十二章キャラクター紹介下
投稿が遅れてすみません。
●クワトロ号 ?歳 フォビアゴーストウォーバトルシップ
魔王の大陸までの航海と、辿りついた後の戦いと、大活躍だったクワトロ号。船内には砲門型使い魔王が設置され、砲弾型使い魔王が収納されている、『絶望の船』。
空を飛び、海に潜る事が出来、空中戦も熟す事が出来る。さらにサム同様に、空間を操作する事で船倉内を通常よりも広げ、大量の荷物や人員を収納する事が出来る。
この便利さで乗り物としての地位を不動のものにしたが、さすがに従魔としての地位までは無理だったらしく、中央領行きの候補からは外されている。
そのため、アルクレム公爵領との密貿易や、旧スキュラ自治区との物資のやり取りに参加できるよう、境界山脈越えを往復する等のトレーニングを行っている。
結果、旧スキュラ自治区では夜な夜な、『ギィィィィィ!』という木が軋むような不気味な叫び声が響き、サウロン公爵領の旧スキュラ自治区を見張る将兵の恐怖心を煽っている。
そして、タッカード・アルクレム達が背後にあると思い込んでいる、シールドに付けられたスパイクの内の一本となっている。
●クノッヘン ?歳 ボーンパンデモニウムギガントギガース ?
偽クワトロ号の船倉の内部に収納されたり、複数に分かれて別々に行動したり、骨の渦となって防衛隊の亜神から生きたまま骨を引き抜くなど、大活躍だったクノッヘン。
戦いの結果、真なる巨人や龍の骨を数多く吸収した事で、さらに強大な……『ラムダ』世界最大のアンデッドと化している。
そうして手に入れた真なる巨人の骨を使い、レギオンと合体。巨大な骨肉の巨人となって戦うという、新形態を披露した。
ちなみに、旧スキュラ自治区のアンデッド軍団には、クノッヘンの分体が混じっている。魔王の大陸や魔大陸にクノッヘンの多くの部分が存在している間は、細かい操作は不可能なのだが……ただ敵に向かって突撃しながら毒のブレスを吐くだけで、十分すぎる戦力になるので、ルデル・サウロンの胃痛の原因の一つとなっている。
ただのスケルトンだと思ったら、鳥より速く空を飛び、ベテランの傭兵や精鋭騎士の一撃が通用せず、猛毒を吐きまくる強敵だったなんて、サウロン公爵軍にとっては悪夢そのものだろう。
●カナコ・ツチヤ 3歳(外見年齢十五歳) カオスエルフ 女性
数多くのアイドルを育成し、コンサートを開催する事で数多くのファンを獲得した結果、【芸導士】のジョブを発現するに至った転生者。それは、『地球』ではアイドルを夢見ていただけの女子高生が、世界を動かす存在にまでなった事を表している。
とはいっても、本人には「能力値が上がり易くなった」程度の自覚しかなく、普段通りレッスンを受けにくる人々を指導し、ステージで歌って踊るだけだ。しかし、【導士】系ジョブは本人に自覚が薄いのが常であり、影響は導かれる周りの人々に出るものだ。
『弦の神』ヒルシェムの英雄候補のエディリアや、『陽炎の神』ルビカンテの英雄候補のカルロスを導いたのも、その一環である。
また、カナコの導きはヴァンダルーの導きと繋がっており、カナコに導かれた者はヴァンダルーにも導かれやすくなるという効果もある。そのため、二人がラムダ世界を巡ってコンサートを開くワールドツアーを行うと、ロドコルテの輪廻転生システムに属していた魂が、どんどん抜けていく事になる。
ロドコルテは魂を砕き、喰らう事が出来るという一点でヴァンダルーを抹殺する事を目標に掲げているが、実はカナコもロドコルテにとってはかなりの危険人物である。
●ミリアム 16歳 人種 女性
極普通の新人冒険者……だったのだが、いつの間にか、『ハート戦士団』のリーダーとして、貴族にも名前を知られた存在になってしまった、人種の少女。
実際、その技量は新人どころかベテラン冒険者も追い越しつつあるのだが、周りの人々と変身装具の性能が凄いため、あまり自覚していない。
防衛隊との戦いで、アーサー達に加えてサイモンやナターニャも指揮する事になり、リーダーとしての資質をさらに磨く事になった。
●ボティン ?歳 大地と匠の母神 女性
魔王軍との戦いの最中、魔王グドゥラニスによって封印されてしまった大神。その封印から目覚めてみれば、目の前に異形の魂が!
