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四度目は嫌な死属性魔術師  作者: デンスケ
第十章 アルクレム公爵領編
296/514

二百四十二話 英雄のいる広場

『GIIIIIII!』

 高度な生命属性魔術によって異常成長した植物が絡み合って出来た身体と、燃え盛る炎の頭髪を持つ巨人が、軋む樹木のような咆哮をあげる。その身体に無数の矢や短槍、攻撃魔術が降り注ぎ、蔦や幹を傷つけ破片を撒き散らす。


「ワイルドウィング!」

 そしてテイマーギルドのマスター、『飛竜使い』のバッヘムが駆るヒュージワイバーンの名を叫び、植物巨人の背に向かって突撃……するように見せかけて、ギリギリで反転する。その勢いを活かした尻尾の一撃が幹に亀裂を走らせ、先端の槍の穂先のような毒針が喰い込む。


『GIIIIIIIII!』

 だが次の瞬間には新たな芽が芽吹き、成長し、植物巨人の身体に出来た傷が修復される。刺さった矢や短槍は振り払われ、バッヘムを乗せたワイルドウィングは慌てて羽ばたき離脱する。


「無駄無駄ぁ! その程度の攻撃等、我が魔術の最大奥義【大命火炎樹巨人推参】で創りだしたこの巨人には無駄だ!」

 その植物巨人の内側から人の声がする。フィトゥンの英霊の一人である魔術師の青年が、自らが創りだした魔術生物を内部から操っているのだ。


 マウンテンジャイアントを上回る巨体に、生半可な傷は瞬時に回復する驚異的な再生能力を持つ植物巨人。しかも、それを操る術者はその内部。

 正に完全無欠の戦法。自身は接近戦が出来ない、純粋な魔術師である青年が英霊にまで至った理由がこれだ。


「今までよくも好き勝手してくれましたね!? これから私の本当の魔術を見せてやる!」

 だが、勝ち誇る青年の声には余裕は無かった。何故なら、彼等二人は今劣勢に立たされているからだ。

「あまり前に出過ぎるな! 第一から第七の奥義を破られて、頭に血が上っているのか!?」

 テイマーの女が鞭を翻し、残った数少ない魔物が逃げないように地面に打ち付けながら青年を叱責する。


 残っている魔物は少なく、敵軍の損失は軽微。自軍からは援軍どころか、指示も何も無い。

(どうなっているんだ? 先程から感じているこの喪失感は何だ? まさかフィトゥン様に何かあったのか……いや、そんなはずがない。幾ら魔王が相手でも、あの方は生前冒険者だったらS級間違いなしと謳われた程の方! 温室でぬくぬくと育てられたアルダの英雄とは、格が違うのだ!)


「お前達! それでも人類の天敵か!? 意地を見せろ!」

 そう鞭と共に罵声を浴びせ、残った数匹の魔物に前進を命じる。しかし、その士気は低く、動きはかなり悪い。

(チッ、テイムするだけの時間があれば……!)

 テイマーの女は、魔物達をテイムした訳では無かった。英霊に至った彼女でも、一瞬で数十匹の魔物を全てテイムする事は出来ない。


 彼女はただダルシア達に恐怖し逃げ出した魔物達を鞭捌きで脅し、無理矢理特攻させているだけだ。それだけでも並大抵の事ではないが、テイムしている訳ではないので【従属強化】等の従魔を強化するスキルは勿論、【指揮】スキルすら効果を発揮していない。


(このままではどうやっても勝てない。既に【英霊化】を使っている以上、残り時間は数分。もう退くべきか? だが、我々が退いて作戦全体に問題が生じたらどうする?)

 テイマーの女と魔術師の青年は、フィトゥン達にとって温存していた予備戦力だ。フィトゥン達に二人以外の援軍の当てはない。


 その二人が撤退してしまったら、作戦はどうなるのか? その責任感が、彼女達から寄り代を捨てて神域に戻る決断を躊躇わせていた。

 その間にも、戦況は動いている。


「つまり、燃えながら戦う再生能力の高い巨大な木偶人形か。第一から第七の奥義全てを同時に発動させているだけだろうに、偉そうに言う程では無いと思うぞ。それを可能にした研鑽と才能は否定しないが」

「そもそも、奥義と言うのはそんなに多くあるものなのかの?」

 今まで青年が繰り出した奥義と評す魔術……自由自在に操作できる炎の弾丸や、植物で出来た兵士の一団等を屠って来たバスディアとザディリスがそう挑発的に植物巨人を見上げる。


「こ、このグール共! お前等のような年増のクセにチャラチャラしたババアは、叩き殺してやる!」

 魔力を消費し続けた疲労感に、予想外の劣勢、【英霊化】の副作用で迫る肉体の崩壊、そして奥義を破られ続けて傷つけられたプライド。それらの要因が重なり、青年はすっかり冷静さを失っていた。


