二百六十五話 一つになるアルクレムと、帰ってきちゃう魔王
投稿が遅れてすみません。
擬態人間がスキルを奪う条件は、対象の同化吸収……つまりは捕食である。
それも、ただ喰えばいいという訳ではない。スキルを奪うためには、対象が虫の息でもいいから生きている状態……肉体に魂が宿っている状態で捕食する必要がある。勿論、対象が生きていても、対象から切り離されてから時間が経っている、既に魂が宿っていない部位を捕食しても無駄だ。
姿形や声等を写し取るだけなら、ただ観察するだけでも十分だがスキルを奪うには上記の条件を満たす必要がある。
そして、スキルを一つ奪うのに必要な捕食量は対象の大きさ、所有しているスキルの数や、そのスキルの種別やレベルによって異なる。
大雑把に説明すると、身体の大きさを所有しているスキルの数で割り、そこにそのスキルの種別やレベルを考慮した量を捕食しなければならない。
例えば、平均よりも小柄で、幾つものスキルを持つ少年から、パッシブスキル一つとユニークスキル一つを奪いたければ、腕の半分程の量を捕食する必要があった。
「……ぬああっ!!」
バルディリアに擬態するのを止め、『崩山の騎士』としての姿に戻ったゴルディは、怒りの声をあげながら減り込んでいた地面を弾き飛ばして脱出した。
「うおおおおっ!」
ほぼ同時に、相棒が【魔力弾】をゴルディが貸した宝剣で切り裂いて、危機を脱する。
「「あ、あり得ない!」」
そして同じ言葉を口にして、ヴァンダルーを睨みつける。しかし、睨まれた彼は二人の叫びを無視して、【魔力弾】を出したり消したりを繰り返し、黒い魔力を漂わせては首を捻っている。
今まで、彼等にスキルを奪われた者達の内、捕食の際に死なずに生き残った者は、酷く動揺し冷静さを失うのが常だった。
身体の一部を食いちぎられた事も忘れて、奪われたスキルを取り戻そうとがむしゃらに向かって来たり、逆に情けなく逃げ出そうとしたり。中にはスキルを戻すよう泣きながら懇願してきた者もいた。
ちょっと驚いた以上の動揺は見せず、殺そうとしたのはヴァンダルーだけだ。
「ふむ……スキルが奪われても、精神と肉体に特段の変化はないようですね。スキルは『魂に刻みつけられているもの』らしいので、記憶が一部無くなるぐらいは覚悟したのですが」
『魔術の方はどうですか?』
「無属性魔術は使えますが、死属性魔術は難しそうです。死属性の魔力は在りますが、全く纏まらない」
今も周囲のゴーストと会話をしながら、自身の様子を確かめていた。
初歩的な【殺菌】の魔術を発動しようとしても、上手くいかない。ただ、通常の数百倍も魔力を消費すれば、魔力が拡散しないよう制御するのが大変だが使う事は出来る。
「使えない事もないですが、難易度の高い魔術は多分失敗するでしょう」
『じゃあ、【死弾】は止めておいた方が良いですね。途中ではじけ飛んだら、大惨事です』
レビア王女の言う通り、当たった対象の生命力を吸う【死弾】が散弾のように飛び散ったら大惨事だ。欠片でも一般人なら当たれば即死するだろうし、戦闘職に就いてジョブチェンジを何回か重ねた者でも危ない。
「ただ、死属性魔術がすべて使えない訳ではなさそうなので、何とかなるでしょう」
霊に呼びかければ【ゴーレム創成】で小さなゴーレムをすぐ作る事が出来るし、ゴーストとの会話も行えるという事は【神霊魔術】も使えそうだ。
『それで、【魔王の欠片】は大丈夫なの?』
オルビアに訊ねられ、ヴァンダルーは意識の内幾らかを自身の内面に向けるが、【魔王の欠片】が【魔王】スキルを失ったヴァンダルーを見限り、ゴルディの元に向かおうとしている様子はなかった。
【本体? 我は本体? 俺は本体?】
【我は俺? 俺は我?】
ただ、すごく困惑しているのは感じ取れた。何かの拍子にヴァンダルーの身体から出ようとしたり、暴走して肉体の主導権を奪おうとし始めたりする可能性がある。
「我は俺、俺は我。俺の一部は俺、俺と我は同一、俺に帰属せよ」
【我は俺、俺は我。我は俺の一部、我と俺は同一、俺に帰属する】
鎮まった。これで大丈夫だろう。