そして次々に判明する、自分が封印されている間に起きた衝撃の事件の数々!
そうした衝撃に耐えつつ、現状を把握した結果、自分自身の神としての在り方からヴァンダルーの味方をする事を選択する。
心配されたザンタークやヴィダとの三角関係は、鉄拳制裁パンチと両頬を抓る事で和解が成立する。
彼女個人としては、勇者だった頃のベルウッド達に対するわだかまりは持っていないが、神になった後の行動には数多くの不満がある模様。子供(人間)だったころのやらかしは許せるが、大人(神)になった後のやらかしはダメという線引きがされているらしい。
また、ヴァンダルーがグドゥラニスのように魂を砕く事に対しては、だからこそ傍で支える事で、注意監督しなければならないと考えている。
ちなみに彼女の神像は、小太りな体つきの母性愛を感じさせるものから、褐色の肌の金槌ややっとこを持った妙齢の美女の姿をしたものまで、デザインの幅が広い。また、ドワーフの女性をモチーフにした神像も存在する。
復活した彼女によって、そうした神像に祈る敬虔な信者達に神託が下された。影響は、アミッド帝国では属国の中でもドワーフの多い鉄国マルムークが大きいと思われる。
土属性から連想したのか、農耕神として崇められている地域もあるが、本来農耕は酪農や牧畜、漁業と同様にヴィダが司る(生命を育て、生命の糧を得る仕事であるため)ものなので、ボティンとしては「間違っちゃいないけど、なんか違う」ので違和感を覚えるが、間違いではないので信者達の好きにさせるつもりのようだ。
●ペリア ?歳 水と知識の女神 女性
魔王グドゥラニスとの戦いに敗れ、力を極度に消耗したため眠りについた大神。
実際には数万年前から目覚めていたが、その頃にはヴィダは既にアルダによって封印されており、アルダと合流する事が躊躇われる状況にあった。
そのため腹心のパーグタルタに自身の守り役を任せたまま、情報を収集する事に専念。その結果、アルダ達の方針に協力する事は出来ないと判断し、眠り続けているふりをしたまま機を窺っていた。
そしてヴァンダルーの成長によって、「今ならアルダに従う神々の妨害をねじ伏せて、ボティンの封印を解く事が出来る」と確信したため、ユリアーナに神託を下した。
ペリアの神像は水を思わせる衣やドレスを纏った理知的な女性の姿で造られる事が多く、エルフの女性としてデザインされた像も少なくない。
ちなみに、『ラムダ』世界の現状は、本来世界に干渉しないロドコルテが、手を出すくらいには危険な状態に陥っている。百年や二百年なら問題ないが、千年後には拡大する魔境によって人類の生存域が狭まり種の存続が難しくなる事が濃厚だ。
ただ、これはロドコルテやアルダ達が主な信者とする人間社会の話であり、既に魔境に囲まれている境界山脈内部や魔大陸、魔境の中で生活しているグール、地下空間のガルトランド等は千年後も変わらず生存し続けている可能性が高い。
皮肉な事に、アルダ勢力の神々の方針の行きつく先が、魔境でも生きていける人間を作るというヴィダの目的の一つの有用性を示した形になる。
そして、ヴァンダルーが転生しなければ、アルダが方針を百八十度変えない限り千年後にはアルダ勢力の神々は大打撃を受け、千数百年後には人間社会の滅亡という結果によって、ヴィダ派が勝利していたかもしれない。
……境界山脈内部の国々は、『解放の悪神』ラヴォヴィファードとその手先達によって滅茶苦茶にされていたかもしれないが。
この予測に気がついているのはペリアのみであり、彼女がアルダではなくヴァンダルーに付いた理由の一つでもある。
●ジャロディプス ?歳 罪鎖の悪神 男性?
