二百二十三話 悦命の滅びと迷える子羊を迎えにいく魔王一行
その種族には、獲物を嬲る習性があった。
獲物に苦痛を与える事で、より効率良く魔力を吸収できるようにするためか、周囲に自分の強さをアピールするためか、元々は必要性のある行為だったはずだ。
だが世代を重ねて進化し、知能が高まるにつれてその習性を実行する事に悦楽を覚えるようになった。
そうして種族全体で他者を嬲り、弄ぶことに最大の快楽を見出すようになった彼らの中から、遂に神の領域に至る個体が現れた。
その個体の名を、ヒヒリュシュカカと言った。
『おおおおおおおおおっ!』
抵抗する事も出来ず炎に焼かれるヒヒリュシュカカは、恐怖と喪失感に悲鳴をあげた。
受肉した肉体と【魔王の触手】が炭化して崩れ落ちる度に、ヒヒリュシュカカの魂が何者かにこそぎ落とされるように彼の存在そのものが消滅していく。
受肉した直後に受けた一発目は、【魔王の影】を盾にする事で自身の魂が傷つく事は防いだ。だが別々の砲台から放たれた三発の砲弾を受けた時には盾は役に立たず、ヒヒリュシュカカそのものが焼きつくされようとしている。
邪神に乗っ取られたとしても、原種吸血鬼としての特性が肉体に残っている。そのため光属性の死霊の力が込められた砲弾から受けた傷の再生は殆ど進まず、ただただ焼かれていくばかりだ。
(これが滅びか! これが消滅か! かつてグドゥラニスが多くの神に与えた、根源的な恐怖か! ……よくも、よくもこの我を!)
魔力が底をつき、身動きする事も難しい状態のヒヒリュシュカカの精神は恐怖から、憎しみと嫉妬に塗り替えられた。
その対象は、勿論グドゥラニスとヴァンダルーだった。
(これ程の絶望を、恐怖を、奴らは与えて来たのか! この世界の神々に、ザッカート達勇者共に、我が僕テーネシアやグーバモンに!
この『悦命の邪神』である我をさしおいて!
他者を弄び、悦びを得るのはこの我でなければならないのに。魔王の配下に加わったのも、その為だったと言うのに!)
ヒヒリュシュカカが魔王グドゥラニスの配下に降った理由は、その為だった。自分よりも強く、そして自分では絶対に不可能な魂を砕く力を持つグドゥラニスの配下になる事で、この世界の神々と生物を弄ぶ悦びを得る為だった。
魔王の配下として、滅ぼされ侵略される者達の悲哀を感じて悦に入る側に立つためだった。
ヴァンダルーを殺そうとしたのも、その為だ。自分には絶対に不可能な、魂を砕く力の持ち主が再び出現した事で、確かに危機感は覚えた。
だが、それ以上に嫉妬した。魔王はまだ理解できる。だが、自らの僕である吸血鬼達の血を半分程しか受け継いでいない半吸血鬼、ダンピールが自分と違い魂も弄ぶ事が出来る。
そんな屈辱を看過する事は出来なかった。
だから抹殺を命じたのだが……結果はこの通りだ。
(奴を追い詰めるはずが……僕共は奴に力を蓄える時間を与え、それどころか次々に返り討ちに。我自身も、勝ち目が薄いと分かってはいたが、その薄い勝ち目に賭けなければならない程追い詰められていた)
何万年もの間バーンガイア大陸の闇に君臨してきた、『悦命の邪神』を奉じる邪神派吸血鬼の組織は、ヴァンダルーが出現したこの十年余りで崩壊の危機に瀕していた。
組織を三つに分けて支配していた三人の内、テーネシアとグーバモンが滅ぼされ、しかもアルダ勢力の活動は活発になっている。
ビルカインが組織の再編を進めたが、その彼もヴァンダルーと不可侵の盟約を交わしたら雲隠れするつもりだった。それが上手く行けばビルカインは生き延びるだろうが……ヒヒリュシュカカはそうもいかない。
ヴァンダルーが干渉して来なくても、アルダ勢力が動いているのは変わらない。奴らは自身が育てている急造の英雄の糧とするための敵を、飢えた肉食獣のように探している。
ビルカインに見捨てられた彼の腹心以外の貴種吸血鬼や従属種吸血鬼達は、連中に食いつくされる。そうして力を付けた英雄達の中から、ヒヒリュシュカカを倒し、封印しうるものが現れるかもしれない。
そうならなくても、ヴァンダルーとアルダ勢力の戦いに決着がつけば、勝ったのがどちらであっても次のターゲットは魔王軍残党である自分達だ。
ヴァンダルーという強大な敵を倒したアルダ勢力か、それとも力を取り戻したヴィダ派かの違いだけだ。
地上のビルカインは隠れる事が出来ても、神域にいるヒヒリュシュカカはいつか追い詰められる。
ヒヒリュシュカカが生き残るためには、此処でヴァンダルーを殺し、彼の【魔王の欠片】を奪って力を手に入れアルダ勢力の英雄共を倒し続けるしかなかったのだ。
……単に、ビルカインの肉体を何時でも奪えるように備えていたせいで、彼の肉体ごとこの町を模したダンジョンに入って閉じ込められてしまったという、間抜けな理由もあるが。
そしてヒヒリュシュカカは負けて滅びようとしている。
(何故だ、我が『悦命の邪神』故に負けたと言うのか!? 何故『悦命』では勝てない!?)
