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四度目は嫌な死属性魔術師  作者: デンスケ
第十二章 魔王の大陸編
365/514

二百九十七話 第二段階開始

投稿が遅れてすみません(礼)


12月21日にコミック版四度目は嫌な死属性魔術師の一巻が発売されます! もし書店で見かけた場合は手にとっていただけたら幸いです。

 時はやや巻き戻り、マドローザがエレシュキガルの【カウンター】によって重傷を負う少し前。ユリアーナ達も【貪血】の紅い霧の近くで戦っていた。

「隊ちょっ……姉さん! そっちに行きました!」

 二メートル半ば程の大きさのゴブリンに似た魔物、仮称ゴブリンモドキがミノタウロスハーフの少女達が放つ弓によって、ユリアーナの前に追い込まれる。


「サリアさん直伝、大殺斬!」

 そのゴブリンモドキを、ユリアーナは右手で振り下ろしたハルバードによって脳天から胸まで叩き割った。ゴブリンモドキは耳障りな悲鳴と青い血を撒き散らしながら海面に落ちて行く……途中でベルモンドが尻尾でキャッチした。


「それも回収するのですか? あまり美味しそうには見えませんが?」

「ユリアーナ、育ち盛りなのは分かりますが、獲物の評価まで旦那様に倣わなくていいのですよ。これは、食用ではなく研究用です」


 ゴブリンは、ゴブゴブに加工しない限り不味い。その公式が頭にあるユリアーナの質問に、ベルモンドは苦笑いをしながら答え、ゴブリンモドキに止めを刺してからアイテムボックスに収納する。

「それよりも、先程の大ぶりの攻撃は武技の発動に失敗したのですか?」

「はい。私の【槍斧術】も、まだまだです」


 生前は騎士として【槍術】を修めていたユリアーナだったが、疑似転生によってミノタウロスハーフとなってからは斧や棍棒、そしてハルバードの訓練をしていた。

 生前彼女が修めていた【槍術】は素早さを重視したもので、今の怪力を活かせなかった事。更に、身体の成長が速い為、巧みな【槍術】よりも力を重視する武器の方が修練しやすかったのだ。


 身体が育ちきってから、改めて自分の身体に合う【槍術】を修めればいいのかもしれないが……スキルの種類が増えても損はないので、ユリアーナは現世の妹達共々修練を続けている。

「それより、敵の強さはどうじゃ? もう少し強い魔物でも大丈夫かの?」

 【貪血】の霧の外周部で魔物を間引いていたザディリスに訊ねられると、「いいえ、大丈夫ではないです!」とユリアーナは首を横に振った。


「私達はナターニャさん達よりも全体的な練度が低いので、私達には今が丁度良いぐらいです」

 ユリアーナは前世の肉体が産んだ、現世の妹達であるミノタウロスハーフの内、十人を率いて戦っていた。

 彼女自身はサイモン達にも負けない実力の持ち主だが、彼女の妹達はまだB級冒険者に至らない程度の力しかないので、彼等よりも弱い魔物を回してもらっていた。


 変身装具も、彼女達はまだ体が育ちきっていないので液体金属そのままの汎用型しか使っておらず、その上に鎧を纏っている状態である。

 こうして【貪血】の紅い霧の近くで戦っているのも、魔物の魔力や能力を【貪血】対策に割かせた状態で戦うためである。


「むしろ、今より強い魔物は……ランク10以上はもてあまします」

「うむ、分かった。おっと、いかん」

 ザディリスが振り返ると、【貪血】の中から紫色のスライムが現れた。どうやら、【貪血】を核以外は傷ついても支障のない構造の身体と、優れた耐久力を頼みに突破してきたようだ。


「あなた達は下がってください。……【石化の魔眼】は効きませんか。仕方ありません、【八刃斬糸】」

 だが、その粘度の高い身体もベルモンドの糸によって九つに割かれた。しかし運良く核が無事だったのか、それともスライムの上位種であるため複数の核を持っているのか、紫色のスライムの断片は蠢き続け、一つに戻ろうとする。