元魔王軍所属で、魔王軍残党の邪悪な神の一柱に数えられる『罪鎖の悪神』。元々は大した神ではなかったが、『ラムダ』世界では『罪』の意味が変わったため、『ラムダ』世界で潜伏する内に、その神威が大きく変化してしまった神。
勇者ザッカートの誘いを受ける事が出来ず、また運良く勇者軍に封印されなかった。しかし、ヒヒリュシュカカやゼーゾレギンのように、『潜伏しながら力を蓄え、やがて世界を我が物に!』というような野望は抱かず、ヴィダ派と接触して恭順する事を選んだ。
しかし、その前に英雄神となったベルウッドに発見され、戦闘になるもその神威でベルウッドを封じ込める事に成功する。尤も、その直後駆けつけたアルダによって封印されてしまう。
その後、自分に杭を打ち続けるアルダを哂いながら五万年以上の年月を過ごす。最後の力を維持したまま。
その身体にはベルウッドを解放しようとしたアルダによって、数え切れないほどの杭が打たれているが……実際には、ベルウッドはジャロディプスの力で封印されているのではなく、「自分は何もするべきではない、何も考えるべきではない」というベルウッド自身の意思で眠りについていただけだった。なので、ジャロディプスが受けた杭は本当に無意味な行為だった。
その後、ハインツの説得によって目覚めたベルウッドを自分ごと封印するために、最後の力を振り絞るが、ベルウッドを身体に降臨させたハインツの一撃によって倒され、封印されてしまう。
彼の力は「対象が犯した『罪』を、被害者として追体験する」という、精神にダメージを与えるもの。対象の精神がどれ程強靭でも、罪を罪と認識していなくても、「大義のためには犠牲が出ても仕方がない」という主義を徹底していても、「被害者として追体験する」ので関係ない。
また、何を「罪」とするのかの判断基準も概念的なもので、「被害者」となるものが過去存在するのなら、「対象」となるものが属する社会では合法とされる事でも「罪」と判断される。
これはジャロディプスが法の神ではなく、罪を司る神であるためである。
被害者として自分自身を憎み、恨み、自己矛盾を抱える事で、鋼の精神も錆び、脆く崩れるのである。その効果は、何万年もの間自分と前しか見ていなかったベルウッドに、自身の罪を自覚させ精神と人格を崩壊させたほど強力である。
なお、「対象」と「被害者」の精神があまりにも異なっている場合は、効果がない。対象が「人」で被害者が「虫」の場合や、対象が「邪悪な神」で被害者が「人間」の場合などがそれにあたる。
結局は接触できなかったため、ヴィダ派の神々からはジャロディプスは謎の多い存在として見られている。仲間と認識するには関係性が薄いが、ベルウッドを封じるという大金星を挙げているので、憧れと尊敬を向ける者もいる。しかし、やはりどんな神なのか分からない。
そんな認識である。
斜に構え、皮肉気な性格の持ち主だが、それは自身が何処まで行っても「罪」の神である事と、自身もこの世界にとっては侵略者、つまり罪人であるからでもある。
最後の力を使って逃げ出そうとする事もなく、アルダに一矢報いる事もなく、ベルウッドと鎖でつながり続けたのは、ジャロディプスなりの罪の償いだったのかもしれない。
ちなみに、アルダの『法の杭』は、『ラムダ』を国として解釈し、『ラムダ』国の法が適用される存在が効果範囲内の対象である。
侵略者であるグドゥラニス以下魔王軍は『ラムダ』の法の範囲外だが、その後定住して『ラムダ』の神となったジャロディプスは法の効力が及ぶ範囲内と解釈される。
●ゴーン ?歳 岩の巨人 男性
アルダ勢力の亜神の纏め役の一人。ブラテオやタロスと同格の真なる巨人で、岩のように強靭な肉体を誇る。