 植物巨人は咆哮をあげ、火炎を一層激しく燃やしながらバスディア達に向かって突き進んでくる。

「そう叫ぶな。男としての器の小ささが知れるぞ」

「うむ、坊やを見習ってほしいものじゃ」

 ヒラヒラしたフリルやミニのスカート、身体にピッタリついたレオタード姿の二十代半ば前後の年齢のバスディア。そして見た目は十代半ば前程で、実際は三百歳程のザディリスがそう言って溜め息をつく。


 しかし、二人は油断している訳ではない。バスディアは植物巨人に向かって斧を構えて駆け出し、ザディリスは彼女に光姫魔術をかける。

「【光姫分身推参】!」

 彼女が杖を掲げた瞬間、バスディアが七人に分裂した。


「幻覚!? つまらない手ですね!」

 青年はそう嘲笑いながら、七人に増えたバスディアに向かって植物巨人の頭部を向ける。炎の頭髪に包まれた底から、何かが弾ける乾いた音が無数に響く。

「熱く焼かれた種子を喰らいなさい!」

 種は散弾のように飛び散りながら、地上を走るバスディア達に降りかかる。しかし、それは見かけよりも威力が低いのか、彼女達は足を止めずに植物巨人との距離を縮め続ける。


「フッ……本物はあなたです、クソババア!」

 だが青年は七人のバスディアの内一人に、巨人の腕を向ける。そこから先端が槍状に尖った蔦が何本も伸び、彼女に突き刺さった。


「命無き幻覚の内一人だけ種を防ぐ挙動をしたのを、私が見逃すとでも……何だと!?」

 硬質化した蔦の槍に貫かれたはずのバスディアの姿が、幻のように消えたのを目にした青年の顔が、驚愕に引き攣る。

 慌てて残り六人になったバスディアを目で追うが、既に間に合わない。


「【大鬼斧刃烈断】!」

 植物巨人の足元まで到達したバスディアが、魔王の欠片の素材と鍛え上げられた死鉄で出来た魔斧を振るう。それは樹齢数千年の大木を優に超える植物巨人の脚を、一撃で切断した。


「こ、この、私の最大奥義は、すぐに再生――」

 青年の言葉通り、切断された脚側と胴体側、両方の切断面から芽が芽吹き、瞬く間に成長する。

「【限界突破】、【魔斧限界突破】……【大鬼斧刃烈断】!」

 だが、バスディアが再び武技を発動し、今度は逆の脚を切断する。


「うおおおおっ!?」

 自慢の再生力も、脚が繋がりきる前にもう片方の脚も切断されては発揮できない。繋がりかけていたまだ柔らかい芽を自重で千切りながら、植物巨人が姿勢を崩す。

 咄嗟にバスディアに向かって蔓や枝を伸ばして攻撃しようとするが、何と他の五人のバスディアがそれを迎撃する。


「そんな、実体があるなんて!? 幻覚じゃないのか!? ま、待てっ、止めてくれ――」

「三度……【大鬼斧刃烈断】!」

 そして降りてきた植物巨人の上半身に、バスディアが【大鬼斧刃烈断】を叩きこむ。縦に両断された植物巨人の頭に向かって、汗の浮かんだ顔で勝ち誇って見せる。


「坊や、大人の女は少し熱いだけの豆鉄砲に怯んだりしないものだ」

「それと幻覚と使い魔を創る術を組み合わせ、咄嗟に身を守ろうとする挙動を使い魔の一体にさせる事くらいできなければ。覚えておくのじゃな、小童」

 娘の台詞に、そう続けるザディリス。青年の耳にそれが届いたかは不明だが、彼は血を吐きながら、植物巨人の胸部の裂け目から姿を現す。


「そ、そんな大人の女が居て堪るか! だが、私の巨人はこの状態からでもすぐに再生して――」

「ヂューッ!」

 そんな暇は与えないと、勇ましいネズミの鳴き声があがる。四つの影が青年に向かって襲い掛かる。


「く!?」

「ヂュゥーッ!」

 先頭の鋼鼠、スルガの体当たりを、巨人の腕を操って弾き返す。見た目よりも大きい衝撃に、不安定な姿勢で振るった腕が大きく逸れてしまう。


「ヂュヂュー!」

「ヂュッヂュ!」

 続く雪鼠のウルミの冷気で頭髪の炎の勢いが衰え、火炎鼠のマロルの体当たりを防ぐために、青年は残り少ない魔力を振り搾らなければならなかった。


「最後は、オレだぁ!」

「がっ!?」

 切断された四肢の代わりに与えられた液体金属製の義肢を、人の形では無く四足獣の形に変形させたナターニャが、獣のように青年の横を走り抜ける。それと同時に、彼女の腰から伸びる尻尾の先端に装着された死鉄の刃が、青年の脇腹を大きく薙いだ。