「【輝烈刃:乱舞】!」

 だが、その前にザディリスの光姫魔術によって放たれた光の刃の群れによって、更に細かく切り裂かれてしまった。そうなっては流石に再生するのは無理だったのか、【貪血】の中に再び飲み込まれそのまま喰われて消えてしまった。


「……あれでは回収できませんね」

「問題ないじゃろう。あのスライムなら、サイモン達の方にも出ていたはずじゃし」

「なら、大丈夫ですね。尤も、難しければ別に集めなくてもいいと旦那様には言われていますが」

 ベルモンドがしている研究用の魔物集めは、重要度があまり高くない仕事だった。グファドガーンや空間属性のゴースト達が忙しい時に、余裕があったら頼みたいとヴァンダルーに言われただけだ。


「魔物の死体を確保するために危険を犯したら、喜んでいただくどころか逆に旦那様に叱られてしまいます」

「……喜ばれても叱られても、結局坊やがするのは尻尾のブラッシングのような気がするのじゃが?」

「……何か言われましたか、姫様?」

 にこやかに、しかしスライムに攻撃した時よりも緊迫した空気で見つめあう二人。偶然だろうが、【貪血】の紅い霧が怯えるように蠢いた。


「お二人とも流石です! あのスライムはサイモンさん達でも苦戦した、恐らくランク10は下らない魔物! それを反撃も許さず倒しきるなんて!」

「糸の技も魔術も、とても綺麗でした!」

「いったいどうやってスライムの接近に気が付いたのですか? 音も気配もしなかったのに」

 しかし、ユリアーナ達の賛辞と質問が緊迫した空気を押し流した。ヴァンダルー狂徒である彼女達にとって、彼の側近であるザディリスとベルモンドはアイドルに等しいのだ。


「あ、ありがとうございます」

 それを受けてベルモンドは照れて後ろに下がったが、逆にザディリスは彼女の前に出た。

「うむ。しかし、お主達も坊やに導かれて加護を得ている身じゃ。努力を続ければ、あの程度の魔物は倒せるようになるじゃろう」


 以前は一部族の長老を務め、今年になってからステージに何度も立ったザディリスは、褒められ慣れていた。

「後、歌と踊りの修練も頑張るのじゃぞ。布教も大切じゃからな」

「「「はいっ!」」」

 そして、ユリアーナ達が自身に向ける尊敬を利用し、彼女達が魔法少女になるように……そして姫になるように促すのも忘れない。


(ミリアムとカリニアも、もう少しのはず。これでユリアーナ達がなれば、儂の悲願も成就するはずじゃ!)

 ザディリスの悲願。それはプリンセスからの脱却である。就いてしまったジョブとスキルの名前はもう変わらないが、自分以外に変身装具を使う女性を増やし、魔法少女を増やし、そして姫を増やせば、自分の希少性が薄れ二つ名から姫は消えるはず。


 そして種族名からも、プリンセスがとれるはずだとザディリスは考えていた。

(能力値の上がり方はよいのじゃが……やはりのぅ。儂、大人じゃし。とは言え、この分ならあと一年か二年で成就するじゃろう)

 明るい未来に期待する彼女だったが、ベルモンドが溜め息を吐きながらした忠告によって水を差された。


「あまりやり過ぎて、【姫導士】なんてジョブが生えても知りませんよ」

「ひ……姫導士じゃと!? そ、そんな恐ろしいジョブが存在するはずがないじゃろう!?」

 冗談でも考えなかったジョブ名に、青くなったザディリスが悲鳴染みた叫び声をあげる。


「人々を姫に導く者……ザディリスさんにピッタリですね!」

 だが、ユリアーナに肯定され、実際その通りなので何も言い返せず押し黙るしかない。

「カナコも【芸導士】に目覚めたので、案外本当に生えてくるかもしれませんよ」

「ぬぅ~! 導士は思想じゃろう!? 姫が何で思想になるのじゃ! ただの立場、ただの称号じゃろうが!」


「私に言われても困りますが……生えたとしても旦那様は喜びそうなので良いのではありませんか?」

「坊やは儂をからかって楽しんでいるだけじゃ! あと、坊やが良ければ問題ないと言う姿勢は省みるべきじゃと思うぞ!?