アルダはその彼を見込んでボティン防衛隊を任せ、何十柱もの亜神や『角笛の神』シリウス、『陣太鼓の神』ゼパオンを戦力に組み入れた。
しかし、ゴーンと同格のブラテオとマドローザを組み入れたのは、如何に戦力を重視したとしても間違いであった。自分と同格で、何かと熱くなり暴走しやすい二柱を御すことはゴーンには難しく、結果指揮が乱れてヴァンダルー達にいいようにされてしまった。
彼らが勝つには、防衛隊の戦力についてヴァンダルー達が知らなかった初戦で倒しきるしかなかったのだが……。
その後、失った戦力を補うために魔王の大陸の魔物を利用する等、集団戦とは十万年前の魔王軍やヴィダとアルダの戦い以外では縁のない亜神としては柔軟な思考を見せた。
●ブラテオ ?歳 轟雷の巨人 男性
真なる巨人の一柱。『巨人神』ゼーノの息子。髭を蓄え、マッチョな人間を巨大にしたような姿をしている。魔王軍との戦いを生き残った真なる巨人達の中では、タロスとほぼ同格の強さを誇る。
性格も穏やかで、面倒見が良く寛容だったが、魔王軍との戦いで妻を失い人格が変わってしまった。
短気ですぐに怒りを爆発させるようになった彼は、復讐の対象を失ったまま十万年以上人里から離れた地で邪悪な神の封印を守り、魔境の拡大を防ぐ仕事に従事していた。
それがヴァンダルーという、魔王グドゥラニスの欠片を幾つも吸収した新たな魔王が現れた事を知り、抑えこまれていた復讐の念が爆発し、それを向けてしまった。
ヴァンダルーに倒され、その魂は喰われ、肉体は肉製品に加工されている。
『雷の巨人』ラダテルという、彼に性格と力がよく似ていた息子が防衛隊に所属していた。
●マドローザ ?歳 大海龍神 女性
龍の一柱で、『龍皇神』マルドゥークの娘。蛇を思わせる長い身体に、複数の翼、二対の脚に長い尾を持つ。
魔王との戦いを生き残った龍の中では格が高く、ティアマトとほぼ同格。
ブラテオ同様、ヴァンダルーを魔王グドゥラニスと同列視しており、防衛隊に加わったのもそれが理由。『大渦龍神』ズヴォルドという息子がいた。
ヴァンダルーに倒され魂を喰われた後は、肉体は加工食品の材料にされており、マドローベーコンから大海ベーコンと名を変えて、ヴィダル魔帝国の胃袋を満足させている。
●ハインツ ?歳 人種 男性
アルダの試練のダンジョンを、当初想定されていたよりもずっと速い時間でクリアし、再現されたグドゥラニスも倒す事に成功した。
これは元々ダンジョンが、ハインツ達を「短期間でベルウッドを降ろせる器」にする事を目標にアルダに創られたから。そして、ヴァンダルーがダンジョンの本来の管理者であるキュラトスを滅ぼした事で、試練の難易度が格段に落ちたのが原因である。
『記録の神』キュラトスが滅んだ事で、試練で出現する偽者の再現度が落ち、本来持つはずだった高度な判断力が損なわれた。そして、試練で出現するのはあらかじめ決まった戦闘パターンを繰り返す粗悪なロボットのような存在になった。
そのため、何度も死に戻りながら戦闘パターンを解析する事で、攻略が可能になってしまったのだ。本来の難易度なら、あと一年はダンジョンの中だっただろう。
ただ、試練の難易度が格段に落ちたために、試練を終えたハインツ達の「強さ」も落ちている。ステータス上はジョブチェンジを重ね、能力値やスキルのレベルは確かに上がっている。しかし、死に戻りが出来ない本物の戦いや、自我を持って動く同格以上の相手との戦いから離れ過ぎた。
アルダとしてはそれでもベルウッドが復活すれば、ベルウッドの力でハインツはヴァンダルーに勝つと信じている。
ただ、そのハインツの説得によって目覚める事にしたベルウッドは、全ての判断をハインツに任せる事にした。ハインツが「右に行こう」と言えば右に行き、「やっぱり左だった」と言えば、踵を返して左に行く。「ヴァンダルーと戦おう」と言えば戦い、「ヴァンダルーと戦わない事にした」と言えば戦わない。
