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四度目は嫌な死属性魔術師  作者: デンスケ
第八章 ザッカートの試練攻略編
192/515

百五十五話 骨刃と、残りは十。

 武の道を歩む事、約十年……思えば長い時間を費やしてきた。鼠に換算すると寿命五回分ぐらいか。

 骨人はそう過去を顧みながら騎乗しているアンデッド化した馬の骨、スケルトンホースを敵に向かって歩ませた。


「話に聞いていた通り、アンデッドが出たぞ。黒い鎧のスケルトンナイトだ!」

「後ろにゾンビやリビングアーマーもいる、ジェネラルかもしれねぇ! 油断するな!」

 警告を無視し、主人であるヴァンダルーから守るよう命じられた陣地に踏み込んできたのは、統一されていない武具に身を包んだ、百人程の傭兵らしい男達。


 元マルメ公爵軍のアンデッドが言うには、傭兵ギルドでは怖いもの知らずで、十分な報酬が支払われればどんな戦場にも赴く猛者揃いと恐れられる『鉄錆兵団』という傭兵団らしい。多少数が多いが、三分の一から半分は臨時に加えられた傭兵だろう。

 団の名の由来は、数多の敵の返り血を浴びるため、戦場で遭遇するといつも鉄が錆びたような臭いがすると言われているからだそうだ。


『カカッ』

 随分と大層な由来だ、名前負けしているとしか言いようがない。傭兵達に彼等が殺したのだろう、一般人にしか見えない霊の姿を見た骨人は、歯を鳴らして嘲笑った。

 カカカ、ググッ、クケケ。彼が率いるアンデッド達にも、その笑いが伝播していく。


「こいつ等、哂っているのか?」

「いちいち取り合うな、高くてもランク4か5のアンデッドだ! 俺達の腕と数の敵じゃねぇ!」

 名前負けしていると骨人に笑われた『鉄錆兵団』の傭兵だったが、名前が知られる程度には高い練度を持つ傭兵団だ。

 冒険者ギルドの等級に換算すれば、全員がD級以上、そして幹部以上の団員はC級冒険者相当の実力者が揃っている。


 何より集団戦を得意としており、その力を十全に活かせばアースドラゴンぐらいなら討伐できる戦力を持っていた。

 そして高い練度と士気、装備を保つために、平時においては名を隠して山賊として稼ぐ集団であった。


 だから高い金で「レジスタンスに拉致されたマルメ公爵の奪還」という依頼を受けたのだ。自分達が本命の密偵や斥候が侵入するための囮、陽動として利用されている事を知りつつ。

 大人しく囮として全滅するまで戦うつもりはない。依頼達成の条件が「公爵本人の身柄、若しくは有力な情報の入手」と適当だったので、適当に暴れてレジスタンスの数人も生け捕りにして連れ帰れば、それで十分。


 所詮囮なのだから雇い主も大きな期待はしていないはずなので、面目が保てる程度の成果があれば五月蠅い事は言わないだろうと傭兵達は考えていた。

 そして、それが出来る実力が自分達にはあるとも考えていた。


 既にマルメ公爵軍が精鋭を含め千を越える犠牲を出している事を、彼等は知っていた。他の傭兵団が幾つか壊滅している事も聞いている。

 だがそれが何だ。


 お貴族様に率いられた、本物の戦場を経験していない内地から遠征してきた弱卒の中の精鋭が何千人やられても、他の格下の傭兵団が幾つやられても、自分達真の猛者が同じようにやられるはずがない。

 傭兵団には冒険者並に魔物を相手に稼いだ経験がある者も、対アンデッド用装備も揃えて来た。

 負けるはずがない。


『盾構え、その場に待機』

 そんな自信過剰な傭兵達を相手に、配下の粗製アンデッドには防御を固めさせるが、骨人自身は一騎で近づいていく。


「射ろっ! 武技はまだ使うなっ」

 それをただの狂った故の無謀と解釈した傭兵達が、銀の矢を放つ。アンデッド用の矢を受けて倒れる骨人の姿を傭兵達は予想した。


 実際、骨人は崩れた。頭蓋骨、両の腕、肋骨に至るまで腰から上の骨全てが、鎧と共にバラバラに成ったのだ。

「はっ、ただの雑魚……か!?」

 そう罵る傭兵団の頭だったが、骨人はバラバラになったまま地面に落ちず宙に留まった。


『ヂュオオオ!』

 そして浮かんだ骨が、突如加速して傭兵達に向かって襲い掛かった。

 傭兵達は咄嗟に盾を構え、若しくは武器で飛んでくる骨を叩き落そうとした。しかしそれらを骨人のパーツは巧みに掻い潜り、尖った骨で傭兵達の首や目を貫き、鎧による打撃で頭部や胸部を砕いて行く。