ビルカインがヴァンダルーに仕掛けた策も、彼の肉体を乗っ取って受肉したヒヒリュシュカカの戦闘能力も、並の英雄豪傑では対抗しようのないものだった。
だがビルカインはヒヒリュシュカカの助力を当てにせず策を練り、ヒヒリュシュカカはそれを利用する形でヴァンダルーを殺そうとした。
もし、ビルカインとヒヒリュシュカカが知恵と力を合わせて……ダルシアとヴィダのように一体となって策を練り、ヴァンダルーに挑んでいたらまだ結果は変わっていたかもしれない。
しかし、やはりヒヒリュシュカカはそれに気がつく事は無い。何故なら、彼は『悦命の邪神』。自分より下の者は仲間でも同志でも腹心ですらなく、利用すべき駒であり、嬲り弄ぶ糧でしかない。
『オノレェェ! 我と、我と貴様にどれほどの違いがあると言うのだ!?』
チプラス達光属性のゴーストが付与された三発の砲弾型使い魔王の爆発によって発生した、激しい閃光と爆音、そして発生する衝撃波。
「壁を」
ヴァンダルーはそれを防ぐために【迷宮創造】スキルで壁を創った。通常なら総オリハルコン製でもない限り、どんな壁でもこの高熱と衝撃波を受け止めきれないだろうが、ダンジョンの壁なら有効だ。
「ヴァン様~♪」
『小娘っ、どさくさに紛れてヴァンダルー様に抱きつくなんて……まあ、いいわ』
「あまり、ご迷惑を掛けないように」
エレオノーラ達が素早く壁の向こうに飛び込んだ次の瞬間、衝撃波がダンジョンの階層全体を揺らした。
もしこのダンジョンの建造物が、本物のモークシーの町の建造物と同じだったら倒壊と火災が相次いだ事だろう。
「ダンジョンの中で戦って正解だったわね。砲台型や砲弾型の使い魔王は威力も大きいけど、爆風が凄いから」
「そ、そうですね」
「出入り口のある地下室にまで揺れが伝わっていないと良いのだけど。外にはユリアーナさんやナターニャさんもいるし……まあ、タレアさんに、レビアさんとオルビアさんも付いていてくれているから、大丈夫だと思うけど」
「はい、大丈夫だと思います」
エレオノーラは自分を抱き止めたダルシアに、カクカクとぎこちなく頷いた。
ヴァンダルーに向かって抱きつこうとした彼女だったが、ヴァンダルーは既に彼を保護しようとしたダルシアによって抱き上げられていた。しかし、飛び込んだ勢いは止められず、エレオノーラはヴァンダルーを挟んでダルシアに抱きついてしまったのである。
そんなエレオノーラをダルシアは気にせず抱き留め、ヴァンダルーごと保護したのだった。
ちなみに、ヴァンダルーはエレオノーラの膨らみに顔が埋まっているので話せないでいる。
「ダルシア様、爆炎はまだですが衝撃はそろそろ収まりましたので」
「あら、そうね。エレオノーラさん、驚かせてごめんなさいね」
「い、いえ……私こそ失礼しました」
ベルモンドに促されたダルシアがエレオノーラを解放する。頬を紅くした彼女は、よろけるように離れる。ヴィダを降ろしている彼女に母性的な物を覚えてしまい、困惑しているようだ。
『オノレェェ! 我と、我と貴様にどれほどの違いがあると言うのだ!?』
そんな余韻をぶち壊しにするような、嫉妬に塗れたヒヒリュシュカカの醜い絶叫が響き渡った。
『ヴァンダルー、新たな魔王よ! 異世界より転生した貴様は命を奪い、弄び、魂すら滅ぼし、秩序を乱し、この世界を侵略し君臨しようとしている!』
壁の上側からベチャリと半ば溶けかけた触手が現れる。反射的に剣を振るったアイラによってすぐ切り払われたが、二本目、三本目と次々に触手は壁を越えて来た。
『その貴様と我々の違いとは何だ!? 知っているぞ! 貴様が人間の血も糧にしている事を、死者のアンデッド化や動植物を魔物化させるだけに飽き足らず、新たな種族を創造し、輪廻転生の真似事までしている事を! 貴様と我の違いは力の強弱……勝ったか負けたかの違いのみではないか!
違うか、ヴィダよ!?』
そして触手を使って壁を這い上がって現れたヒヒリュシュカカの姿は、無残だった。ビルカインの肉体だった部分は殆ど炭化しており、炭の塊から触手が生えているようにしか見えない。どうやって声を出しているのか、見当もつかない。
焦った顔つきでチプラスが姿を消し、ダロークやベールケルトがそれに続いてヴァンダルーの傍を離れる。
『違うか、かつて我を奉じた者達よ! ヴァンダルーはお前達に良くしてくれるから違う、優しい、情けがある。そう思うのなら思い出してみるが良い、貴様等の主人も最初はそうだった! そうして貴様等に飴を与え、飼い慣らしたのだ!