つまり、意志を放棄してハインツのパワーアップアイテムになる事を選んだのである。
ハインツとしても予想外の展開だったが、ベルウッドが、つまりアルダ勢力の神々がヴィダの新種族を迫害する理由が「気持ち悪かったから」という下らないものである事を知ったため、下手に自分の意志を振り回すようになるよりは良かったかもしれないと考えている。
また、十万年のヴィダの新種族との迫害と争いの理由が「気持ち悪かったから」という下らないものだった事にショックは受けたが、「そんな理由なら止める事も出来る」とも考えてもいる。
後は、ベルウッドが口にしていた、アルダがヴィダの新種族を迫害する理由次第だが……。
現在、ベルウッドを身体に降ろした後遺症で全身の筋肉が所々断裂し、十数か所の疲労骨折のため、ダンジョンから出る事が出来なくなっている。降ろした時は死に戻り出来る仮の肉体だったのだが、フィードバックされた経験に耐えきれなかったようだ。
●ベルウッド ?歳 英雄神 男性
『法命神』アルダによって選ばれた勇者の一人。伝説の通り、勇者軍の先頭に立って戦い、伝説の通り魔王グドゥラニスを倒した。その後、アルダによって若さを保ったまま百年以上の年月を生きて、ヴィダとアルダの戦いにおいて吸血鬼の始祖やアンデッド化したザッカートを始めとした、ヴィダ派の主だった戦力や中心人物を倒している。
そして、死後は英雄神となり、いずれは『ラムダ』世界初の新たな大神となって、アルダと並び立つ事を期待されていた。
『アース』世界での彼は、眉目秀麗で成績優秀、スポーツ万能で、子供の時から学校の優等生で有名人。正しい事を主張し、間違った事を指摘し、皆の先頭を進むのが当然という人物だった。そして、彼は挫折する事なく、そのまま大学生になった。
しかし、その「正しい事」と「間違った事」が、本当にそうだとは限らない。特に社会に出れば。
大学で初めての挫折を味わって以降、上手く行かず鬱屈した日々を送っていた彼は、そのままなら社会の荒波に揉まれ、自分が嫌悪していた「妥協する大人」の一人になるか、そのまま過激な思想に染まるか、もしくは心が折れて社会の片隅で静かに生きていくのか、何れかだっただろう。
しかし、アルダに選ばれ勇者としての力を与えられ、「滅びに瀕した世界」という都合の良い舞台を与えられた事で、彼はそのまま勇者となり、神にまで至ってしまった。
ザッカート達を助けられなかった事も、彼の作戦を蹴った事で、結果的に犠牲が激増した事も、自身の指揮した戦闘の結果、次々に大神が倒れた事にも、彼は罪の意識を持っていなかった。
生き残った人類が約三千人だけだったのも、ヴィダ達から疑心を抱かれたのも、その後、ヴィダ達が創りだした新種族を「気持ちが悪いから」、「親が邪悪だから」という理由で殺し尽くそうとした事も、間違っているとは欠片も考えなかった。
神となってからも、自身の信者達が発明家を迫害し、ダンピールとその両親を火炙りにし、ヴィダの新種族の集落を襲撃しても、「皆、正しい事をしている」と満足していた。
それが原因で戦争になって、自身の信者同士で敵味方に分かれて殺し合い、大きな犠牲が出ても、「悲しい出来事だけど、皆、正しい事のために頑張ってくれたのだ」と感動し、満足していた。
だが、ジャロディプスの神威によって自身の「被害者」達の目線を追体験させられて、初めてヴィダの新種族も人間だったのだという事を理解させられ、以後は「自分が何かすると、結果は必ず悪い方へ、悪い方へと傾く。もう、償う事すら悪い結果になるとしか思えない」と思い、自身の中に閉じこもり眠りについていた。