 青年は更に血を吐きながら、天を仰ぐ。

「そ、そんな……魔王本人ならともかく、手先なんかに、薄汚いグールや、獣人種なんかに……この『巨人使い』の――!?」

 最期の言葉の途中で、『巨人使い』の二つ名を持つ魔術師の青年は、バスディアが投げた手斧によって頭を割られ、倒れた。


「名乗るな。その身体の本来の持ち主が、あまりに哀れだ」

「くっ、おのれ!」

 バスディアが憐れみの籠った目でただの死体になった青年を見つめるのと同時に、テイマーの女が怨嗟の声をあげる。


「最早私一人か。だが、このままおめおめと逃げはせん!」

 この時点で女は作戦の失敗を悟っていた。悟っていたが、それで退いても、自分達に後が無い事は明らか。神域に戻っても、アルダに『法の杭』を打たれるだけだ。

 なら、このまま足掻けるだけ足掻くのみ。


「まずは貴様だ、犬! 私に服従しろ!」

 残り少ない魔物の一匹、トロールの喉笛を噛み千切って止めを刺したファングに向かってテイマーの女は鞭を振るった。ファングの恐怖心を刺激し、他の魔物と同じように恐怖で支配しようとしているのだ。


「グルル……ウオォォォン!」

 だがファングはテイマーとしては超一流のはずの女の鞭に対して恐れず、それどころか炎を吐いて反撃を試みた。

 その炎自体はテイマーの女にとって大した脅威では無かったが、ファングの反応に大きくプライドを傷つけられた。


「馬鹿なっ、ランク5のヒュージヘルハウンド如きに、私の鞭が効かない? 魔王は、それほどまで深く魔物を支配しているのか!?」

「人聞きの悪い事を言わないで。うちのファングはヴァンダルーが大好きなだけよ」


「っ!? 前に出ろ!」

 ファングの巨体の向こうから、矢が放たれる。テイマーの女は自分の近くに抑え込んでおいた、鱗に覆われた身体を持つ猛牛の魔物、スケイルブルを押し出す。

 やっと解放されたと走り出そうとしたスケイルブルだったが、その身体を矢が貫き、そのまま貫通してテイマーの女の横を通り過ぎて行った。


「まだまだ狙いが甘いわね……先生達に叱られてしまうわ」

「クっ、魔物は全滅か!」

 杖を弓に変形させたダルシアが肩を落としてファングの前に出る。フリルやリボン等の装飾が施されているのに、身体の線がはっきり分かる液体金属の服に変身した彼女の姿を認め、テイマーの女は顔を歪めた。


 視線をダルシアの後ろに向ければ、そこには息も絶え絶えな様子の騎士や冒険者達と、その足元に転がる魔物の姿が映る。

 テイマーである彼女にとって最大の武器である魔物は、全滅していた。


「だが、私を魔物が居なければ何もできない女だとは思うなよ! せめて貴様の首だけでも持ち帰ってやる!」

 しかしテイマーの女は諦めない。鞭を振るい、【限界超越】、【魔鞭限界突破】を発動。ただでさえ残り短い肉体の崩壊までの時間が更に近づくが、構いはしない。


「簡単に持ち帰られる程、安い首ではないつもりよ」

 それに対してダルシアは【精霊魔術】と【詠唱破棄】スキルで素早く自身へ付与魔術を何重にもかけて行く。そして変身杖の形状を元に戻して、テイマーの女に向かって駆け出す。


「はたしてそうかな? 喰らえっ、【神縛瞬鞭】!」

 だがテイマーの女が振るった鞭が、肉眼には映らない程の超高速でダルシアに迫る。咄嗟に杖で打ち払おうとするが、鞭は意志を持っているかのように杖を避け、彼女の身体に巻きつく。


「うぐっ!」

「はははっ! 神をも縛ると謳われた私の鞭からは逃れられない! そのまま骨も内臓も締め潰してやる!」

 その光景をダルシアの背後で目にしたファングと、それより更に後ろの騎士や冒険者、そしてサイモンが彼女を助けようと前に出る。だが、同時に間に合わないと言う予感を覚えていた。


(駆け寄ったんじゃ間に合わねぇ! クソっ、どうすりゃいいんだ!?)

 サイモンの脚は二本とも生身で、義肢は右腕一本だけだ。ナターニャのように素早く地を駆ける事は出来ない。

 当然師であるヴァンダルーのように霊体や舌を伸ばし、魔術を使う事は出来ない。


 それでも何かできないかと探し続けた彼は、思いだした。ヴァンダルーが、斬り飛ばした霊体をそのまま操っていた事を。そして、同じ事はサイモン達もできるようになると言っていた事を。

(俺なんかに、師匠と同じ事が出来るのか? ……いや、やるんだ! 俺を見込んでくれた師匠を信じろ!)