 それにまだ戦いは続いておる! 油断するなっ、エレオノーラは、バスディアはどこに行った!?」


 嫌な話題を強引に変えたザディリスが周囲を見回す。確かに戦闘はまだ続いているが、彼女達が間引きを担当していた魔物達の多くは、【貪血】の傍から既に離れていた。

 弱い魔物や【貪血】を防ぐ知恵や能力をもたない魔物は貪り喰われ、強い魔物はユリアーナ達やサイモン達、そしてザディリスによって倒されている。


 残っているのは亜神に直接率いられた数匹だけのようだ。

 しかし、エレオノーラ達の姿が見当たらない。

「エレオノーラでしたら、先程戦闘の合間に【貪血】に包まれて、トリップしていましたが……」


 【貪血】は極小のヴァンダルーの分身。つまり、【貪血】に包まれているという事は、ヴァンダルーに包まれているのと同じ事。そう考えてしまったエレオノーラは、無数のヴァンダルーに包まれている図を想像して陶酔していた。

 加護のお蔭で無害になっているとはいえ、ある意味では胆が据わっていると言うべきかもしれない。


「ふむ、今もトリップしておったら、見つけるのが面倒じゃな。む? これは……」

 増殖するための栄養源が少なくなった【貪血】が、薄くなってきた。そして、その向こうから咆哮のような叫び声が響いてきた。


 そして一際大きな風が吹き、【貪血】をユリアーナ達の方に撒き散らした。

「わきゃっ!?」

「これは風属性の魔術かブレスじゃ! 気を引き締めよ!」

 最後に大物の出現かと、身構えるザディリス達。ベルモンドは、この風では糸は使えないと眉を顰め、もう一つの武器である尻尾をくねらせた。


 だが、風が吹いてきた方向にあったのは、こちらに向かってくる強敵の姿ではなかった。

『ぐあああああああああ! 目が、目があああああ!』

『覚えていろぉぉぉ! 次は、次は必ず殺してやる!』

 血を流す顔を手で覆った巨人や、尻尾を半ばで切断された龍が逃げていく。


「ふんっ、つまらん捨て台詞だ!」

「全くね。口程にもない奴等だったわ」

 そして、彼等を鼻で笑うヴィガロとエレオノーラ。


「いや、結構苦戦したぞ。救援を呼べなかったし」

『うん。陛下君の分身は、『皆ならこれくらいで丁度良い』って言うだけだったし。まあ、実際苦戦したけど大きな被害もなく撃退できたしね』

 だが、楽勝だった訳ではないらしい。バスディアとザンディアが言うように、彼女達の身体に傷は残っていないが、血の痕が幾つもあった。


「バスディア! 大体想像はつくが……今まで何をしておったのじゃ?」

「母さん、そちらも無事のようだな。私達は今逃げた、『疾風の巨人』ポゼリと『旋風龍神』ザナッファーと戦っていたんだ」

『サイモン達のレベリング相手にするには強すぎる魔物を間引いていたら、奴らが【貪血】を風で吹き散らそうとしていたのが見えたからね』


 バスディアの答えを、ザンディアが補足する。風属性の巨人と龍であるポゼリとザナッファーは、風を操って彼女達を周囲から隔離した。そのせいで、四人で二柱の亜神と戦う事になったのだ。