 傭兵達もアダマンタイトやミスリル製程ではないが上質な防具を纏っているのだが、骨人の骨は彼が獲得したユニークスキル、【骨刃】により鋼の武具より鋭い刃と切っ先を持つ骨の武具に変化していた。


『私は悟った。ラヴォヴィファードに狂わされたあの時、異常に高まった殺意と破壊衝動のまま、全身の骨を分離して攻撃した。あれこそが私が至るべき武の境地だと!』

 『解放の悪神』によって狂乱した骨人は、全身の骨を分離し、【霊体】と【遠隔操作】スキルの効果を最大限発揮して、バラバラに成ったまま戦うというスケルトンにあるまじき攻撃方法を実行した。


 その時はラヴォヴィファードを攪乱する事は出来たが、結局大きなダメージを与える前に頭蓋骨以外の骨を砕かれてしまった。

 しかし骨人は戦いのあと、これこそ自分にとって最高の戦法だと開眼し、修練を重ねて来たのだ。


「狼狽えるな、叩き壊してバラバラにしてやれ!」

「馬鹿野郎っ! もうバラバラになってるだろうが!」

 バラバラに成る事でスケルトンに本来有効な攻撃方法、関節を砕いて分解する等を無効化する事が出来、敵を攪乱する事が出来る。


 だがそれ以上に有効なのが、攻撃手段の多様化と同時に出来る攻撃数の増加だ。

『【四段突き】、【五月雨斬り】、【疾風突き】』

 尖った肋骨による連続した刺突によって、手刀による斬撃によって、右手が握ったままの剣の疾風の如き突きによって、傭兵達が次々に倒れていく。

 傭兵達が盾を構えていようが、対アンデッド用の装備や護符を身につけていようが、骨人にとってそれらは既に誤差でしかない。


『ヂュォォォ! 主に、貴様等の魂と血肉を捧げろぉ! 【虚骨剣術】が武技、【散骨】!』

 ランク10、スケルトンブレイドデュークに至った骨人が目覚めた【剣術】の上位スキル、【虚骨剣術】の武技によって放たれる、骨刃の乱れ突きによって、『鉄錆兵団』の団長の頭部と胸部は砕け散り、骨と血肉を後ろに撒き散らした。


 骨人にとって『鉄錆兵団』の傭兵達は雑魚ですら無かった。彼等は意味のある抵抗も出来ないまま、ただ狩られていくだけだ。

「て、撤退しろ! 撤退だ!」

 聖水をかけられ身体から白煙を上げても、一切攻撃の勢いを緩めない骨人に傭兵達はやっと格の違いを思い知ったようだ。


 傭兵団の団長が倒されたと同時に、自分達の実力への自信も地に落した傭兵達が自分の命だけは救おうと我先にと逃げ出す。本来なら負け戦であっても、統制を維持したまま撤退する事が出来る練度を持つ傭兵達だったが、自分達を蹂躙する骨人への恐怖の前に、それも掻き消えてしまったようだ。

 そして骨人も、そんな彼等への興味を失った。雑魚でも向かって来るなら兎も角、背中を見せて逃げる者達では練習台にもならないからだ。


 だが見過ごす訳では無い。

『掃討せよ』

 骨人の号令に従って、それまで盾を構えて待機していた粗製アンデッド達が鬨の声を上げて傭兵達を追撃する。

 骨人が率いてきた粗製アンデッドは高くてもランク3程度だ。しかしその士気は高い。何故なら、彼等はこの旧スキュラ自治領の防衛で手柄を上げると、晴れてタロスヘイムの国民と認められるからだ。