今に見ているが良い、この世界に君臨したヴァンダルーはいずれ増長し、貴様等を……全てを虐げるようになるだろう!』
失った四肢を生やす等驚異的だった再生力も尽きたのか、無残な姿のまま落ちるようにして壁を越えたヒヒリュシュカカはそう宣言し、高笑いをあげる。
ヴァンダルー達はそれを黙って聞いていたが、不意にアイラや戻ってきたチプラス達が口を開く。
『ヴァンダルー様、呪詛の類や私達を激高させてその隙を狙って何か企んでいる様子は無さそうよ』
『ビルカインの腹心に何か仕込んだのかと思って確認してまいりましたが、何もしていないようです。私の杞憂でした』
『時間がかかっていたマイルズも、ドワーフの貴種吸血鬼との戦いに勝利していました』
そのあまりにも冷静で事務的な態度に、ヒヒリュシュカカが思わず哄笑を止める。
『き、貴様等?』
「何か仕掛けて来るかと思いましたが、死に際の恨み言ですか。ならば耳を貸す価値はありませんね」
「そうね。ヴァン様と自分の違いが力だけだなんて……元から正気とは言えないけど、【魂喰らい】で大分魂が壊れているみたいだし」
ベルモンドとエレオノーラが口々にそう言いながら、ヒヒリュシュカカを取り囲む。
「物は言いようだなと思いますが、言っている事は、概ね間違ってはいませんね」
ただヴァンダルーはヒヒリュシュカカのほぼ言いがかりに等しい恨み言を、一応聞いていた。
実際ヴァンダルーは殺した山賊の血で栄養補給をしたり、最近も野良犬だったファングをヘルハウンドにしたり、ユリアーナを疑似転生させたりしている。
『地球』なら生命倫理に問われるような事ばかりしている気もする。
「でもその手の言葉はアサギやハインツに言われましたし、お前に言う資格があるか甚だ疑問です。
そもそも俺は、自分が正義でお前が悪だから戦うのではありません。お前等が邪魔だから、殺す。お互いにそれだけだったでしょう?」
ヴァンダルーはこの戦いに大義や正義があるとは、最初から考えてはいなかった。ただの殺し合いでしかない。
「それで最後に私から二言。結局最後まで私の名前を呼ばない事が、あなたとヴァンダルーの違いを何よりも表しているわ。そして……余所の家庭の教育に、口出ししないで!」
そしてダルシア達が武器を振り上げ、ヴァンダルー以外の全員が息を合わせてヒヒリュシュカカに向かって振り下ろす。
『か、家庭への口出しだと!? う、ウォォオォォォ~ッ!?』
末期の恨み言を余所の家庭への口出しにされてしまったヒヒリュシュカカの、断末魔の叫びが響く。完全に肉体を破壊された彼の魂は、ヴァンダルーによって【魔王の影】ごと喰われ欠片も残さず消滅した。
ここに十万年以上前からラムダに災厄を撒き続けた『悦命の邪神』と彼を奉じ、バーンガイア大陸の闇に君臨した三人の原種吸血鬼は全滅したのだった。
だが【魔王の影】は喰われた後も【魔王の影】……グドゥラニスの魂の欠片で在り続けた。ヒヒリュシュカカに盾にされた事で弱り、宿主だったビルカインを失った事で虚ろな虚像に戻っていた。
そのため、今度は自らを喰ったヴァンダルーの影になろうとした。
だが、ヴァンダルーの中には既にもう一人のヴァンダルーがいた。
『やあ、俺はもう一人のヴァンダルー。初めまして、もう一人の俺になろうとする存在』
それはかつて『ザッカートの試練』の『鏡の試練』で出現し、ヴァンダルーと融合した『虚像のヴァンダルー』だった。
彼は、ヴァンダルーと一つの存在となった。そのためヴァンダルーのペルソナ、一部として存在し続けているのだ。
『っ!?』
理解できない事態に遭遇し動きを止める【魔王の影】。だが、『虚像のヴァンダルー』は【魔王の影】に話しかけ続ける。
『自己紹介は、必要ありませんね。何故ならあなたは既に俺自身なのですから』
『我は……我は……俺は……』
我は何者だと、【魔王の影】は尋ねる。俺は俺だと、答えられる。
我は我では無く俺であり、俺は我では無い。俺は俺であり、俺の一部であり、俺である。
『俺は俺であり、俺と同じ俺である』
そしてグドゥラニスの虚像は消え、ヴァンダルーの一部が増えた。
《【魔王の影】を獲得しました!》
《【魔王の触手】が合流しました!》
《魔王の肉体の欠片が、【魔王の肉体】に統合されました!》
《【生命強制付与】、【魂魄束縛】、【創造アンデッド支配】、【生命浸蝕】スキルを獲得しました!》