 ただ、四人は【御使い降魔】スキルでヴァンダルーの分身を降ろす事が出来るため、実際には隔離できていなかった。


 しかし、ヴァンダルーの分身は四人ならこのままでも亜神二柱相手に勝てると判断して、援軍を彼女達の元に向かわせる事はなかったので、結果的にはポゼリ達の思惑通りになり、そして彼女達が勝った。


「驚いた顔ね? まさか、私が何時までも【貪血】に夢中になっているとでも思ったの? ヴァン様の分身にも、『【貪血】にドクターフィッシュのような機能はないので止めてください』と言われたから、程々で止めたのよ」

「……図星じゃが、何じゃ、その『どくたーふぃっしゅ』とは?」

「名前から推測すると、毒を持つ魚のようですね」


「さあ、知らないわ。【御使い降魔】も切れてしまったから、ヴァン様と合流したら聞いてみましょう」

 そんな会話をしていると、ボークスとジーナと骨人、ついでにルチリアーノが戦っている方向からも亜神の絶叫と、『退けぇ!』という悲鳴が聞こえてくる。


『そろそろあたし達も退き時みたいだけど、号令はまだかな?』

 そうザンディアが言った数秒後、ヴァンダルーが切り離した腕から【界穿滅虚砲】を放ち、『鏡像の神』ラーパンが隠していた『角笛の神』シリウスを滅ぼした。


 その直後、ブラテオの拳によって殴り飛ばされたヴァンダルーがボールのように吹っ飛んで行った。

『陛下君!?』

「ヴァン様!?」

 驚く彼女達の耳元で、空間を捻じ曲げて音を繋げたグファドガーンが囁いた。


「撤退です。ヴァンダルーに続いて、速やかに本物のクワトロ号へ向かってください」

「っ! わかった」

 バスディアは小さく頷くと、皆と共に急いでクワトロ号に向かった。その様子は、ヴァンダルーが吹っ飛ばされた事に動揺して撤退を始めたかのように見えた。


 一方、故意に殴られた勢いそのままに吹っ飛び続けるヴァンダルーは、適当なところで止まろうと思っていた。

『ギィィィィ!』

 だがその前にクワトロ号が彼の進行方向に割って入った。そして、レギオンが彼を柔らかく受け止める。


『はい、キャッチ』

『胸に飛び込んで来るとは大胆だね』

『胸……?』

「胸……? うん、まあ、ありがとうございます」

 肉質を柔らかく調整したレギオンに包まれたヴァンダルーは、閻魔と同じように首を傾げてから、礼を述べた。


「では、撤退を開始します。偽クワトロ号を前進させ、自爆させるので全員を集めてください。【貪血】も消しますからね。

 四船長、念のために、信号弾の打ち上げを」


『アイ、サー! 撤退の合図だ!』

 『死海四船長』が復唱した直後、信号弾が上がる。そして偽クワトロ号と入れ替わりに皆が戻った。亜神達の多くが軽くない怪我を負っており、更に戦場全体にゴーンの指揮を行き渡らせていたシリウスが消滅した事で混乱していたので、追撃を行える状態ではなかった。


『いかんっ! あの船を落とせ! 何としても落とすのだ!』

 ブラテオを含めて烏合の衆と化した大半の亜神達は、こちらに突っ込んでくる偽クワトロ号を落とすのに必死になってしまった。


 シリウスが健在だったなら、ブラテオだけではなくマドローザも現場指揮官として動ける状態だったなら、ゴーンは部隊を二手に分けただろう。自分達が偽クワトロ号に対処し、その間ブラテオとマドローザにヴァンダルー達を追撃させたはずだ。


 しかし、今の彼等に出来たのは偽クワトロ号を沈没させる事だけだった。


『くっ……奴らにそれなりの損害を与え、ラダテルの遺灰を取り戻したとはいえ……こちらは今回出した魔物のほぼ全てと、シリウスとルブーグを失った。

 アルダよ、早く秘蔵っ子のハインツを育て上げねば、秘蔵したまま終わる事になるぞ……!』

 ゴーンが煙の晴れた空を悔しげに見つめるが、そこにはもうヴァンダルー達の姿も、クワトロ号の船影も無かった。




《【剛力】、【超速再生】、【冥界神魔術】、【従群超強化】、【生命力増強】、【殺業回復】、【自己強化:殺業】、【限界超越】、【虚王魔術】、【魂格滅闘術】、【楽器演奏】、【筋術】、【魔闘術】、【神喰らい】、【魂魄限界突破】スキルのレベルが上がりました!》