ハインツに説得されて目覚めたが、その考えは変わっておらず、全てをハインツに任せる事で自身の意思が結果に反映されないようにしている。
彼の勇者としての戦い方は、ひたすら力押しというシンプル故に弱点がないという厄介なもの。本来なら弱点になるはずの絡め手さえも、力押しでどうにかしてしまう。
幻覚で惑わせば、勇者パワーで幻覚をぶった斬り、敵を倒す。
絶対無敵の防御力を誇る敵には、超パワーを一点に集中させて絶対無敵の防御力を貫く。
それでもグドゥラニスにはギリギリまで追い詰められたが……そのグドゥラニスでもベルウッドを倒す事は出来なかった。倒すたびに「まだまだぁ!」と叫んで立ち上がって来たり、仲間に庇われたり、不条理なほどしぶとい彼に、グドゥラニスもかなりうんざりとさせられただろう。
ベルウッドが目覚めた導士ジョブは、【導士】。人々を導くだけ導いて、その先には何もないという扇動家らしいジョブである。
このジョブに目覚めた事で、力に振り回されてしまったという見方も出来るが……ジョブは、出現する条件を満たさなければ出現しないし、スキルは獲得するに相応しい理由がなければ獲得できない。
ベルウッドの行動と人格が、【導士】というジョブを出現させ、その行いが【導き】や【誘引】スキルとなって獲得したのである。
実際、【導士】ジョブに就いた前後でベルウッドの人格が変化したということはない。そして、就いた後でも現実的な目標を見据えて人々を導く事は、彼がやろうと考えて実行に移せば幾らでもできた。【導き】も、【能力値強化】や【魔力増大】と同じスキルであり、ベルウッド自身の一部でしかなかったのだから。
●エドガー ?歳 人種? 男性
ロドコルテによって魔王グドゥラニスの魂の微細な一部、通称魔王の粉を振りかけられている、『五色の刃』の斥候&弓使い。
魔王の粉の影響で強化されており、アルダの試練のダンジョンに出現する試練の攻略に大いに貢献する事が出来た。
しかし、精神は順調に乗っ取られつつあり、エドガーとしての人格は維持されつつも、精神の一部にグドゥラニスの人格が形成されつつある。例えると、多重人格のような状態。ただ、表に出ているのは常にエドガーの人格で、グドゥラニスの人格は裏に潜んでいる。
ただ、自身の偽者を見た時は憎悪のあまり表に出かけたようだが。あまりの粗悪さに、我慢の限界を超えかけたらしい。
自身を倒したベルウッドを復讐の対象として憎み続けていたが、かつての配下の神威如きに心を折られ、ハインツのただの力に自ら成り下がった彼に、関心を失った。
代わりに、自らの肉体の欠片を次々に取り込み、自身を真に滅ぼす事が出来るヴァンダルーに対して、強い憎しみと恐怖を抱いている。
●セレン 8歳 ダンピール 女性
ハインツと同等か、それ以上にヴァンダルーの精神を追い詰める事が出来る、ダンピールの少女。
アルダ融和派と、親アルダ派のヴィダ信者に守られている。ダルシアが名誉伯爵になり、ヴァンダルーの存在と所在が明らかになったために、仲良くしましょうと手紙を出しているが、当然つれない返事に終わった。
●ゴルディ ?歳 擬態人間 男性?
前の章で滅びた擬態人間。しかし、『アルクレム五騎士』だったため、そしてヴァンダルー達が仕掛けた茶番によって、その名前は英雄としてアルクレム公爵領で語り継がれている。
そのため、今後も名前だけ登場するかもしれない。
●フォルザジバル 強奪の悪神
ゴルディと同じく、何故か歴史に名を刻まれてしまった強奪の悪神。ゼーゾレギンの被害者なのに、主犯扱いをされてしまっている、被害者。
そして、濡れ衣を着せるための茶番を仕組んだ黒幕達からは、頻繁に忘れられる。
●レオナルド 四十代 人種 男