(スキルを奪われたのは驚いたけれど、スキルを失った事以外は全く影響がない。魔王の欠片もすぐ鎮まった。記憶に関しては【完全記録術】の効果かもしれないけれど)
それだけ分かればもういいと、ヴァンダルーは事態について行けず硬直しているタッカード・アルクレム公爵と、彼を守ろうとしている騎士達の方を振り向いて尋ねた。
「ラルメイア、奴が俺の左腕を喰った時、どんなスキルを使っていたか分かりますか?」
「ハっ! 【擬態:生物】、【吸収同化】、【剛力】、【限界超越】等のスキルが発動していました!」
「なるほど。【吸収同化】がスキルを奪うスキルらしいですね。なら、俺の腕を喰ったのがスキル発動の条件か。
皆、奴らに自分の身体の一部を食べられないよう気をつけてください」
「分かったけど、まあ、うん、普段以上に注意するわね」
カチアが微妙な顔で頷くが、ヴァンダルーに言われなくても戦闘で五体の一部を食いちぎられないように注意するのは当然である。
そうした点では、ゴルディ達擬態人間がスキルを奪う方法が捕食である事はヴァンダルー達にとって幸運だった。
視線を合わせたり、ただ傷を付けるだけだったり、質問に答える、三度頷く等の決まったやり取りを行ったりと、簡単な条件を満たすだけでスキルが奪われるのだったら、戦闘の難易度が数段上がっていただろう。
対象を生きたまま喰うだけで、スキルを奪えるのは擬態人間の強みだ。しかし、その強みを活かした不意打ちや奇襲が失敗に終わり、しかも自分達の正体と能力が明らかになった後戦闘で発揮するのは難しい。
「ラルメイアっ! 貴様、何故ダンピールに情報を……ええいっ、今は閣下を守り、奴らを始末するのが先決!
騎士及び密偵は閣下を守りながら撤退! 民の避難誘導を行え! セルジオっ、とっとと出てきて参戦せんか!」
そしてゴルディ達にとって都合が悪い事に、ブラバティーユがあれだけ敵意と不信感を向けていたヴァンダルー達ではなく、彼等に向かって剣を躊躇いもなく向けた。
「ブラバティーユ!? お前も何を言っているのだ!? あ、あれはゴルディではないのか!?」
公爵はまだ混乱しているが、ブラバティーユはきっぱりと首を横に振った。
「閣下! あれはゴルディではありません!」
「何だと!?」
「あれはゴルディの姿を奪った魔物か、邪悪な神か吸血鬼の手先か……何であれ偽者に違いありませぬ! 恐らくゴルディに化けていたのをバルディリアに見抜かれ、彼女の姿を奪うとともに亡き者にしようとしたのでしょう!」
「「そ、そんな馬鹿な!?」」
彼の推測に、思わず声をあげる公爵とゴルディの相棒。公爵はそのままの意味だが、ゴルディの相棒の叫びは、「そんな都合が良い事を。本気で考えているのか!?」と言う意味の叫びである。
「だが、確かにそう考えれば辻褄が合う……のか!?」
しかし、目の前でゴルディ達が肉体を変化させ擬態する光景や、普段のゴルディからは考えられない言動を見ている公爵は、ブラバティーユの間違った推理に説得力を感じてしまう。
それに公爵にとっては、信頼していた『アルクレム五騎士』の一人が最初から人間の姿に擬態する化け物だったと考えるよりは、ブラバティーユの推理の方が心理的な抵抗感は少ない。
「きっとそうですよ! そうに違いありません!」
そして下手に混乱してゴルディを庇うような事をされるよりは、ブラバティーユの推理を信じて貰った方がヴァンダルー達にとっても都合が良いので、ユリアーナも全力で後押しした。
「クソ、訳がわからねぇ!」
そして庭木の影から『遠雷の騎士』セルジオが飛び出して、ゴルディに対して槍を構える。
「訳がわからねェが、公爵様! そのゴルディが人間じゃなくて、バルディリアをやった犯人なのは明らかです!」
「む、むぅっ! そ、そうか。ならば……」
「言動から正確な目的は不明ながら、狙いは公爵閣下ではなくあのダンピールと推察します! なので、ダンピールと協力し、都の被害を最小限に食い止めつつ、偽者共を討伐するのが肝要かと」
セルジオの訴えとブラバティーユの提案に、公爵は「分かった、頼むぞ」と短く告げる。