 生前マルメ公爵軍の弱卒だった者達も、今は血に飢えた猟犬の群れだ。敗走する傭兵達は彼等の経験値に、そしてその肉と装備は新たな粗製アンデッドと化すのだ。

『ヂュウ……サウロン領の民が我々アンデッドを受け入れる度量があったのなら、主はとっくにこの地を手に入れていただろうに』


『いや、流石にそこまで求めるのは酷だと思いますよ』

 嘆かわしいと言う骨人に、一応死体を運びに来たサムが声をかける。


『サム殿、しかし来年に『ザッカートの試練』を攻略する主には時間が限られている。早くこのサウロン領をオルバウム選王国に取り戻させ、我々の自治権を認めさせなければ、面倒な事になるのでは?』

『正確には、『サウロン解放戦線』のレジスタンス達の自治ですな』


 オルバウム選王国でも吸血鬼やアンデッドの存在は認められないだろう。そう思ったヴァンダルーやチェザーレ、レジスタンス達との相談の結果、彼等はサウロン領を取り戻した後、オルバウム選王国と新しいサウロン公爵に功績を認めさせて領地を貰う事にした。


 求めるのは今ヴァンダルーが陣を敷くこの旧スキュラ自治区。そして、名目上の領主は『サウロン解放戦線』に参加している貴族の子弟や養子達になる。彼等はサウロン公爵領がアミッド帝国に侵略された際、自分達の家に見捨てられた存在だ。しかし、書類上貴族である事に変わりはない。


 そして旧スキュラ族自治区は面積こそ広いが、多くはスキュラでなければ暮らすのに向かない湿地と、スキュラ達でも持て余していた山地ばかりだ。

 ダンジョンもD級が一つで中は湿地や水辺が多い構造になっており、やはり攻略はスキュラでなければ難しい。

 そしてスキュラ族が去った今、領民もいない。


 とても採算が取れるとは思えない。


 新しいサウロン公爵にとって、与えても惜しくない土地なのだ。『サウロン解放戦線』のメンバー達の実家も、態々妨害してくることも無いだろう。

 そしてヴァンダルー達はアミッド帝国の勢力圏との間にオルバウム選王国の勢力圏を挟む事が出来、更に選王国からも干渉されにくい土地を手に入れる事が出来る。しかも、仲間が書類上は正式な選王国の貴族に成るので自分達からは選王国側に関わる事が可能だ。


 将来は更に味方を増やし、社会的に排除できない程に存在感を高めて境界山脈内部の国々を国家として認めさせ、交易などを行うところまで行ければ理想的である。


『ヂュオォ……しかし、我々アンデッドの存在を選王国の者達が認める度量があれば、そんな回りくどい事をしなくても済むのです』

 もしそうだったら、話はとても単純に成る。単にアミッド帝国と戦い、国一つ分程逆侵攻してやればいいのだから。


 そう訴える骨人の主張をサムも『確かに』と認めつつ、やはり首を横に振った。

『しかし、それが人間です。境界山脈内部の人々は例外だという事を忘れてはいけません』

 境界山脈内部の国々の人々は、簡単に骨人やボークスを含めたアンデッドの存在を認めた。それは彼等ヴァンダルーに従うアンデッド達が、他の野良アンデッドと違いコミュニケーションを取る事が可能だったからだ。


 それに境界山脈内部では、ノーブルオークやハイゴブリンなどの魔物でも「人」として認識する土台が元々あった。何より大きかったのは『ヴィダの御子』であり、神々が認める『勇者』であるヴァンダルーの存在そのものだが。


 そうした要因があった結果、ボークスや骨人達タロスヘイムのアンデッドもザナルパドナやノーブルオーク王国を含めた国々で人として認識されるに至ったのだ。

 しかしサウロン領の人々に同じ事を期待するのは流石に無理だろう。歴史的にアルダよりヴィダの信者が多い土地だが、同時にヴィダの新種族であるスキュラを自治区に押し込めるなど距離を取って来た場所だ。