 サイモンは意識を研ぎ澄ませ、大きく右腕を振りかぶった。


 イメージするのは、彼が磨いてきた【剣術】の突きと、ヴァンダルーの投擲、そして【格闘術】。その意思に応えて、サイモンの義肢を構成する液体金属が形を変える。

「【限界突破】! 【突貫突き】ぃぃぃ!」

 手首から先が伸びて剣状になった義手が、肘から外れて飛んで行く。


 それは咄嗟に衛兵達が放った矢と一緒に、テイマーの女に迫った。

「っ!?」

 得物である鞭でダルシアを縛っているテイマーの女は、衛兵達がクロスボウで放つ矢ぐらいなら軽くかわす自信があった。その自信通り、殆どの矢を回避したが、サイモンの腕は回避した彼女を追尾したのだ。


 それでも本来なら避ける事が出来たはずだが……彼女は借り物の肉体を酷使しすぎた。突然身体が鉛のように重くなり、全身の力が一気に抜ける。

「がはっ! げ、限界かっ」

 右肩をサイモンの腕が貫き、テイマーの女の手が鞭から離れる。


 そしてそれを待っていたかのように――

「うぐ……ぅうううううう! あ゛ぁ!」

 ダルシアが自身を縛る鞭を、引き千切って自由になった。はじけ飛ぶ鞭の残骸に、テイマーの女やモークシーの将兵、そしてサイモンとファングが目を丸くする。


「やあああああ! えぇいっ!」

 そして地面が陥没する巨人の如き踏込で、女との距離を一瞬でゼロにする。突き出した杖の柄頭で、テイマーの女の胸部を貫いた。


「ば……か……な……」

 目を見開いたまま、テイマーの女ががっくりと膝を突く。その光景をダルシアの後ろから、右腕を射出(正確には、霊体を伸ばしただけで飛ばしてはいないのだが)したままの姿勢で見つめながら、サイモンは思った。


(もしかしなくても、俺の手助けは無くても問題無かったんじゃ?)

 しかし、杖を女の亡骸から抜いて振り返ったダルシアは、笑顔で彼らに手を振った。


「皆、助けてくれてありがとう! サイモンさんも流石よ、後で聞いたらあの子もきっと喜ぶわ」

「そ、そうっスかね?」

「ええ、勿論よ! でもその前に……皆、今度こそ私達の勝利よ!」


「お……おおぉぉぉぉ!」

 一拍遅れたが、モークシーの町を守るために集まり、命がけで戦った勇士達は勝鬨をあげたのだった。




 魔物の暴走を撃退したと言う知らせに、避難の準備をしていた町の住人は歓声をあげ、即座に町を挙げてのお祝いとなった。

 彼等は生きて帰れぬ戦いに挑む夫や父、友人知人を、そして滅びる故郷を背に、生き残れるか分からない真冬の逃避行を覚悟していた。それだけに町の安全が守られ、しかも怪我人はいても死人は一人もいないと言う大戦果に誰もが湧いていた。


 もしあのまま町が滅びていれば、領主であるモークシー伯爵の家族は命が助かっても財産の大半を失い、身分を保証する爵位の返上もありえた。騎士や衛兵の家族も、路頭に迷っていたかもしれない。

 町の人々もそうだ。『地球』の現代日本程豊かではないオルバウム選王国では、避難民に対する援助は十分とは言い難い。冬の寒さには心許ないテントと薄い毛布、そして僅かな食料が配られるだけでも感謝しなければならない。


 十分な蓄えがあるか、他の土地に親戚や縁者が居る者は良いが、そうでない者は寒く苦しい生活が待っている。

 手に職があっても、新しい町や村で職に就けるとは限らない。その町に、避難民と同じ職に就いている者が多かったら、あぶれるのは新参者だ。


 結果、避難した先の町で貧民となり、スラム街に落ちるしかなくなる者達は少なくなかっただろう。


 その暗い未来が無くなったのだから、町を挙げての祭りになるのも当然であった。

 だが町の住人達の殆どはまだ知らない、町には暗いどころか、明るい未来が待っているかもしれないという事を。

 その一部が、倒した魔物の素材である。


 暴走によって押し寄せた、魔物達。下はランク5のオーガー、上はランク8のサンダードラゴンやマウンテンジャイアントまで。それらは敵としては、人口三万人の町の滅亡を覚悟する程の脅威だ。

 しかし、死んで素材となった今では宝の山である。


 オーガー一匹でも、魔石や肉、筋や内臓等、素材全てを使えばかなりの金額になるのだ。ランク8のサンダードラゴンやマウンテンジャイアントとなると、それこそ風呂桶を金貨でいっぱいにしてもまだ余るほどの額になる。