アミッド帝国の秘密部隊、『邪砕十五剣』の四剣にして、現在最強の『斬影』。シュナイダーとは何度も斬り合う関係で激戦を幾度も経験しているが、勝負がつくには至っていない。
冒険者だったら間違いなくS級相当で、実力的には『五頭蛇』のエルヴィーンよりも遥かに上。『暴虐の嵐』が最も警戒する戦力である。
その人格は「斬り合いが出来ればそれで良い」という、シンプルで危険なもの。ただ殺人狂ではなく、戦闘狂、バトルマニアの類。そのため、ヴィダ派には絶対に転ばない人物。彼にとっては肩を並べるよりも、死ぬまで殺し合いたい奴らが、ヴィダ派には多すぎるのだ。
『暴虐の嵐』だけでもそれなので、ヴァンダルーの存在と強さを知れば、尚更である。
一応、国家が抱える「強力な個」としての常識や理性、社会性は持っているが、それは工作員としての物でしかなく、帝国の将来について案じる立場にはない。個人が色々と考え、実行に移すのは危険極まりないので当然の事ではある。
それに、彼個人としては戦えればそれで満足であり、アミッド帝国に対する愛国心はかなり薄い。もし、オルバウム選王国が彼にとって弱く、内部にシュナイダーという獅子身中の好敵手が存在しなかったりすれば、彼は戦い甲斐のある敵を求めて帝国の敵に回っていただろう。
●六道聖 三十五歳 人間 男
どうしても死属性を手に入れたい、【ブレイバーズ】の裏切り者で、今現在『オリジン』で最も危険な人物。
死属性の研究を進め、『第八の導き』と似たような存在を創りだすところまでは成功しているが、完全な死属性の適性を手に入れるには至っていない。
それを、おそらく、死属性の適性を持っているだろう雨宮冥を手に入れ、調べる事で可能にしようとしている。
ただ、その冥とバンダーによって、便利な影武者だった【メタモル】の獅方院真理が使い物にならなくなり、研究に割くための時間の確保が難しくなってしまった。
【メタモル】を実験体にリサイクルして、研究を大きく進めようとしているが……。
なお、【死属性魔術】を獲得しても、六道の魔力量はヴァンダルーの足元にも及んでいない。『アンデッド』(魔力一億)だったころと比べても、低い。
【学習速度上昇】と【成長制限無効】のチート能力により、『オリジン』世界では人類一の魔力量を持っているのだが……あくまでも人類の範疇である。
それでも何かの目算があるのか、【死属性魔術】を使えるようになれば、【ブレイバーズ】最強の雨宮寛人にも勝てると確信している。
ちなみに、研究の結果可能になった、「心肺停止及び脳死状態の人間の蘇生」は、「死者の蘇生」ではなく、心臓マッサージや電気ショックによる心肺蘇生が進歩したものとしてロドコルテには解釈されている。
身体の腐敗が始まるほどの時間が過ぎているか、もしくは死体の損傷が大きい、もしくは存在しない場合でも蘇生が可能になれば、「死者の蘇生」としてシステムに害を与えるため、警告しなければならないが。
逆に言えば、ロドコルテが静観している間は、「輪廻転生システムにとって、問題ない」のだ。
●ランキング
・I
ベルモンド
アイゼン
クイン
レビア王女
・H
ダルシア
タレア
バスディア
ワルキューレ(レギオン)
ジーナ
クーネリア
ギザニア
・G
アイラ
イシス(レギオン)
イリス
ラピエサージュ
・F
エレオノーラ
サリア
マギサ
カリニア
ガオル
リタ
フェルトニア(NEW!)
・E
ペリベール
ミューゼ
セリス
デディリア(NEW!)
エレシュキガル(レギオン)
オルビア
・D
カチア
ビルデ
ザルザリット(NEW!)
バルディリア
ユリアーナ(UP!)
イザナミ(レギオン)
・C
カナコ・ツチヤ
メリッサ・J・サオトメ
プリベル
ナターニャ
ドーラネーザ(NEW!)
パウヴィナ(UP!)
見沼瞳(レギオン)
オニワカ(UP!)