《【魔砲発動時攻撃力強化】が【魔砲発動時攻撃力増強】に、【連携】が【群隊】スキルに覚醒しました!》

《【神格:音楽神】を獲得しました!》

《【神格:音楽神】が【亜神】に統合されました!》




 バーンガイア大陸を始め、人間社会では『角笛の神』シリウスを祭る神像やレリーフが砕け、信仰する司祭やシャーマンが悲鳴をあげて失神する事件が起きた。

 更にアミッド帝国では、シリウスから加護を与えられたと言う騎士が食事中に突如失神し、シチュー皿に突っ伏すという痛ましい事件が起きた。


 幸い彼は火属性のダメージを緩和する護符を着けたままだったので、顔に火傷を負う事はなかったが……店の隅で食事をしていた為、発見が遅れて危うくシチューで溺死するところだった。


 そんな数々の悲劇は知った事ではないと、ヴァンダルー達は魔王の大陸の地下、ガルトランドに【転移】した。

 作戦の第二段階を発動する為である。


「事前に大体の準備は済んでいますが、ジョブチェンジはしないといけませんからね」


 今回は倒した亜神の数は少ないが、ランク10以上の魔物を百匹前後倒している。そのため、アーサー達『ハート戦士団』は勿論、ザディリス達もジョブレベルが100に到達し、ジョブチェンジが可能な状態になっている。

 そのため今はクワトロ号とサム、そしてガルトランドに設置されているジョブチェンジ部屋をフル稼動させて、ジョブチェンジしている。


 第二段階を開始するのは休憩して魔力と疲労が回復し、食事を済ませた数時間後なので、ジョブチェンジする時間はある。しかし、新しいジョブに慣れるまでの時間は少ない。

 普通なら余程妙なジョブに就かない限り、ジョブチェンジしたからと言って戦い方を変えなければならない事にはならないのだが……ヴァンダルーの場合は妙なジョブしかない。


「最近はザディリス達にも妙なジョブが出ますからね。姫導士は流石に冗談だと思いますが……カナコもアイドル活動から【芸導士】になりましたから、もしかするかもしれませんね」

 そう言いながら、水晶球に触れる。




《選択可能ジョブ 【堕武者】 【蟲忍】 【ダンジョンマスター】 【混導士】 【虚王魔術師】 【蝕呪士】 【デーモンルーラー】 【創造主】 【タルタロス】 【荒御魂】 【冥群砲士】 【魔杖創造者】 【魂格闘士】 【神滅者】 【クリフォト】 【冥獣使い】 【整霊師】 【匠:変身装具】 【虚影士】 【バロール】 【アポリオン】 【デモゴルゴン】 【魂喰士】 【神喰者】 【ネルガル】 【羅刹王】 【シャイターン】 【蚩尤】 【神霊魔術師】 【ウロボロス】 【ルドラ】 【血統者】 【魔電士】 【陰導士】 【神導士】 【ジャガーノート】 【冥界神魔術師】 【狂筋術士】(NEW!)》




「うん、やはり【筋術】に関連するジョブが増えましたね」

 師であるゾルコドリオとは異なるジョブだが、ヴァンダルーの【筋術】は彼独自の物なので、別のジョブが現れても不思議はない。……そもそも、同じジョブは【既存ジョブ不能】の呪いのせいでヴァンダルーは就けないのだが。