「相棒!」
それを見ていたゴルディの『相棒』は、危機感も露わに指示を仰ごうとゴルディに声をかける。
ブラバティーユとセルジオが、敵に回った。これは別に構わない。最初から味方ではないし、利用するのもヴァンダルーからスキルを奪うまでで、それからあとは切り捨てるつもりだったのだから。戦力としては、ヴァンダルーに対する肉の壁程度にしか期待していなかった。
しかし今の状態では拙い。ヴァンダルー達の行動を邪魔するものがいない。このままでは囲まれ、『共食いと強奪の邪悪神』ゼーゾレギンの元に逃げ延びスキルを渡す間もなく、殲滅されてしまう。
擬態人間はスキルを同族に譲渡する事が出来るが、テレパシーのように距離を無視して譲渡できる訳ではないのだ。
彼らの目的は、ヴァンダルーから目的のスキル……ヴァンダルーが使う特異な属性魔術と、彼を魔王たらしめているスキルを奪う事にあった。
目的を果たしたら、スキルを奪われた事で最も得意とする魔術が使えず、精神的に動揺しているヴァンダルーから逃げ、彼等擬態人間の創造主であるゼーゾレギンにスキルを……特に後者のスキルを届ける算段だった。
しかし、スキルは奪ったがヴァンダルーは彼等が予想したよりも弱体化も、精神的な動揺もせず、こちらを殺そうとしている。
これではゼーゾレギンの元までゴルディを逃がす事が出来ない。
「奪ったスキルは使えないのか!?」
「使えん。元々魔術は使えないと踏んでいたが、この【魔王】スキルは何なのだ? いったいどんな効果が……」
そして奪った【冥王魔術】は、ゴルディには死属性の適性がないので使う事が出来ない。【魔王】スキルは、擬態人間である彼には、使い方が分からなかった。
「何という事だ。空間属性魔術は、想定通り発動しない。どうする、相棒? このままでは俺だけではなくお前も死ぬぞ」
「……意外な事に逃げるつもりでしたか。てっきり、俺からスキルを繰り返し奪って最後には殺す作戦なのかと思いました」
空間属性の邪神であるグファドガーンの妨害によって【転移】が使えない『相棒』に、ヴァンダルーはそう言った。
ゴルディと『相棒』は、十万年の間に擬態人間が自ら高め、もしくは奪い取ったスキルの数々が与えられている。その戦闘力は、S級冒険者に匹敵すると彼らは自負していた。
しかし、ヴァンダルーを倒せるとは思えなかった。既に彼はS級冒険者相当の実力者や、それ以上の邪神悪神を屠っているのだから。
「やはり、当初の予定通りにするしかないか!」
「最早ここまで、か」
自棄になったように叫ぶゴルディの両腕や背中が灰色の泥状に変化し、激しく泡立ちながら変化していく。それに合わせて、『相棒』は劣化版アイテムボックスを開いた。
「【虚弾】連射」
「何かするつもりだ! 攻撃を!」
「騎士達は儂ら五騎士が指揮する! 余計な口は挟まないでもらおうか!」
「あいつ等と協力するんだろうが!? お嬢さん達、このクソ爺は気にせずバンバン指示をくれ!」
動き出したゴルディ達に、ヴァンダルーの圧縮された【魔力弾】である【虚弾】が連続で撃ちこまれ、ギザニア達も続いて【斬空】や【飛斬】、【氷の槍】等の武技や魔術、そして齧られる事はないだろうとナターニャが【ロケットパンチ】を繰り出す。
ブラバティーユやセルジオも、口はともかく手はしっかり動かして遠距離攻撃を放った。
ゴルディ達への攻撃が全て遠距離攻撃なのは、彼がヴァンダルーのスキルを奪うところを見たのと、あの灰色の泥で近づいた者を飲み込むつもりなのではないかと言う、警戒心が働いた結果だった。
哀れ、ゴルディとその『相棒』は蜂の巣になるかと思われたその刹那、泡立つゴルディの腕だったところから、巨大な人影が出現する。
「グギギギギギギィ!?」
「ゲギャアアアアアアア!!」
「がはぁ!?」
そして出現するとほぼ同時に、【虚弾】を受けて絶命した。更に続けて出現した人影も、ギザニア達が放った攻撃を受けて倒れていく。
「あれは、オーガーとゴブリンの上位種?」