・B
ミリアム(微妙にUP)
ベストラ
ザンディア
ザディリス
プルートー(レギオン)
・A
バーバヤガー(レギオン)
グファドガーン(憑代)
・AA
シェイド(レギオン)
計測不能&名誉顧問ヤマタ ティアマト
一気にDにまで駆け上がったユリアーナに、追い越されつつも追うパウヴィナ。また、ミリアムもカップが変わる程ではないが成長している。
上位陣は安定しているが、下位グループの成長は目覚ましいものがある。
●タロスヘイム発展度
・魔大陸を含めた総人口 約十万三千人(タロスヘイム 約二万三千人 魔大陸 約五万人 ガルトランド 約三万人)
グール、アンデッド、ブラックゴブリン、アヌビス、オーカス、巨人種、人種、獣人種、ドワーフ、スキュラ、ハーフエルフ、エルフ、リザードマン、アーマーン、吸血鬼、スクーグクロー、レーシィー、ゲヘナビー、鬼竜人、魔竜人、ラミア、竜人、鬼人、ハーピィ、ケンタウロス、人魚、カオスエルフ、ノーブルオーク、オーク、ハイコボルト、コボルト、ハイゴブリン、ゴブリン、魔人、アラクネ、エンプーサ、冥系人種、冥獣人種、ドヴェルグ、ハトホル、ダンピール、アンドロスコーピオン、グラシュティグ、氷雪系巨人種、ホムンクルス
ゴーレムやカースウェポンは含まれていない。また、大陸西部のダークエルフ達の移住は始まったばかり。
●タロスヘイム施設
水銀鏡ゴーレム
探索者ギルド(交換所と配給所、ジョブチェンジ部屋)
ヴィダ神殿(従属神&ヴィダ派の神々、ズルワーンとリクレント、ザンターク、ファーマウンの神像有り)
公衆浴場
各種屋台
公営カジノ
イモータルエントの森(ガンテエント植樹済み スクーグクロー&レーシィー増殖中)
各種ゴーレム工場
モンスタープラント畑
木人訓練場(アルダ側の英雄アンデッド在住)
劇場
見る者の心に残る芸術的なペイント(空からでなければ全貌は見えない)
生命体の根源
移住希望者用集団住宅
人間社会からの移住者用寮
タロスヘイム城
ゲヘナビー城
ヴァンダルーの巨大神像(完成!)
B級ダンジョン×2(+1) C級ダンジョン×2 D級ダンジョン×3 E級ダンジョン×1
酒ヤシ栽培用ダンジョン×1
娯楽用ビーチダンジョン
漁業専用ダンジョン
デーモン軍仮住居用ダンジョン(ヴァンダルーの地下工房に併設)
●沼沢地リザードマン地区
カプリコーン農場
カプリコーン乳加工場
探索者ギルド支部
『五悪龍神』フィディルグとヴィダの祠
精神侵食ストーンサークル
D級ダンジョン×1 B級ダンジョン×1
●沼沢地スキュラ地区
田んぼ(魔ガモ農法採用中)
泥湯温泉
スキュラの英雄神メレベベイルとヴィダの祠
探索者ギルド支部
ヒュージカピバラ牧場
魔鴨の養殖場
精神侵食ストーンサークル
転移用極小ダンジョン
●サウロン解放戦線アジト(元スキュラ族自治区)
精神侵食ストーンサークル
自動アンデッド化魔術陣(侵入者リサイクル専用)
D級ダンジョン
転移用極小ダンジョン
闇夜騎士団本詰所
粗製アンデッド軍(クノッヘンの分体混じり)
●魔大陸
ザンタークの仮神域
街
温泉
ヴァンダルー巨大神像(建築中)
ダンジョン×無数
●ガルトランド(NEW!)
地上絵
壁画
B級ダンジョン×1
D級ダンジョン×4
●魔王の大陸(NEW!)
無数のダンジョン
●仮設施設
クノッヘンコンサート場
サムのジョブチェンジ部屋
クワトロ号のジョブチェンジ部屋
●導き:末那識の影響下にある境界山脈内部の国々(ヴァンダルーが直接訪問した国)
ノーブルオーク王国 人口約十万人
ザナルパドナ 人口約十万人
グール国 人口約五千人
ハイコボルト国 人口約一万六千人
ハイゴブリン国 人口約一万人
魔人国 人口約十万人(うち、魔人族約千人)
鬼人国 人口約一万人
竜人国 人口約五千人
ケンタウロス国 人口約一万五千人
ハーピィ国 人口約二万七千人
ラミア国 人口約二万人
ダークエルフ国 人口約一万人
『ヴィダの寝所』
人魚国 人口約四万人
●(非公式)同盟国
アルクレム公爵領
3月2日に十三章開始の予定です。
2月24日には、拙作のコミック版がコミックウォーカーとニコニコ静画で更新される予定です。よろしければごらんください。