 獣人や巨人種までなら兎も角、人型から大きく逸脱した外見の種族には慣れていない。アンデッドを人として認めるなんてまず無理だろう。

 【導き:冥魔道】の効果も生きている人間には効くかどうか個人差が大きいので、あまり期待できない。

 実際、拉致したマルメ公爵やその家臣達はヴァンダルーと数日毎に顔を合わせていたが、生きている間に導かれる事は無かった。


『レジスタンスの方々に間に入ってもらえば多少は可能性があると思いますが……』

『そこまでレジスタンスと関係が深い者は、一部でしかないという事ですな』

 『解放の姫騎士』の名と『サウロン解放戦線』の活躍も、サウロン領の十数万以上の人々にアンデッドへの忌避感を克服させるほどではない。


 やはり地道にやるしかないかと肩を落とす骨人と、彼を励ますサム。とりあえず戻ってきた粗製アンデッド達やクノッヘンの分身と死体や物資の回収と運搬を始める。

『緊急事態、緊急事態! 至急陛下の元にお戻りください!』

 そこに既にランクアップを果たした元粗製アンデッドがそう叫びながら駆け込んできた。


『一体何が起きた? また『邪砕十五剣』が来たのか?』

 ただ事では無い様子に骨人が聞き返すと、伝令に来た元粗製アンデッドは予想外の事態が起きた事を告げた。

『サウロン領がオルバウム選王国に奪還されたそうです!』


『……あれ?』

 近いと思っていた奪還戦は、何時の間にか終わっていたのだった。




 アミッド帝国に侵略され、何年も占領されていたサウロン領が今は亡き先代サウロン公爵の遺児を旗頭に据えた、オルバウム選王国軍によって奪還された。

 『サウロン解放戦線』のレジスタンスと、それを支持し活動を支えてきた支援者達にとって待ちに待った勝利の瞬間だ。


 しかし、迷彩済みクノッヘン砦は葬式の喪中のような空気に包まれていた。

「誠にっ、誠に申し訳ない!」

 大きな声を出しているのは、壮年の男性だ。彼の名はキューバス。レジスタンスのメンバーではないが、イリス達が『サウロン解放戦線』を結成する前から彼女達を援助してきた村の村長だ。彼と彼の村はイリスの父ジョージには何度も世話になったという、限りなくメンバーに近い支援者である。


 そのため彼はイリス達がヴァンダルーの支援を受け、アジトを旧スキュラ自治区に移した後も中心メンバー同様にレジスタンス活動に関わって来た。

 当然ヴァンダルーの事も、ジョージがカースウェポン化した事も、イリスが魔人族化した事まで知っている。


 そのキューバス村長がサウロン領に起きた信じがたい出来事を教えてくれたのだ。

 その彼の横には声を殺して悔し泣きしているレジスタンスメンバーが何人か。ボークスは呆けたように地面に膝を突き、骨人は顎の骨を地面に落したまま拾おうともしない。


 尚、ベルモンドが頬を赤くしてキューバス達から顔を背けて肩を震わせているのは、怒りや悔しさに打ち震えているからでは無く、ヴァンダルーのブラッシングを執拗に受けていたからである。


「えーっと……とりあえず、サウロン領がオルバウム選王国に戻ったのは、良い事ですよね? 後キューバスさん、とりあえず立ちましょう」

「そうね、とりあえず良い事の筈だし。この人には何の責任も無いのだし、そうよね?」


「まあ……そうだと思いますぜ」

「そのはず、ッスよね?」

 ヴァンダルーとエレオノーラに問われたデビスとハッジも、呆然としたまま頷く。


「何年もこの時を夢見て来たのに……まさか、こんな事に成るとは情けない。だがキューバス、陛下やエレオノーラの言う通り頭を下げるのは止めてくれ」

『キューバス……お前に責は無い』


 イリスはそうキューバスを慰めるが、彼女の肩は落ち尻尾はだらりと垂れ下がっていた。彼女は魔人族のサキュバスと化したため直接奪還戦に前線で参加する事は出来ない。だからせめて裏方として手伝おうとしたのだが……それだけに本当に情けなく思っているのだろう。


「ううっ、ですがジョージ様、お嬢様、儂は情けなくて悔しくて……」

『まあまあ、とりあえず状況を整理しましょうよ』

『お茶も入りましたし』

 サリアとリタに促され、今のサウロン領都と自分達が置かれた状況の整理をヴァンダルー達は始めた。


 事の起こりは、オルバウム選王国がマルメ公爵軍の混乱等を察知して、素早くサウロン領の奪還作戦を実行した事だ。動きが速すぎるので、恐らく前々から準備はしていたのだろう。それを『サウロン解放戦線』に漏らさなかっただけで。