 それらの素材の売却益は、慣習やギルドのルールに従って討伐に加わった全員で山分けとなる。


 正門に集まっていた衛兵や騎士、冒険者は大勢だが、それでも全員が一財産を築いた事になる。特に衛兵は、年収数年分の臨時収入だ。

 彼らがこれから使う金がこれから町の商店や歓楽街に落ちるのだ。モークシーの町は、これから暫く好景気が続くだろう。


 今はまだ迎撃戦に参加していなかった衛兵や、傭兵、冒険者が魔物の死体の解体と素材の剥ぎ取りを行っているし、冒険者ギルドもそれらを即座に買い取るだけの現金が無い為、数日から十日程後になるが。


 しかし、若干の問題も起きていた。


「ここの店も品切れかい?」

「すみません、そうなんですよ。いつも仕入れている商人が逃げてしまったもので……」

 突発的な物資不足である。

 魔物の群れが町に迫っていると知って、誰もが冷静に衛兵の指示に従えたわけではない。旅から旅を繰り返す行商人や隊商、傭兵や冒険者の中には、全ての門が閉められる前に町から逃げ出した者も少なくはない。


 そんな事をすれば町の人々からの信用は失墜するが、滅びる町からの信用を守るより、自分達の命と財産を守る事が大事という事だろう。


 今日町に着いたばかりの商人の中には、荷を纏めてそのまま出て行った者だって居るぐらいだ。そのお蔭で、町の一部の商店では物資が不足していた。

 しかし食糧難に喘ぐような事にはならない。今は冬だが、昨日まで通常通り食料は町に入って来ていた。逃げ出した商人の中には、かさばる麦などの穀物や重い酒等は置いていった者もいる。


「参ったな。うちの店で出す肉料理の隠し味には、あの茸が必要なのに。なあ、一欠片でもいいから無いかい?」

「うちの店のコース料理に、ビルギット公爵領産のチーズは欠かせない。店にある分じゃ心許ない。高くても良いから、どうにかならないか?」

 困っているのは、このように料理に使う隠し味や他の公爵領の名産品を求めている者達だ。町と皆の生還を祝って、町全体がお祭りムードの今、間違いなく客の財布の紐は緩んでいる。だというのに、店自慢の料理が出せないのでは、客を白けさせてしまう。


「すみません、渋っている訳じゃなくて、本当に無いんですよ」

 だがそう言われてしまい、食材を買い求めに来た者達は肩を落とす。彼らも普段ならしっかりした仕入れルートを確保しているのだが、今は街が滅亡の危機から脱した直後で、それが役に立たなかったのだ。


 だが、そんな彼らの耳に朗報が届く。

「おいっ、市場でエドモンドって行商人が店を開いてるぞ! お前が探している茸や、ビルギット公爵領産のチーズ、他にも色々売っているらしい!」

「本当か!? 恩に着るぜ!」

 顔馴染みの同業者から教えられ、彼等はエドモンドの店に急いだ。


 その店では、大勢の客が来ては商品を次々に購入していく。

「いらっしゃいませ~! 果物にワイン、チーズ、各種商品を豊富に取り揃えてございます! どうぞお立ち寄りください!」

 がらんとした市場で、エドモンド商会の店だけが盛況だった。


 彼がエドモンド。元B級冒険者のロドリゲスの現雇い主にして、以前ダルシアに対してグールの女を神聖娼婦として使う、ヴィダの神殿に偽装した娼館の話を持ちこんだ商人だ。

(勝った。私は賭けに勝ったのだ!)

 ロドリゲスに正門での戦いに参加するよう指示を出す一方で、町に残った彼は商売に励んでいた。


 相手は、町から逃げ出そうとする同業者達。彼らにエドモンドは人の良い純朴な青年を装って、「多少値引きしていただけるなら、荷を買い取りますよ」と声をかける。

 すると、重い荷を軽い現金にしたい商人達はエドモンドに商品を簡単に売り渡した。それも、普段の売値の半値以下で。


「このビルギット公爵領からはるばる運ばれてきた高級チーズ! この大きさなら相場で千バウムはします。ですが、本日は町と皆様の無事を祝う宴の日! 特別に五百バウムで売らせていただきます! ビルギット公爵領産のチーズは、当店では全品半額です!」

 客がどよめき、我先にとチーズを買い求めていく。しかし、エドモンドがチーズを運んできた商人へ払った仕入れ値も半額以下だ。これでも十分な利益になる。


「こっちの油も値引きしてくれよ!」

「分かりました、本日に限り三分の二、瓶一つ九十バウムのところ、六十バウムでお売りします!」

 客に問われるたびに、「本日に限り」、「今日だけ特別」と繰り返すエドモンド。こうして今日は特別に安いのだと客に刷り込んでいく。


 今日の内に買いこんでおこうと言う意識と、また店を開いた時に同じように値引きする事を求められないようにという工夫である。


(ロドリゲスの言葉を信じ、命を賭けた甲斐があった。これで我がエドモンド商会の名は売れ、信用も手に入れた。他の行商人が後で難癖をつけて来ても、非常時に小銭を受け取って逃げた連中と、残って安値で商品を提供した私。町の者達がどちらを選ぶか、考えるまでも無い。