「では、【混導士】を選択」

 作戦の第二段階では、複数の亜神を……少なくともブラテオと、生きていればマドローザ、そしてゴーンは倒す事になるだろう。

 そのため作戦が終わった時には、再びレベルが百に至っている可能性が高い。


 なので、この機会に導士ジョブを取っておくことにしたのだ。……他の神の名前のジョブに就いたら、ジョブの効果で作戦に影響が出てしまうかもしれない。【ペイルライダー】は【貪血】の制御に役立ったが、他のジョブも良い方向に働くとは限らないのだ。




《【混導士】を選択しました!》

《【導き:混道】、【混道誘引】スキルを獲得しました!》

《【混道誘引】が、【冥魔創滅夢道誘引】に統合され、【冥魔創滅混夢道誘引】に、【導き:混道】が【導き:冥魔創滅夢道】に統合され、【導き:冥魔創滅混夢道】に変化しました!》


《【身体伸縮:舌】が【身体無限伸縮:舌】スキルに覚醒しました!》

《【将群】、【群隊】、【猛毒分泌:牙爪舌】、【魔王砲術】、【装影群術】スキルのレベルが上がりました!》




・名前:ヴァンダルー・ザッカート

・種族:ダンピール(母:女神)

・年齢:12歳

・二つ名:【グールエンペラー】 【蝕帝】 【開拓地の守護者】 【ヴィダの御子】 【鱗帝】 【触帝】 【勇者】 【魔王】 【鬼帝】 【試練の攻略者】 【侵犯者】 【黒血帝】 【龍帝】 【屋台王】 【天才テイマー】 【歓楽街の真の支配者】 【変身装具の守護聖人】

・ジョブ:混導士

・レベル:0

・ジョブ履歴:死属性魔術師、ゴーレム錬成士、アンデッドテイマー、魂滅士、毒手使い、蟲使い、樹術士、魔導士、大敵、ゾンビメイカー、ゴーレム創成師、屍鬼官、魔王使い、冥導士、迷宮創造者、創導士、冥医、病魔、魔砲士、霊闘士、付与片士、夢導士、魔王、デミウルゴス、鞭舌禍、神敵、死霊魔術師、弦術士、大魔王、怨狂士、滅導士、冥王魔術師、ペイルライダー



・能力値

生命力:602,195+(24,087) (22,396UP!)

魔力 :10,436,996,698+(10,436,996,698) (310,893,476UP!)

力  :62,931 (1,522UP!)

敏捷 :56,357 (2,065UP!)

体力 :68,164 (1,753UP!)

知力 :80,864 (1,768UP!)




・パッシブスキル

剛力:9Lv(UP!)

超速再生:6Lv(UP!)

冥界神魔術:3Lv(UP!)

状態異常無効

魔術耐性:10Lv

闇視

冥魔創滅混夢道誘引:10Lv(冥魔創滅夢道誘引から変化!)

詠唱破棄:10Lv

導き:冥魔創滅混夢道:10Lv(導き:冥魔創滅夢道から変化!)

魔力常時回復:5Lv

従群超強化:5Lv(UP!)

猛毒分泌:牙爪舌:7Lv(UP!)

身体無限伸縮(舌)(身体伸縮(舌)から覚醒!)

無手時攻撃力増強:小

身体強化(髪爪舌牙):10Lv

魔糸精製:1Lv

魔力増大:10Lv

魔力回復速度上昇:10Lv

魔砲発動時攻撃力増強:小(魔砲発動時攻撃力強化から覚醒!)

生命力増強:4Lv(UP!)

能力値強化:君臨:9Lv(UP!)

能力値強化:被信仰:8Lv(UP!)

能力値強化:ヴィダル魔帝国:4Lv(UP!)

自己再生:共食い:3Lv

能力値増強:共食い:3Lv

魂纏時能力値強化:中

殺業回復:5Lv(UP!)

自己強化:殺業:5Lv(UP!)

杖装備時魔術力強化:小

全能力値強化:大(NEW&敏捷強化を統合&UP!)