 そして、協力してサウロン領を取り戻そうという『サウロン解放戦線』の提案を無視したままサウロン領に攻め入り、そのままアミッド帝国の占領軍を攻め落としてしまったのだ。

 そして今は亡き前サウロン公爵の遺児の一人、現選王や多くの公爵達の支援を受けた次男のルデル・サウロンがサウロン公爵位に就いた。


 彼はアミッド帝国との戦いに散った亡き父と騎士達、そして圧政に最期まで立ち向かった『解放の姫騎士』に代わって取り戻したサウロン公爵領を治め守る事を誓い、サウロン領の人々の支持を集めている。戴冠式も、数日後に問題無く行われるだろう。

 そう、ルデル・サウロンと彼を支援する選王国では、『解放の姫騎士』が死んだ事になっているのだ。


 そして旧スキュラ自治区は『光速剣』のリッケルトやレジスタンスを壊滅させた謎の魔物がうろつき、危険なアンデッドが大量発生している魔境と認定し、調査が終わるまでは冒険者でも立ち入りを禁じられてしまった。


「一体何故選王国はこのような事をしたのでしょうか? 訳が分かりません」

 頬の火照りが治まったベルモンドが、尻尾をくねらせて訝しむ。一万年の人生の九割を前の主人の隠れ家の番をして過ごしていた彼女は、見た目に反して世間知らずなのだ。選王国側が何故こんな仕打ちをするのか、理解できないのだろう。


「まず、レジスタンスがこれまで上げた手柄と、これから上げる手柄に褒賞を渡さなくて済むようにするためでしょうね」

『新しい公爵がサウロン公爵領を支配する体制作りと、公爵の家臣に配る褒美の量を減らしたくないからですぜ、きっと』

 吸血鬼としては百年も生きていない小娘だが工作員として働いた事のあるエレオノーラ、そして生前アミッド帝国の斥候兵だったキンバリーはそう説明した。


 その説明はこの場に居る大体の者が既に察している事だ。

 しかしベルモンドやレビア王女、オルビア、そしてヴァンダルーはまだ納得できなかったようだ。


『それだけの事でこんな事をするのでしょうか?』

『だよねぇ、アタシ達の力を借りた方がずっと良い筈なのに』

「世間知らずな俺達にも理解できるよう、もう少し詳しく説明してください」


「ええっと……そうね、私達が思っていた以上に選王国は『サウロン解放戦線』が今までした活躍を評価していたのだと思うわ。少なくとも、求められたらリーダーや幹部に爵位や新しい領地を与えなくてはならないとは、考えていたと思うのよ」

 何年もの間反体制活動を続け、占領軍を消耗させ混乱を招き、しかも人々からの支持もある。これでレジスタンスの活動を評価しなければ、逆に新サウロン公爵の支持が下がってしまう。


「まあ、確かに当初の予定でもこの旧スキュラ自治区を領地にして、幾人かを貴族に取り立てて貰う予定ではありましたけど……」

『ボス、あっし等の狙いを選王国と新しい公爵閣下はまだ知りやせん。それにメンバーに貴族出身者が、それも普通なら爵位も領地も継げない程継承権が下だったり、政略結婚に利用するための養子だったりする人達が何人もいたのが、この場合災いしたのでしょう』


 人間は自分の物差しで他人を測るものだ。新サウロン公爵と選王国は自分達の物差しで測った結果、レジスタンスのメンバーが褒賞に爵位と領地を求めると思い込んだのだ。

 何せ貴族家に産まれたものの本来なら家も領地も継げなかった下の子弟と、養子達が手柄を立てたのだ。当然貴族に成る事を求めるだろうと考える。


 そしてその場合彼等が求める領地は旧スキュラ領のような価値の低い土地では無く、もっと豊かで統治しやすい土地だと思うに決まっている。


「実際、前の戦争で幾つかサウロン公爵領の貴族家が断絶しているしね。それに占領軍側に本気で寝返った貴族を処断して家を潰せば、新しい貴族家の十や二十簡単に興せるのよね。流石に全部領地持ちとは行かないでしょうけど。

