に倒されてしまう。
【威力倍増】という放った魔術や使った武器の威力を倍にするチート能力の持ち主で、普通に戦っていればかなりの強敵になったかもしれない人物。
●オルロック・トワイス 人種 男性 58歳
オルバウム中央領のテイマーギルド本部のギルドマスター。今でこそ好々爺然とした温和で思慮深い人物だが、若いころは新進気鋭のテイマー兼冒険者として活躍し、「これだからギルドのお偉いさんは!」とギルドに噛みつく血気盛んな人物だった。
しかし、歳を重ねるにつれて経験を積み、現場から引退して後進の指導を行うためギルドに就職すると、ギルドにいるからこそ分かる、現場とは違う物の見方という物が分かってくるようになった。そして歳を重ねるうちにギルドマスターにまでなった彼のもとに持ち込まれたのが、アンデッドをテイムしたと言うヴァンダルーの報告だった。
さらに、後日ランク1の魔物並みに小さくなったピートとペインもギルドに持ち込まれ鑑定を依頼されている。
ギルド上層部の苦労を知る組織人だが、同時にギルドが組合員のために存在している事も理解しており、難癖をつけてくる貴族や役人から組合員であるテイマーたちを守るためなら、王侯貴族とやりあう事も覚悟している。そのため、職員やテイマー達からの人望は厚い。
その信念故にヴァンダルーに利用される事になるが……そもそもオルバウムに『天才テイマー』として名の知れた彼が来た時点で、彼と関わる事は避けられない運命だったのだろう。
●ジェターボ 人種 男性 37歳
オルバウム選王国で、外交の責任者である外務卿(『地球』での外務大臣相当)に五年から十年ごとに就任している、いわゆる外務系貴族の一つ、ジェターボ伯爵家の当主。
オルバウム選王国があるバーンガイア大陸では、自国以外には建国以来の敵国であるアミッド帝国とその属国しか存在しない(ヴィダル魔帝国は認知されていない)ので、軍務卿や内務卿と比べると比較的閑職である。
しかし、各公爵領との交渉や大陸外の国とのやり取りがあるため、完全に閑職という訳ではない。
その中で現外務卿のジェターボ伯爵は敏腕というほどではないが無能ではない、普通の外務卿。いい意味でも悪い意味でも常識人であるため、最近オルバウム選王国で起こっている大きな変化に対して騒ぐ、いわゆるダメ貴族や馬鹿貴族の言動に胃を痛めている。
外務卿の任期が終わるまで平穏に乗り切れたらいいなと思っているが、アルクレム公爵家が本気で改革を進めているので、それはかなわぬ願いだろうとあきらめ気味である。
キャラクター紹介下を6月11日に投稿し、一度お休みをいただいて、6月19日に十四章をスタートさせていただきます。
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