 しかし……本当に危ないところだった)


 ロドリゲスや正門で戦っていた冒険者や傭兵の話を聞いたところ、ダルシアだけでは無く、彼の息子がテイムしていた女グール達も尋常な強さでは無かったらしい。ロドリゲス本人が、少なくとも俺では絶対に敵わないと認めたぐらいだ。


 そんな女グールを使って娼館を経営……我ながら気が狂っているとしか思えないと、エドモンドは内心冷や汗をかいた。

(もし強引に話を進めようと付きまとっていたら、私は裏路地で死体になっていたかもしれない。やはり、己の本分を弁えて商売をしなければ。軽々しく別の商売に手を出すものではないな。

 とりあえず、一段落ついたら手土産を持ってロドリゲスと挨拶に行き、あの時のお詫びを、そして今後の取引をお願いしよう)


 ダルシアに話を持ちかけ、ロドリゲスを使って脅しをかけようとした事を後悔しつつも、彼女とその息子が得難い商売の種である事は変わらない。距離を置くどころか、近づく事を諦めないエドモンドだった。




 そして町を守った英雄であるヴァンダルーやダルシアは、町の広場で人々に囲まれていた。

「サンダードラゴンの内臓の串焼き、今日は一本十バウムの特別価格ですよー」

 串焼き屋台の店主と売り子として。


「とれたて新鮮のドラゴンの心臓やレバー、ソースもドラゴンの血を使っていて美味しいですよ~」

「勝利の聖女様! 五本お願いします!」

「は~いっ! ヴァンダルー、五本注文よ」

「はい、母さん。……ところで、何故変身したまま?」


「それが着替えを家に置いてきちゃったのよ。変身前に着ていた服は、いつの間にかボロボロになってしまったし」

 ダルシア、そしてバスディアとザディリスは正門で戦っていた時の変身姿そのままの姿にエプロンをつけて売り子をしていた。


「このコスチュームは埃だけじゃ無く、返り血や脂も布で軽く拭くだけで落ちるからな。とても便利だぞ」

「それに客の受けも良いしの。まあ、受け過ぎているような気がするのじゃが」

「ザディリスちゃ~ん! こっちにも串焼き三つ!」

「ちゃん付けで呼ぶでない、小童共! 儂は貴様の十倍は生きておるのじゃぞ!?」


 正門の戦いで活躍した三人は、町の人達に大人気であった。


「……着替えに戻っても大丈夫ですよ?」

「構わん。こうして動いていた方が、気が紛れる」

 ヴァンダルーの言葉に、ふと瞳に憂いを宿して首を横に振るザディリス。彼女は英霊との戦いの結果、念願のランクアップを果たしたのだが……グールウィザードハイプリンセスから、グールムーンウィザードプリンセスと言う種族に変化しただけで、結局プリンセスの文字は取れなかった。


 その上、娘のはずのバスディアがグールアマゾネスミッドナイトクイーンと言う種族にランクアップした。

 それが彼女の憂いの原因である。

「こうやって騒いでおれば、落ち込む暇も無いと言うものじゃ。では注文をとってくるかのぅ」

 ちなみに、この後ジョブチェンジをする彼女だが、やはり可愛らしい名称のジョブしか表示されず、泣く泣くその中から選ぶことになるのだった。


「あそこだ! 変身聖女様と変身斧人、そして変身少女がいる屋台!」

「あれがドラゴンやジャイアントをバッタバッタと薙ぎ倒したって言う……」

 そして、ザディリスが少し離れた間に、新しい客がやってくる。彼らの声は、幸い彼女の耳には届かなかったらしい。


(……色々新しい呼び名がついていますが、何日かしたら落ち着くでしょう)

 恐らくダルシアとバスディア、そしてザディリスを表す聞き慣れない呼び名を聞いて、ヴァンダルーはそう思った。何日か経てば町の熱狂と興奮も落ち着き、それに合わせてダルシア達の新しい呼び名も……語呂の悪いものが淘汰され、響きが似ているものが統一され、一つか二つになるだろう。


(何となくですが、ザディリスの呼び名が可愛い物に固定されて、それが二つ名としてステータスに反映されそうな気がする)