 それを狙っていると思われたんでしょうね」


 そう吐き捨てるように言うマイルズに、レビア王女が目を瞬かせて聞き返した。

『だとしても、無視した挙句死んだ事にするなんてするでしょうか? だって十や二十は簡単に興せるんですよね?』


「きっと、選王国側で新しい爵位と領地をどう分配するかもう決まってるのよ。アタシ、前は選王国側に居たから耳に挟んだ事があるんだけど、結構熾烈だったらしいのよ。サウロン公爵の遺児、次男ルデルと五男ヴィーダルの権力闘争」

『自分を支援してくれれば見返りを用意しますと、兄弟でそれぞれ支援者集めをしたという訳ですな』

 貴族の使用人だったサムがそう補足する。


 選王国の他の公爵領の貴族達にとってサウロン公爵領での領地は、飛び地になるので直接手に入れる価値は無い。しかし、自分達の家の次男や三男をサウロン公爵領の貴族にして治めさせるには良い話だ。自分達の一族の繁栄に繋がる。


 そのため既に与えられる爵位や領地の割り当てが決まっており、レジスタンスのメンバーに与える余裕が無かったのだろう。

 だったらこの旧スキュラ領をそのままくれれば良かったのにと思うが……それをすると英雄にこんな辺境を褒美として宛がうのかと、民草からの批判が殺到する可能性がある。

 なので、いっそ死んだ事にした方が都合良いのだ。


 そんな説明が一段落した時、悔し泣きをしているメンバーの一人……イリスに変わって『解放の姫騎士』になるはずだった侯爵家の養女だった女が口を開いた。

「それだけじゃないわ。きっとあいつ等気に食わないのよ、私達が自分達より手柄を立てられて評価されるのが怖いのよ!」

 彼女の叫びにつられたように、他の準男爵家の五男や伯爵家の末っ子も胸の内を吐きだし始める。


「俺達の実家の連中は、俺達が権力を持つのを邪魔したくて仕方がないのさ。サウロン公爵領から逃げ出す時に、見捨てた負い目があるから……」

「俺達が恨みに思って、サウロン公爵領に戻った後に何か仕掛けてくるかもしれないって。そんな事一言も手紙には書かなかったのに、邪推しやがって!」


 彼等はサウロン領から脱出した自分達の実家を通じて、選王国と連携を取ろうとしていたメンバーだ。

 『解放の姫騎士』と『サウロン解放戦線』は健在であり、旧スキュラ自治区の一部にアンデッドが巣くう魔境と化しているが、それを利用して占領軍から身を守っている。そんな真実と虚偽を混ぜた情報を伝えて。


 しかし結果的に実家を通じて占領軍が混乱しアミッド帝国やその属国からの援軍もまだ無い等の情報を、オルバウム選王国に提供する事になってしまったと悔しがっているのだ。

 それだけに裏切られたという思いが強いのだろう。


「なるほど」

 そして彼等の言葉はヴァンダルーにはとても理解しやすいものだった。自分も含めた人間は感情だけで残酷に成れる生き物だという事を知っているからだ。


 彼等の実家である貴族達の存在は、サウロン公爵領奪還作戦では大義名分の関係で小さく無い筈だ。その実家が彼等の存在を無視しているのだ。やはり見捨てた子供や養子に手柄を立てさせたくない、権力を手にされたら政敵に成るに違いない、そう考えているのだろう。


 違うのなら、最低でも「姫騎士は死んだがお前は奇跡的に生き残ったという事にするから、レジスタンスを抜け出してこちらに合流しろ」と連絡くらいするだろう。……連絡が来ても彼等がそうするかは別の話だが。


『ええと、リックの奴らが連絡を取っていた選王国の貴族とは違うんだよね? でもこの分だと次男も似たようなもんなのかな~』

 スキュラ族を占領軍と戦うための戦力に利用するために企てられた陰謀の犠牲になったオルビアがそう言うと、レビア王女も納得したようだ。


『選王国の貴族は怖いですね。ここの皆さんは違いますけど』

「確かに、ロクな奴がいない……」

 考えてみると、『サウロン解放戦線』に参加しているメンバーを除くとオルバウム選王国の貴族は酷い奴しかいない気がする。ハートナー公爵家に、レイモンドとリックの実家のパリス騎士爵家に……。