「奴らが守っている、荒野の聖地の周辺の魔境に生息している魔物だ! あいつ等、討伐しても『自分達で使うから』ってギルドに素材を持ちこまなかったが……このためか」
擬態人間とは言っても、姿形やスキルを奪えるのは人間だけに限らないらしい。
更に転がって来た中背の人影の首を見て、ユリアーナが声をあげる。
「この顔は、行方不明の賞金首です! 前世で一時期追っていたので覚えています!」
『法命神』アルダ勢力に正体を気がつかれる訳にいかない擬態人間達にとっては、神を信仰しない魔物や、信仰心が極めて薄い無法者達は、スキルを奪う相手として丁度良かったのだろう。
「どうやら、今まで捕食した者達の姿の同族を産みだして、戦力を補強しようとしているようだな」
「悪足掻きにしか、なっていないけどね。ヴァン君の魔術だけじゃなくて、騎士の人達の攻撃でもバタバタ倒れるし」
プリベルが言うように、ゴルディが作り出す新たな擬態人間達は、誕生した次の瞬間には屍となって倒れ伏している。
バルディリアに背骨を踏み折られた旧『相棒』のように吸収しないのは、完全に死んでしまうと出来ないのだろう。
このままなら、攻撃がゴルディに届くまでそう時間はかからないと思われた。
「っ! 奴は【魔王】と言うスキルを使っています!」
だが、ラルメイアがそう叫ぶのと同時に、追い詰められているはずのゴルディが哄笑をあげた。
「ははははははは! 素晴らしいっ、これが【魔王】スキルの使いかたか! 数多の魔物を作り出した伝説の魔王の如く、新たな魔物を産みだす行為を補助し、より強力にしてくれるのか!」
奪ったものの使い方が分からなかった【魔王】スキルが、擬態人間であるゴルディの分裂を魔物の創造と解釈し、ヴァンダルーが無意識のうちに発揮していた効果を表し始めたようだ。
「【鋼化】!」
ゴルディに顔立ちが似ている男が魔術で肉体に鋼の硬度を与え、ナターニャが再度繰り出した【ロケットパンチ】を弾く。
「【柳流し】!」
今度はセルジオと同じ色の髪と瞳をした美女が、『相棒』がアイテムボックスから取り出した槍で、ギザニアの武技を受け流す。
「あれは先代『崩山の騎士』! ゴルディの父親ではないか!」
「女の方は……家の肖像画で見た事があるぜ。槍の使い手で当時名のある女騎士だった、俺の大伯母上だ。ゴルディの家に嫁入りした後、俺が産まれる前に病死したはずだが……」
ブラバティーユと、セルジオがそれぞれ見覚えのある顔に驚愕を露わにする。
「セルジオの大伯母、ジスティナ殿は儂も知っておる。何せ、儂の父の第四夫人にと言う話もあったのだからな。だが、そんな馬鹿な。彼女は人間のはずだ。いや、姿を真似ただけか? いや、だがあの槍捌きは幼少の頃、御前試合で見た時と同じ……」
動揺する公爵に、ヴァンダルーは静かに声をかけた。
「公爵様、あなたの知る彼女は、人間で間違いないでしょう」
「では、いったい何故!?」
「嫁入りした後、擬態人間に捕食されたのでしょう。
ゴルディ達がどんな生態をしているのか、荒野の聖地がどんな環境なのかは、俺は知りませんが、擬態人間達の中で、人間が長く生かされるとは思えません」
ヴァンダルーの推測を聞いたのか、自身の父親役やジスティナの姿をした擬態人間の背後で、ゴルディが笑みを浮かべる。
「我々は別に適当な女を嫁にもらった事にする方が、面倒がなくて良いのだが、政略結婚の話が尽きなくてな。
お蔭で、嫁入りや婿入りの時は毎回冷や汗をかかされたものだ。厄介だな、貴族の血統主義は」
人間に擬態している以上、数十年ごとに代替わりしなくてはならない。子孫は擬態で作れるが、騎士としての立場があるので、配偶者を身内で済ませ続ける事は難しい。
そのため、外から嫁や婿を取る度に正体に気がつかれる前に、捕食し姿とスキルを奪ってきた。そして入れ替わって、実家の家族とのやり取りは少なめにして誤魔化して来たのだ。
「貴様……! よくもしゃあしゃあと!」
ブラバティーユの推測に縋りつきたいが、そうはいかなくなり、公爵は顔を歪めてゴルディを睨みつける。