《【生命強制付与】、【魂魄束縛】、【創造アンデッド支配】スキルが【冥王魔術】スキルに統合されました!》
《【生命浸蝕】スキルが【変異誘発】スキルに統合されました!》
《【装群術】が、【装影群術】に変化しました!》
《【剛力】、【冥王魔術】、【詠唱破棄】、【敏捷強化】、【無手時攻撃力強化】、【身体強化(髪爪舌牙)】、【魔力増大】、【魔力回復速度上昇】、【魔砲発動時攻撃力強化】、【能力値強化:君臨】、【ゴーレム創成】、【虚王魔術】、【魂格滅闘術】、【同時多発動】、【具現化】、【連携】、【超速思考】、【指揮】、【投擲術】、【死霊魔術】、【魔王砲術】、【装影群術】、【神喰らい】、【魔王】、【深淵】、【魂喰らい】、【群体思考】、【群体操作】、【魂魄体】スキルのレベルが上がりました!》
《【従属強化】が【従群超強化】に覚醒しました!》
ヒヒリュシュカカを倒したヴァンダルー達は、色々レベルが上がったりスキルが覚醒したりしたが、それを一先ず置いておいて、偽孤児院に戻る事にした。
「プリンセスナイトって、姫騎士って事よね。イリスとユリアーナも姫騎士だし、まだセーフ。まだセーフの筈よ……!」
「旦那様、エンペラーバトラーとは執事の皇帝ではなく皇帝の執事ということですからね」
『二人とも、種族より覚醒したスキルを誇ったら?』
吸血姫騎士と吸血鬼皇帝執事と言う種族にランクアップした二人が動揺しながら独り言を呟いたり、ヴァンダルーに訴え続けたりしているのを、アイラは胡乱気な眼差しで眺めていた。
「そんなに嫌わなくてもいいと思うのよ、魔法少女も良いジョブだと思うし」
ダルシアもそう呟いているが、アイラ達は黙殺していた。もしかしたらベルモンドがヴァンダルーの耳元で訴え続けているのは、ダルシアの呟きが耳に届かないようにするためかもしれない。
魔法少女に対する彼女達の警戒心は、高い。
「そんな余裕は無いわ! 折角ビルカインに魔法少女呼ばわりされるのを防いだのに! それでなくても最近『首領の情婦』なんて二つ名が付くし……まあ、首領ってつまりヴァン様の事だから良いけど」
「その『首領の情婦』というのは、組織の潜入を止めたら解除されると思いますから、あまり気にしないで良いと思いますよ。後、ランクアップした種族や新しいジョブについては後で考えましょう」
腐っても受肉した邪神と言うべきか、ヒヒリュシュカカを倒した後、ランクアップと同時に大量のスキルがレベルアップした。その全てを検証していたら、それだけで一日が終わってしまいそうだったので、後回しにする事になった。
「勝利、おめでとうございます」
偽孤児院にはグファドガーンとメリッサ、ビルカインの洗脳とヴァンダルーの霊体の拘束から解放された孤児院の人々がいた。
混乱して泣いている子供達がおり、院長やセリス達がそれを宥めているが、問題は起きていないらしい。
「あなたの分身にも言ったけど、洗脳は解けているみたいよ。見ての通りビルカインの命令は効いていないし……洗脳されている間の記憶はあるみたいだけど」
メリッサがそうヴァンダルーに耳打ちをする。彼女は前世に、多少だが洗脳や尋問に対する訓練を受けており、それに基づいて診断したようだ。
「ただ詳しい事は自分で聞くなり調べるなりして。【魔王の影】で洗脳された人の症状なんて、前世では教わらなかったから。グファドガーンも分からないらしいし」
「グドゥラニスは、影を使って他者を操るような迂遠な真似はしなかったのです。ビルカインが実際に孤児院の者達を操って見せるまで、そのような事が可能だとは考えた事もありませんでした」
強大な力を持つグドゥラニスは、ビルカインとは違い他者を従わせるのに力と恐怖以外必要としなかったようだ。グファドガーンは先代魔王の側近では無く、寧ろ魔王軍では閑職に相当する地位に居たため、彼女が知らないところで使っていた可能性もあるが。
しかしヴァンダルー達がヒヒリュシュカカを倒したのとほぼ同じタイミングでセリスやマッシュ達孤児院の人々の耳や鼻から黒い煙のような物が少量出て行ったらしい。
恐らく、それがビルカインの植え付けた【魔王の影】の欠片なのだろう。操っている人間全員に植え付けているのか、それとも人質としてより強力に操るために、この孤児院の人々にだけ植えつけたのかは分からないが。
「洗脳がそのビルカインの【魔王の影】と声や姿に反応する類のものなら、もう大丈夫でしょうね。脳も、そんなに弄られてなかったんでしょう?