・アクティブスキル

統血:2Lv(UP!)

限界超越:9Lv(UP!)

ゴーレム創成:8Lv

虚王魔術:8Lv(UP!)

魔術精密制御:3Lv

料理:9Lv(UP!)

錬神術:2Lv

魂格滅闘術:6Lv(UP!)

同時多発動:6Lv

手術:8Lv

具現化:5Lv

群隊:2Lv(連携から覚醒!)

超速思考:7Lv

将群:2Lv(UP!)

操糸術:8Lv

投擲術:10Lv

叫喚:8Lv

神霊魔術:3Lv

魔王砲術:7Lv(UP!)

鎧術:10Lv

盾術:10Lv

装影群術:8Lv(UP!)

欠片限界超越:2Lv

整霊:2Lv

鞭術:3Lv

霊体変化:雷

杖術:3Lv

高速飛行:2Lv

楽器演奏:4Lv(UP!)

舞踏:2Lv(NEW&UP!)

筋術:3Lv(NEW&UP!)

魔闘術:2Lv(NEW&UP!)


・ユニークスキル

神喰らい:9Lv(UP!)

異貌多重魂魄

精神侵食:9Lv

迷宮創造:5Lv

大魔王

根源

神敵

魂喰らい:10Lv

ヴィダの加護

地球の神の加護

群体思考:8Lv

ザンタークの加護

群体操作:8Lv

魂魄体:4Lv

魔王の魔眼

オリジンの神の加護

リクレントの加護

ズルワーンの加護

完全記録術

魂魄限界突破:3Lv(UP!)

変異誘発

魔王の肉体

亜神(【神格:音楽神】を統合!)


・呪い

 前世経験値持越し不能

 既存ジョブ不能

 経験値自力取得不能




「……舌が無限に伸びるようになったのは、何故なのでしょうか?」


 ステータスを確認したヴァンダルーは不思議そうに首を傾げたが、後は【魔王の気門】と【魔王の蹴爪】を吸収して、新鮮な真なる巨人肉のハンバーガーを食べて、軽く休憩し身体の調子を整えたら第二段階の開始だと、今後の予定を確認しながら部屋を後にした。


 そして約半日後、地上では空が白み始める夜明け前、ヴァンダルー達の姿はガルトランドのトンネルの先端部。封印されたボティンの元にあと少しで到達するという場所にあった。


「では、第二段階を開始します。グファドガーン、母さんと我が子、そして皆をよろしく」

「………………畏まりました」

 かなりの間をおいて、『ヴァンダルーの背後邪神』たる彼女はヴァンダルーの背後から離れ、クワトロ号の甲板に【転移】する。


「いざ、女神様の元に!」

「イエス、マム」

 そしてヴァンダルーはユリアーナの号令に合わせて、最後の一掘りを行った。




―――――――――――――――――――――




○ジョブ解説:ペイルライダー ルチリアーノ著


 異世界において、終末を告げる騎士の一人の名を持つジョブ。何でも死病を撒き散らす騎士だそうで、衛生的に問題があるジョブ効果の一つや二つついていそうだが、そんな事はなかったらしい。

 効果として、疫病を差別的に撒く事が可能になるようで、師匠の場合は【冥界神魔術】で創りだした病や、【貪血】をある程度制御できると言う破格の効果となった。


 師匠以外が就いたらどうなるのかは不明だが……死属性魔術を使えない者は、このジョブに就けないのではないだろうか?


 ちなみに、このジョブに就いてから暫くの間、師匠はアンデッドか【状態異常無効】や【状態異常耐性】スキルを持つ者以外自分に近づかせなかった事を記しておこう。

誤字報告ありがとうございます!


12月16日に次話を投稿する予定です。

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― 新着の感想 ―
冥魔創滅混夢道 流石にあと一種類くらい増えたらヴァンダルー導とか統導とか纏めて欲しい
もう何導いてるのか分かんなくなってきたw
姫導士 !
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