ブラバティーユも長年同僚だと信じていた相手に裏切られ続けていた事を直視せざるを得なくなり、セルジオは親族が無残に殺された事を知って、明確な怒りを瞳に浮かべた。
部外者のヴァンダルー達ですら、ゴルディ達擬態人間が十万年の間こんな事を繰り返していたのだと考えると、不愉快な気分になるのだから、その怒りは相当なものだろう。
「質問です、タッカード・アルクレム公爵。今から俺はゴルディ達を殺します。彼らが守っている荒野の聖地まで行って、擬態人間を根絶やしにするために、全力を振るいます。
その後、俺達と同じ側で一緒に事態の収拾を図るか、向かい側であなた達の口を封じようとする俺達と戦うか、どちらが宜しいですか?」
だから、様を付けずに問いかけたヴァンダルーの、脅迫混じりの言葉にも怒りや屈辱、恐怖ではなく頼もしさを覚え、ブラバティーユすら言葉を挟まなかった。
《【魔王】スキルを獲得しました!》
(もっと紳士的に選択を迫るべきだったかもしれない)
響いた脳内アナウンスに、ヴァンダルーは関係あるかどうかも不明な後悔の念を抱いた。
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○魔物解説:擬態人間
神代の時代に起きた、勇者ベルウッド率いる勇者軍と、魔王軍との戦いを記した伝説にのみ記される魔物。
人間の姿形、声を真似、ほぼ完ぺきな擬態を行う事が出来る。また、魔物は就けないはずのジョブに就く事が出来たとも記されている。
ただ、擬態人間は主にスパイ等の諜報活動や暗殺に用いられ、擬態さえ見破れば強敵ではなかったと記されている。
また、実際には巨人のように極端に巨大な種族以外の亜人型の魔物にも、化ける事が出来る。
伝説には、勇者達が異世界から持ち込んだ絵を盗み見た擬態人間達が、彼等が故郷に残してきた家族に擬態してザッカート達を苦しめたが、ベルウッドは惑わされず聖剣の一振りで退治したとされる。
その後、ベルウッドが他の勇者達に戦いに対する覚悟を説き、ザッカートが彼に反感を抱いたのが後の決別に繋がってしまったのだと記されている。
尚、擬態人間は創造主の『共食いの邪神』ゼーゾレギンが封印されると同時期に、絶滅したとされる。
以下真実。
魔大陸のファーマウン氏曰く。
『いや、そんな事はなかった。そもそも、皆この世界に故郷の写真とかは持ちこんでいなかったから、擬態人間が化ける材料は無いはずだ』
また、擬態人間はゼーゾレギンの封印を守る一族を名乗って細々と存在し続けていた。
ランクは1、高くても2でその能力と知能の高さから考えると異常に低い。これは、擬態人間がジョブに就く事が出来る副作用的なものの結果か、人間に擬態する事を最優先する生態の為に魔物としての強さを最初から捨てた存在として、邪神に作られた結果かもしれない。
何時の間にか姿形だけではなくスキルも奪う事が出来るようになったが、その手段は対象を生きたまま捕食すると言う行為であるため、「魔物に対して警戒し、注意する事」と言う普通の対処法を取るしかない。(指一本や、肉片や血を少し捕食された程度では、スキルは奪われない)
なお、奪えるのはスキルだけで、能力値はあくまでもその擬態人間の物になる。
怪力自慢の大男を捕食し、大男が持っていた【筋力増強】スキルを奪い、大男の姿に擬態しても、能力値自体は擬態人間のものなので、スキルで強化しても見かけ倒しの筋力にしかならない、と言う事もある。
またスキルの取り戻し方は不明。……スキルを奪われた者達は、全員捕食されると同時に死ぬか、その直後は生きていても両手足の内一本や、内臓の幾つかを奪われた対象を擬態人間が生かしておかないためだ。
奪われたスキルの再取得も同様の理由で不明だったが……ヴァンダルーによって可能だと判明した。
6月24日に266話を投稿する予定です。
皆様の応援のお陰で、四度目は嫌な死属性魔術師の四巻発売と、コミカライズ化が決定しました!
詳しい発売日や特典、コミカライズ化の続報は、一二三書房公式ホームページやサーガフォレスト公式ツイッター等でされると思いますので、ご期待ください。