ところで話が変わるけど……あの大爆発が例の使い魔王? ここは遠かったから良かったけれど、至近距離だったら【アイギス】を張るのが遅れたら死んじゃうじゃない」
「メリッサなら大丈夫ですよ」
「そうよ、あなたなら『遅れたら』なんて事にはならないわ。自信を持って」
「……くっ、この信頼が厄介だわ。しかも母子揃って寄せて来るし」
ヴァンダルーとダルシアにそう言われたメリッサが、小さく呻いて引き下がる。導いたヴァンダルーと始祖のダルシアに信頼されては、応えない訳には行かないらしい。
「まあ、次も確実に使うとは限りませんけれど。ところで、マイルズやアイゼン達は何処に行ったか知っていますか?」
ここに集まっているはずの仲間の半分以上の姿が見えない事に気がついて、ヴァンダルーがきょろきょろと周囲を見回す。
「ヴァンダルー様、裏庭の方にいるみたいよ。ほら」
エレオノーラが指差した先、偽孤児院の建物の影からピートの尻尾が何節かはみ出ていた。
「子供達を怯えさせないようにと、自主的にそちらに隠れたようです」
「……なるほど。では、俺達も泣いている子供達を宥めるのを手伝って、事情の説明を――」
「それは、止めた方が良いかもしれないわ。もう暫く院長達を忙しくさせておいた方が良いかも」
メリッサが言うには、洗脳が溶けた直後最初に動いたのは孤児院のホリー院長やセリス、ベストラの子供達を管理する側だった者達だったらしい。彼女達は混乱した様子で泣きだし、自分を責めるような事を言っていた。
しかし子供達がつられて泣き出すと、我に返ったのか、それとも自分の感情を棚に上げたのか、子供達にかかりきりになっているそうだ。
それでメリッサとグファドガーンは子供達を宥めるのを手伝わずに、ヴァンダルー達を待っていたらしい。
「まあ、手伝えって言われても子供の世話なんてした事無いから分からないけど」
「泣き止むよう頼む事は出来ますが」
「……それ、本当に『泣き止んでください』って頼むだけよね?」
二人はそう言うが、このまま黙って見ているのもどうかと思っていると、ヴァンダルー達に気がついた孤児院の子供の一人、マーシャがヴァンダルーに泣きながら駆け寄って来た。
「おにいちゃん~っ、あたし、変なプルプルたべちゃったよぉ~っ!」
「……舌を噛まないように口の中に入れた霊体の事ですね。大丈夫ですよ、食べていませんから。ただ【具現化】を解除しただけですから」
「食べてないのっ!? ホント!? 病気になったりしない!?」
「しないしない」
「……うわぁぁぁぁん! よかったぁ~っ!」
安心したのか、一層激しく泣き出すマーシャ。彼女にとって今日起きた大事件の中で最も深刻だったのは、それだったらしい。
記憶の欠損等、副作用も無く洗脳が解けて何よりではあるが。そう思っていると、今度はマッシュが駆け寄って来た。
「ヴァンダルー!」
「マッシュ、口の中に入った変なプルプルは、食べていませんよ」
「馬鹿っ、そっちじゃない! 俺、お前に言わないといけない事があるんだ」
マッシュは珍しく真面目な顔をして、ヴァンダルーに頭を下げた。
「ごめんっ、悪かった!」
それが今日ビルカインに操られて自分を誘いこんだ事なら、気にする必要はないとヴァンダルーは言おうとした。
「明日の祝祭、本当は無いんだ!」
しかし、真実は違った。ヴァンダルーが今日孤児院を訪れた理由、明日行われるはずの祝祭の準備。なんとその祝祭自体が存在しなかったのだと言う。
「あのビルカインってむかつくヤローが来てさ、この日は祝祭をやるから準備の手伝いにヴァンダルーを呼ぶようにって。それで呼んだら、今朝また現れて……其処からはお前も知っての通りだ」
マッシュの説明から推測すると、最初ビルカインはヴァンダルーと孤児院の距離を縮め彼らが人質として通用するようにするため、数々のイベントを考えていたらしい。
勿論マッシュがヴァンダルーの屋台で盗みを働き、彼がその後孤児院に寄付をするようになってから。どうやらビルカインは、【魔王の影】を使用した移動手段を使って、ヴァンダルー達が考えるより頻繁に町の出入りを繰り返していたようだ。
そしてアッガー達不良衛兵が孤児院の子供達を誘拐しようとした一件から、「人質に使うには十分だ」と判断したのだろう。偽の祝祭をやらせるのを取りやめ、準備を行う日の今日に仕掛ける事にしたようだ。だが重要なのはそこでは無い。
「つまり、祝祭の準備は無いと……」
まさか魂を喰らった後にこんな置き土産を残されるとは思わなかったと、ヴァンダルーは思わずよろめいた。
「うん、御免な。まさかお前が準備にあんなに乗り気になると思わなくて。ところで、何でそんなに準備が楽しみなんだ?」
「……本番の時は孤立していても、準備に参加していれば一体感とか、達成感を味わえるじゃないですか。だからです」
「うん? お前の言ってる事、難しくてよく分からないぞ」
物心ついた時から孤児院で生活しているマッシュには、ヴァンダルーが『地球』の学校で経験したような孤立感は想像しがたいものらしい。
ただ祝祭をヴィダの化身であるダルシアが知らない理由も、元々ビルカインがでっち上げたものなら理解できる。
「共同神殿のポーラ司祭も知らなかったから、てっきり融和派と原理主義で祝祭の種類や日取りが異なるのかと思ったけれど、そうじゃなかったのね。
ええっと、ヴァンダルー、祝祭の代わりにビルカインとヒヒリュシュカカを倒したお祝いをしましょうか? 孤児院の皆が良ければだけど」