 クルト・レッグストンやクオーコ・ラグジュ達がいたアミッド帝国側の貴族と大違いだ。

 自分の中のオルバウム選王国の株が下がって行くのをヴァンダルーは感じた。


「別にフォローしなくても良い気がするけど……一応言っておくと、もしかしたら本気でレジスタンスが壊滅したと思い込んでいる場合もあるわね。

 『邪砕十五剣』が死んだのも、その後攻め込んできた公爵軍や傭兵団が殆ど生きて帰らないのも、境界山脈を越えてやってきた強力な魔物のせいだって事になっているらしいし」


「確かに、言われてみると……レジスタンスが健在だと考えるよりも、極少数の生き残りが活動を続けていると考える方が自然かもしれませんね」

 通常のレジスタンスの戦力では、とても出せない戦果だ。


『すまねぇ……俺が調子に乗ったせいだ……』

 呆然自失状態のボークスが、そう言って崩れる様な仕草で頭を下げる。

 彼はヴァンダルーが【冥導士】ジョブに就いた影響で更に増した力に調子に乗って、攻めてくるマルメ公爵軍相手に大暴れした。その際彼が発した怒号や、放った斬撃が立てる轟音が旧スキュラ自治区の外まで届いた。更に数人だが生き残りを出していたようで、ボークスの姿が占領軍に、そして更に選王国軍に伝わったらしい。


 尋常では無いアンデッドがアジトにしていた旧スキュラ自治区で暴れまわっている情報がある以上、レジスタンスも壊滅したと考えても無理はないだろう。

「しかし、外周部には明らかに人の手で設置された立札があるはずですが?」

『多分、それを立てた後に壊滅したとでも思われているのではないでしょうか? それにベルモンド、これは選王国側の行動を好意的に解釈した場合の推測ですし』


 恐らく邪魔だからレジスタンスを死んだ事にしようという者達と、レジスタンスが魔物によって壊滅したと思い込んでいる者達、両方が新サウロン公爵と選王国には存在するのだろう。


「それは兎も角、これからどうしましょうか?」

 ヴァンダルー達としてはかなり不満が残る結果だが、サウロン領はオルバウム選王国に奪還され、亡き先代サウロン公爵の遺児が、公爵の座に就いた。サウロン公爵領の大部分の人々にとっては、これでめでたしめでたしだ。

 もうレジスタンス活動は出来ない。何せ、侵略者がもういないのだから。


 勿論、『解放の姫騎士』と『サウロン解放戦線』は健在であると、新サウロン公爵の宣言を否定し、人々に真実を訴える事も出来る。

「陛下……どうやら私の次の『解放の姫騎士』を立てる必要は無いようです。これ以上の活動も……仲間やキューバス達私達を支援してくれる者達を危険に晒すだけでしょう」

 しかしイリスにはそのつもりは無いようだ。


「悔しくは有りますが、これ以上はレジスタンスでは無くただの反乱になってしまいますから」

「お嬢様っ! 儂達は構いません!」

『落ち着け、キューバス……気持ちは嬉しいが、民達も我々を支持しないだろう』

 イリスとジョージの言う通り、大多数の民は真実を訴えても支持してはくれないだろう。


 『解放の姫騎士』は正体を隠して活動してきたレジスタンスのシンボルなので、実は生きていると言い張っても民にはそれが本物なのか、それとも騙りなのか見分ける術が無い。

 それに当然新サウロン公爵を含めた体勢側は、「姫騎士を自称する犯罪者だ」と発表するだろう。


「キューバス、既に私達について口止めされているのではないか?」

 そうイリスに問われたキューバスの顔を見ると、既に選王国軍の者によって口止めされているらしい。彼以外の支援者も、同様に口止めされていると考えるべきだろう。


『畜生! こうなったらその新しいサウロン公爵って奴を叩き斬ってやる!』

 すると呆然としていたボークスが突然立ち上がってそう声を上げた。

「そうだ、このまま黙ったままなんて納得できない!」

「俺達も行くぞ!」


『行きましょう、皆さん!』

「うおおおおっ! キングに奴らの首を捧げるぞ!」

『この屈辱をルデル・サウロンの血と臓物と脳漿で清めるのだ!』

『おおぉぉん!』


 ボークスの声をきっかけに、暴発したようにレジスタンスメンバーの一部と、更にリタとサリア、サウロン領の魔境に住んでいたグールの代表達、骨人、クノッヘン、そして粗製アンデッド達が鬨の声を上げる。