 根拠は無いが、そう思うヴァンダルーだった。……どうやって慰めたものだろうかと、首を捻る。


「くぅっ、何と言う事でしょう! メリッサの頼みに負けて着替えを済ませてきてしまったのが、仇となるなんて!」

「何よ、その私が罠に嵌めたみたいな言い方は?」

 ちなみに、広場に置かれた幾つかのテーブルの内、ヴァンダルーの屋台に近い所にカナコ達が座っている。彼女は、変身を解き普段着に戻っていた。


 盛大に悔しがるカナコは、ハッと何かに気がついたように席から立ち上がり、その場で杖を掲げる。

「そうだ、何も着替えたからと言って遠慮する事はありません。ここで改めて変身すればいいじゃありませんか!」

「な、何ですって!?」

「何だ、ダークエルフのねーちゃんとエルフのねーちゃんが脱ぐのか!?」

「ヒュー! こいつは眼福だぜぇ!」


「脱ぎませんが露出度は増えます! 行きますよ!」

「行かないでよ! 私まで巻き込まれてるじゃないのっ! 大人しく串焼きでも齧ってなさい!」

「落ち着けっ、後、脱がさねぇから口笛を止めろ!」

 酔っぱらいの脱げコールに応えて変身しようとするカナコと、それを止めようとするメリッサとダグ。


「収拾がつかなくなったらお願いします」

 乱れた髪とボロボロの衣服のまま、口紅だけ塗り直したマイルズに声をかけるヴァンダルー。

「ええ、任せて。でも、滅多な事にはならないと思うわよ。今騒いでいる酔っ払いの傭兵も、近づこうとはしてないし」


 ヴァンダルー達の戦いはあまり人目には触れなかったが、広場にはファングやマロル達もいるし、何よりダルシアやバスディアがいる。傭兵達も、騒ぎ過ぎれば自分達が畳まれる事を忘れる程酔ってはいないらしい。


 なお、サイモンは冒険者ギルドのマスターであるベラードの娘で錬金術師のジェシーと会っており、ナターニャは慣れない四足走行で腰を痛めたらしく、家で休んでいる。


「ところで、こんな時まで屋台を出さなくても良いんじゃないの、ボス?」

「夜はダンジョンで皆に晩御飯を振る舞う予定ですからね。昼の内に出しておかないといけません」

「……普通、町を救った英雄って、パレードの先頭を歩いたり、領主の演説で紹介されたりするものじゃないの?」

「パレードは町の人達が落ち着くのを待って行われるそうです。今の状態だと、興奮した観客が通りに飛び出してくるかもしれないから、危ないと。演説もその時行われるそうです。……詳しい事情の説明も、後日ですね」


 ちなみに、ヴァンダルー達が倒した魔物やハジメ・フィトゥン達の装備品は、山分けではなく、彼等の戦利品と言う扱いになっている。

 正門とは異なる場所で、独自に倒した魔物と、ヴァンダルー達を狙ったものだからだ。サンダードラゴンの内臓も、その一部である。


 尚、マウンテンジャイアントの肉と内臓は下処理を念入りにしないと硬くて食べられないので、後回しにされている。


「ああ、そのパレードにはマイルズも参加して欲しいと領主の使いの騎士が言っていました」

「遠慮していいかしら。私、立場的には日陰者だし」

「ボスである俺も参加して欲しいと思っています。飢狼警備がカタギだと表す為にも」

「……OK、ボス」




 転生者四名消滅。


 消滅済み転生者合計六名。

 残り転生済み転生者、十二名。

 御使い化転生者、三名。

 転生前転生者、『オリジン』に七十九名。




―――――――――――――――――――――――――――――




・名前:ダルシア

・種族:カオスエルフソース

・年齢:0

・二つ名:【魔女】 【聖母】 【モンスターのペアレント】 【ヴィダの化身】 【皇太后】 【聖女】

・ジョブ:聖女

・レベル:0

・ジョブ履歴:魔法少女、命帝魔術師、マジカルアイドル、魔杖装者、変化闘士



・パッシブスキル

闇視

魔術耐性:10Lv

物理耐性:10Lv

状態異常耐性:10Lv

剛力:7Lv(UP!)

超速再生:5Lv

生命力増大:9Lv

魔力増大:8Lv(UP!)

魔力自動回復:7Lv

魔力回復速度上昇:8Lv(UP!)

自己超強化:ヴァンダルー:4Lv(UP!)

自己強化:導き:10Lv

能力値強化:創造主:6Lv(UP!)

能力値強化:君臨:4Lv(UP!)

色香:8Lv

弓装備時攻撃力増強:中

非金属鎧装備時防御力増強:中

眷属強化:1Lv

能力値強化:変身:6Lv(UP!)

杖装備時魔術攻撃力強化:中(NEW!)


・アクティブスキル

料理:5Lv

家事:5Lv

狩弓神術:3Lv(UP!)

竈流短剣術:2Lv

千変闘術:2Lv(UP!)

無属性魔術:5Lv

魔術精密制御:2Lv(UP!)

命帝魔術:4Lv(UP!)

水属性魔術:10Lv

風属性魔術:10Lv

精霊魔術:7Lv(UP!)

解体:2Lv

霊体:3Lv(UP!)

限界突破:5Lv(UP!)

詠唱破棄:6Lv

連携:8Lv(UP!)

女神降臨:3Lv

聖職者:4Lv(UP!)

舞踏:3Lv

歌唱:3Lv

魔杖限界突破:4Lv(UP!)

杖術:5Lv(UP!)