「マジで!? ご馳走ある!?」
ダルシアの提案に真っ先に食い付いたのはヴァンダルーでは無くマッシュだった。他にも、彼らが話している間に落ち着きを取り戻した子供達が「ご馳走」と聞き、期待に輝く瞳でダルシアを見つめる。
「ええ、勿論よ。するのは明日だけれど」
「わ~いっ! やったーっ!」
ダルシアの言葉に子供達の半数以上が沸き立つ。最近はお腹いっぱい食べる事が出来ているとはいえ、子供達にご馳走の言葉は効果的だったようだ。
「お兄ちゃん、真っ黒くなって空飛んだの、あれもう一回やって!」
「ねぇ、ヴァンダルーお兄ちゃん、あの光るおじさん達は?」
「ダルシア姉ちゃん、大きなムカデ、ムカデがいたんだよ。ホントだよ!」
「それよりも凄く沢山の蜂女がいたんだ! 後、『飢狼』のマイケルもいたーっ!」
「うわあああん、このおばちゃん怖いぃっ!」
「あのお姉ちゃん達誰? この子は新しく孤児院に来た子?」
『なっ、何だと!? 怯えさせないように小娘の影に隠れていたのに……人間社会の子供は私が思っていたより繊細すぎる』
「私は孤児院では生活しない」
残り半分の子供達は、自分が見た事をヴァンダルーやダルシアに報告する。ビルカインに操られて怖い思いをした事よりも、ヴァンダルーがビルカインを蹴り飛ばした【魂格滅闘術】や、初めて見たピートやクインの姿や、歓楽街やスラムに君臨する『飢狼』のマイケルことマイルズの姿の方が印象に残っているらしい。
そしてグファドガーンやメリッサ、ヴァンダルーが連れて来たエレオノーラ達への関心の方が強いようだ。
ビルカインには自害を命令されるなどしたが、その前に「黙れ」と命令された時に感情も麻痺していたのかもしれない。
……エレオノーラの後ろに隠れ、顔の半分や身体の一部が見えるだけだったアイラの姿が余程怖かったのかもしれないが。
「私はエレオノーラ、後ろのはアイラって言うの。大丈夫よ~、怖くないから」
「私はベルモンドと申します。以後よろしくお願いします、皆さん」
マッシュやマーシャを含めた子供達の様子を見ていると、どうやらビルカインが言っていたのは事実のようだった。普段はダンピールを見つけたら近づけとか、そうした命令を指示されていただけで、性格や認識に大きな変化を強制するような洗脳は行われていなかったらしい。
「ヴァンダルーさん、皆さん……」
そして子供達の殆どが立ち直ったということは、院長やシスター達の手が空くということだ。彼女達はヴァンダルー達の前にやって来ると、揃って礼を述べた。
「この度は子供達とシスター達を助けて頂き、ありがとうございます」
「ヴァンダルーさんと皆さんのお蔭で、こうして皆助かりました」
彼女達の目は赤く腫れていたが、今はメリッサが言ったような混乱や感情を暴走させているような様子は見られなかった。
「いいえ、ビルカインの狙いは俺でしたから。あまり思いつめないように……とは言え、思ったより大丈夫そうですね」
ビルカインの洗脳が解けたということは、自分達の正体、そしてこれまで孤児達を邪神派吸血鬼の為に捧げていた事も思い出したはずだ。
孤児院の子供全てを差し出していた訳ではないだろう。しかし、実は従属種吸血鬼だったセリスとベストラは見た目よりも長い年月を生きている。その長い年月で関わった子供の内、吸血鬼の犠牲になった人数は少なくないのだろう。
「はい、記憶が戻った直後は混乱し、後悔のあまりこの爪で自ら命を絶とうかと思いましたが……子供達の前でしたからね」
ホリー院長はそう言いながら、鉤爪を伸ばして見せる。それにはヴァンダルーも、そして子供達も驚いた。
「あなたも吸血鬼ですか?」
「いえ、ダンピールの方です。ついさっきまで忘れていましたが……」
そう言って四十代から五十代に見える院長は微笑んだ。何でも、ビルカインが昼間も活動できる僕を作る計画の一環で、手っ取り早く特殊な吸血鬼が出来ないかと妊婦を吸血鬼化させる実験が行われたらしい。
妊婦を吸血鬼化させるという特殊な状況なら、胎児が日光や銀等の弱点を持たない特殊な吸血鬼として誕生するかもしれないと考えたのだろう。
しかし殆どの妊婦は流産し、唯一誕生した院長は吸血鬼では無くダンピールだった。
その後彼女が始末されなかったのは……ビルカインが予定外とはいえ自らの計画でダンピールを創ってしまった事を、テーネシアやグーバモンに知られるのが嫌だったのか。計画が何の成果も無く終わるのを認められなかったのか……。
とにかく、院長は瞳が紅い方の目を潰された後洗脳され、子供の頃は孤児院の子供として他の子供を見張り、大人になってからはダンピールである故に老けない顔に薬で皺やたるみを作り、モークシーの町で孤児院の院長をしていたそうだ。
「だからいつも手袋をして顔以外の肌を見せず、俺では無く母さんの方にばかり話しかけていたんですね」
今は一月で雪も時々降るくらい寒い季節だし、ヴァンダルー自身が率先して子供達と遊んでいた為違和感は覚えなかったが、今考えてみると彼女は確かにヴァンダルーから距離を取っていた。
恐らくビルカインは、ヴァンダルーが何らかの方法でホリー院長の顔と身体の年齢が合わない事に気がつき、そこから自分の計画が露呈する事を危惧したのだろう。
「そのようですね。命令された時は、何故なのか理由を考えようとも思いませんでしたが……」
「私も気がつかなかったわ。背が真っ直ぐだけど、ホリー院長の歳なら珍しくないと思っていたから」
そして狙い通り、ホリー院長がダンピールだとは気がつかなかったようだ。ただ、ヴァンダルーと距離を取らせたせいで人質としての重要度が薄れたと考えたのか、礼拝堂では彼女よりセリスやベストラを前に立たせていたが。
「ヴァンダルーさん、今朝まで私はセリスとベストラの三倍近く生きていると思い込んでいましたが、何と二人は私の倍も年上だったのですよ。これからはさん付けで呼ばなければなりませんね」
「院長っ、歳の事はいいですから! これまで通りにしてくださいっ」
「私達も今朝まで自分は十八歳だと思い込んでいましたから。実際は九十以上だと思い出しても、まだ実感がわきません」
セリスとベストラは従属種でも純粋な吸血鬼であるため、歳を取らない。
ホリー院長のように薬で顔を老けさせようにも、ダンピールの【高速治癒】と吸血鬼の【高速再生】では顔が治る速度が大きく異なる。顔を維持するために薬が必要になる頻度が、ホリー院長が一月に一回に対して、セリス達だと一日に一回になってしまう。
そんな大量に薬品を供給すると、そこから足が着くかもしれない。そのため二人は「修道院から派遣されてきた新人シスター」と言う設定で、各地のビルカインの息がかかった孤児院を転々としていた。
そして孤児院を移動する度に記憶を思い出さないよう封印されて、「修道院から派遣されてきた新人シスター」に戻されていたようだ。
「……野暮な事を聞くけど、ステータスはどうやって誤魔化したの? 自分のは見られるでしょう?」
メリッサがそう質問すると、ベストラがため息をつきながら答えた。
「そうだ、ステータスは見る事が出来た。でも、正しく認識できなかった。年齢や種族、スキルに関して、ビルカインに言われた通りの内容が表示されていると思い込んでいたんだ。私達も、院長も」
ビルカインは家畜である子供達には簡単な洗脳だけで済ましたようだが、院長やベストラ達道具には念入りに洗脳を施したらしい。
「奴の事ですから、いつか正気に戻した時自責の念に苦しむ姿が見たかった等、そう言った理由で記憶を消さなかったのでしょう」
「でしょうね。本当は【魔王の影】だったらしいけれど、そういう奴よ、あいつは」
グファドガーンとエレオノーラがそうビルカインについて断言する。事実、洗脳が解けた時彼女達が自殺まで考えたのだから、二人の予想は外れてはいないだろう。
「それより、これからということは……もう自殺するつもりはないと信じていいですか?」
ヴァンダルーの問いに、彼女達は静かに頷いた。
「私達が泣いていると、子供達まで泣き出してしまって。それを宥めるのに必死になっていたら、タイミングを逃してしまいました。
何をどうしても、私が犯した罪は変わらないのですが……女神は自殺を禁じていますからね」
ホリー院長がそう言うと、ヴィダの化身であるダルシアが良くできましたと言うように微笑む。
「私とベストラは自分を傷つけようとするのをお互いに止めるのに必死で、もう何が何だか分からなくなってしまいました」
「子供達に、喧嘩しないでと止められる有様で……とても九十代とは思えないだろう? それに……冷静になった今なら分かるけれど、死んで償う事を君達はさせてくれないんだろう?」
「勿論」
ヴァンダルーはセリス達がどうしても死んで償うつもりなら、【精神侵食】で洗脳するか、死んだ後アンデッド化させてでもこの世に留めるつもりだった。
悪いのは彼女達を操ったビルカインで、彼女達に罪は無い。それにこの世界には地獄も天国も無いのだから、死んだとしても自分の命一つ分の償いにしかならない。
そしてヴァンダルーは、法の守護者でも無ければ平等な審判者でも無い。ただただ己の感情のまま君臨する支配者である。
「罪の意識があるなら、贖罪に付き合いましょう。十年でも、百年でも、気が済むまで。
あなた方を殺そうとする者がいれば、それが何者であれ、あなた自身だったとしても止めましょう。
っと、言う訳で早速行きましょうか」
「え、早速って何処へ……」
「ビルカインの腹心の霊に聞きだした、ビルカインの拠点に。その後は幾つかの孤児院や鉱山や娼館に。グファドガーンの力で移動すれば、すぐ回れます。
放置しておいてもこれまで通りの経営を続けそうな場所もありますが、逆に危険そうな施設もありますからね」
「行ってらっしゃい、ヴァンダルー。屋台と明日のご馳走の方は母さんに任せて!」
「姉ちゃん達どこか行っちゃうの!?」
「大丈夫ですよ、新しいお友達を連れて戻ってきますから」
「では、まずビルカインのアジトへ向かいます」
戸惑う三人を連れて、ヴァンダルー達はビルカイン亡き今、放置すると危険そうな施設へ【転移】したのだった。
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・名前:エレオノーラ
・年齢:14歳(吸血鬼化当時の年齢 20歳 合計34歳)
・二つ名:【蝕帝の忠犬】(NEW!) 【首領の情婦】(NEW!)
・ランク:13
・種族:ヴァンパイアプリンセスナイト (深淵貴種吸血姫騎士)
・レベル:0
・ジョブ:変身剣姫
・ジョブレベル:0
・ジョブ履歴:奴隷、使用人、見習い魔術師、見習い戦士、魔術師、魔眼使い、隷属戦士、隷属戦姫、時属性魔術師、魔剣士、吸血剣士、生命属性魔術師、大魔剣士、魔闘剣士
・パッシブスキル
闇視
自己超強化:隷属:3Lv(UP!)