・ユニークスキル

ヴィダの化身

生命属性の神々(ヴィダ派)の加護

カオスエルフの祖

ヴァンダルーの加護

神鉄骨格

再生の魔眼:5Lv

混沌




・名前:ザディリス

・年齢:300歳(若化済み)

・二つ名:【魔法少女】

・ランク:12

・種族:グールムーンウィザードプリンセス

・レベル:0

・ジョブ:魔術姫

・ジョブレベル:0

・ジョブ履歴:見習い魔術師、魔術師、光属性魔術師、風属性魔術師、賢者、大賢者、大魔術師、ウィザードプリンセス、魔法少女、魔杖装者


・パッシブスキル

闇視

痛覚耐性:5Lv(UP!)

怪力:4Lv(UP!)

麻痺毒分泌(爪):2Lv

魔力回復速度超上昇:2Lv(UP!)

魔力増大:8Lv(UP!)

魔力自動回復:7Lv(UP!)

杖装備時魔術力増強:中(杖装備時魔術力強化から覚醒&UP!)

能力値強化:変身:7Lv(UP!)

自己強化:導き:6Lv(UP!)

魔術耐性:4Lv(UP!)

能力値強化:月光:1Lv(NEW!)


・アクティブスキル

光姫魔術:2Lv(UP!)

風属性魔術:10Lv

無属性魔術:7Lv

魔術精密制御:1Lv(魔術制御から覚醒!)

錬金術:7Lv

詠唱破棄:9Lv

同時発動:9Lv(UP!)

限界突破:8Lv

家事:2Lv

高速思考:7Lv

杖術:3Lv(UP!

御使い降魔:2Lv(UP!)

歌唱:4Lv(UP!)

舞踏:4Lv(UP!)


・ユニークスキル

ゾゾガンテの加護

ガレスの加護

ヴァンダルーの加護

ディアナの加護




・名前:バスディア

・年齢:外見年齢27歳(35)

・ランク:12

・種族:グールアマゾネスミッドナイトクイーン

・レベル:0

・ジョブ:変身鬼妃

・ジョブレベル:0

・ジョブ履歴:見習い戦士、戦士、見習い魔術師、魔術師、魔戦士、風属性魔術師、魔斧士、鬼斧刃、鬼女王



・パッシブスキル

闇視

剛力:3Lv(UP!)

痛覚耐性:7Lv

麻痺毒分泌(爪):6Lv

魔術耐性:8Lv(UP!)

直感:6Lv

斧装備時攻撃力強化:極大

精神耐性:5Lv

魔力増大:3Lv(UP!)

能力値強化:導き:6Lv(UP!)

眷属強化:6Lv(UP!)

色香:4Lv(UP!)

能力値強化:月光:5Lv(UP!)


・アクティブスキル

鬼妃斧刃術:1Lv(斧術から覚醒!)

盾術:9Lv

弓術:8Lv

投擲術:8Lv(UP!)

忍び足:4Lv(UP!)

連携:10Lv

無属性魔術:4Lv

風属性魔術:8Lv(UP!)

水属性魔術:7Lv

魔術制御:7Lv(UP!)

料理:3Lv

魔斧限界突破:10Lv(UP!)

鎧術:6Lv(UP!)

魔闘術:5Lv(UP!)

解体:2Lv(UP!)

指揮:3Lv(UP!)

限界突破:3Lv(UP!)

格闘術:4Lv(UP!)

歌唱:2Lv(UP!)

舞踏:2Lv(UP!)

御使い降魔:1Lv(NEW!)


・ユニークスキル

ゾゾガンテの加護

ガレスの加護

ヴァンダルーの加護

ディアナの加護




●スキル解説:○○強化、○○増強、○○増大


 特定、若しくは全ての能力値に補正を与えるスキル。筋力強化や敏捷増強等、対象の能力値ごとに名称が異なる。

 基本は○○強化からであり、この段階では得られる補正は僅かだが、上位スキルの増強に覚醒すると補正が大きくなり、更に増大にまで覚醒しレベルを最大まで上昇させる事に成功すると、能力値は元の倍程になる。


 このスキル単体ではあまり意味が無く、所有者の能力値が高ければ高い程効果を発揮するスキル。そのため、このスキルのレベルを誇る冒険者や騎士は殆ど居ない。


 尚、似た効果のスキルに特定の種類の装備を身に着けている時、効果を発揮するスキル○○装備時○○強化・増強・増大と言うスキルも存在する。

 こちらも所有者の武術スキルや能力値、そして武器その物の性能が低いと意味が無く、高いと効果も高くなるスキルである。

2月20日に243話を投稿する予定です。

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一旦の一件落着やけど、こっから風呂敷をどう畳むのか楽しみや。 人間社会に出て来たのはそもそも「敵対勢力の釣り出し」と「ヴィダ派(信者や新種族)の様子を知るため」と「人間社会での公的身分や権威の確保」が…
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