怪力:10Lv
高速再生:10Lv(UP!)
状態異常耐性:9Lv(UP!)
直感:6Lv
精神汚染:3Lv
魔力自動回復:10Lv(UP!)
気配感知:6Lv(UP!)
日光耐性:5Lv
色香:5Lv(UP!)
魔力増大:4Lv
自己強化:導き:4Lv(UP!)
自己強化:変身:1Lv(NEW!)
変身装具装備時攻防力強化:小(NEW!)
・アクティブスキル
採掘:1Lv
業血:5Lv(UP!)
時間属性魔術:10Lv(UP!)
生命属性魔術:8Lv
無属性魔術:4Lv
魔術制御:7Lv(UP!)
闘時剣術:1Lv(剣術から覚醒!)
格闘術:7Lv(UP!)
忍び足:5Lv(UP!)
盗む:1Lv
家事:4Lv
盾術:7Lv(UP!)
鎧術:7Lv(UP!)
限界突破:10Lv(UP!)
詠唱破棄:5Lv(UP!)
魔闘術:6Lv(UP!)
魔剣限界突破:6Lv(UP!)
高速飛行:1Lv(NEW!)
・ユニークスキル
魅了の魔眼:8Lv
ヴァンダルーの加護
・名前:ベルモンド
・年齢:約一万歳(吸血鬼化当時18歳)
・二つ名:【蝕帝の忠犬】 【首領の情婦】(NEW!)
・ランク:13
・種族:ヴァンパイアエンペラーバトラー (深淵貴種吸血鬼皇帝執事 密林猿系獣人種)
・レベル:0
・ジョブ:変身クノイチ
・ジョブレベル:0
・ジョブ履歴:狩人見習い、見習い盗賊、盗賊、暗殺者、使用人、糸使い、ストリングマスター、尾獣戦士、魔術師、処刑士、クノイチ、クノイチマスター、クノイチバトラー
・パッシブスキル
闇視
怪力:9Lv(UP!)
高速再生:9Lv(UP!)
状態異常耐性:9Lv(UP!)
自己超強化:隷属:3Lv(UP!)
魔力超回復:ダメージ:3Lv(UP!)
気配感知:10Lv(UP!)
直感:5Lv
精神汚染:7Lv
身体強化:尻尾:7Lv(UP!)
糸装備時攻撃力強化:極大(UP!)
魔力増大:2Lv(UP!)
自己強化:導き:6Lv(UP!)
自己強化:変身:1Lv(NEW!)
変身装具装備時攻防力強化:小(NEW!)
・アクティブスキル
弓術:2Lv
投擲術:5Lv(UP!)
短剣術:9Lv
業血:5Lv(UP!)
風属性魔術:4Lv
無属性魔術:3Lv(UP!)
魔術制御:5Lv(UP!)
高速飛行:5Lv(UP!)
忍び足:10Lv(UP!)
罠:7Lv
解体:4Lv
限界超越:4Lv(UP!)
家事:10Lv
操糸幻殺術:2Lv(操糸術から覚醒!)
格闘術:8Lv(UP!)
暗殺術:5Lv(UP!)
魔闘術:5Lv(UP!)
・ユニークスキル
供物
石化の魔眼:6Lv(UP!)
ヴァンダルーの加護
・名前:アイラ
・年齢:約三万歳
・二つ名:【蝕帝の猟犬】 【首領の情婦】(NEW!)
・ランク:13
・種族:ヴァンパイアチェインロードゾンビ
・レベル:0
・パッシブスキル
闇視
状態異常耐性:10Lv
剛力:3Lv(UP!)
高速再生:8Lv(UP!)
精神汚染:8Lv
殺戮回復:10Lv(UP!)
直感:6Lv
能力値強化:忠誠:ヴァンダルー:10Lv(UP!)
気配感知:2Lv
自己強化:導き:5Lv(UP!)
自己強化:変身:1Lv(NEW!)
変身装具装備時攻防力強化:小(NEW!)
・アクティブスキル
業血:5Lv(UP!)
水属性魔術:8Lv(UP!)
火属性魔術:8Lv(UP!)
無属性魔術:4Lv
魔術制御:6Lv
惨殺屍剣術:2Lv(剣術から覚醒&UP!)
変鎖鎧術:1Lv(鎧術から覚醒!)
限界超越:2Lv(限界突破から覚醒!)
高速飛行:5Lv
追跡:9Lv
拷問:6Lv
指揮:4Lv
家事:2Lv
連携:5Lv(UP!)
騎乗:2Lv(UP!)
格闘術:3Lv(UP!)
・ユニークスキル
変幻:7Lv
ヴァンダルーの加護
・ジョブ&種族解説 ルチリアーノ著
今回エレオノーラ達がジョブチェンジしたジョブとランクアップした種族は、当然だがすべて新ジョブで新種族である。
恐らく、師匠が渡した変身杖……変身装具が関係しているものと思われる。
ちなみに、ジョブチェンジはヒヒリュシュカカとの戦闘に勝利した後に行われている。
11月12日に224話を投稿する予定です。