「すみません、それは無しで!!」

 久しぶりに【叫喚】スキルを使用したヴァンダルーの制止が無ければ、サウロン公爵領は凄惨な地獄絵図と化した事だろう。


『何でだ、坊主!?』

「それをすると、このサウロン領を武力制圧して支配しないといけなくなるじゃないですか。オルバウム選王国との関係も決定的に悪化します。

 アミッド帝国に宣戦布告した今の状態で、オルバウム選王国とまで敵対したらやっていられません」


 この場の戦力に加えて、タロスヘイムを含めた境界山脈内部の国々の戦力を投入すれば、両大国を一度に相手取る事も不可能ではないだろう。

 しかしそれでは自軍にも大きな犠牲が出てしまう。ヴァンダルーはそこまでしてサウロン領が欲しい訳では無い。

 イリス達も、侵略者であるアミッド帝国への反抗と郷土愛からレジスタンス活動をしてきたのであって、サウロン領を自分達で支配したい訳では無い。


 それなのに残りの『邪砕十五剣』にそれに匹敵するオルバウム選王国の秘密精鋭部隊、S級冒険者『真なる』ランドルフに、ハインツ達『五色の刃』を一度に敵に回す手はヴァンダルーでも躊躇う。

 転生者達も絶対に関わって来るだろうし。


「そう言う訳です。『ザッカートの試練』に集中できる環境を整えるという目的は結果的に果たせましたし、悔しいのは分かりますが、それは別の機会に返しましょう。

 十二の内二つがダメになりましたが、まだ十残っているのですから、そこで挽回しましょう」


 オルバウム選王国には十二の公爵領がある。その内ハートナー公爵領と、このサウロン領の二つをヴァンダルーは見限る事にした。

 他の十の公爵領からマシなのを選んで、そこと交流する事でタロスヘイムの国際的な存在感を増し、何れこの仕打ちを後悔させてやればいい。


 そう考えて言ったヴァンダルーだが、キューバスには別の意味に聞こえたらしい。彼は真っ青になると再び額を地面に突けてしまった。

「ど、どうかっ、どうか村人を、儂等民草にご慈悲を!」

「……いや、別にダメになったって言っても、直接は何もしませんから」

 一応ヴァンダルーと面識があるキューバスだが、流石に大量のアンデッドを見た後だと不安に成るらしい。


『……俺達、どうなるんだ?』

『ゲギギィ……』

『てがらあ゛……』

 そして手柄を、ランクアップする程敵を倒せば国民として認められるはずだったのに、その機会が無くなってしまった粗製アンデッド達が、捨てられた子犬のような眼差しをヴァンダルーに(彼以外にはただの死人の瞳にしか見えない)を向ける。


『……私達の活躍の機会が』

『このタイミングでお預けですかー』

『ヂュオォ……』

『まあまあ、まだ『ザッカートの試練』がありますよ』

 更に落ち込むサリア達。特に骨人の落ち込み具合は酷かった。彼は上位スキルとユニークスキルに目覚めたばかりで意気込んでいたのに、活躍の機会が先延ばしになってしまったからだ。

 ついに顎だけでは無く、肩甲骨まで落ちてしまった。


「レジスタンスはこのままサウロン領に居ると危険だから、タロスヘイムに移住させた方が良いんじゃないかしら? キューバス達も生活し難くなるようだったら来てもらえば?」

「粗製アンデッドはこの旧スキュラ領の維持管理でもさせれば丁度良いわ。元々防衛戦力なんだし、ついでに棚田を放っておくのも勿体ないし」

「では旦那様、リタ達を慰めるのはお任せします」


「はーい。ほら、物理的に顎と両肩を落してないでしゃんとしてください」


 こうしてサウロン公爵領はヴァンダルーに見限られたのだった。


 オルバウム選王国の公爵領、残り十。




・二つ名解説:魔王


 神々によって付けられる二つ名。『魔王の再来』と『怪物』の効果に加えて、従えている魔物の成長や新しい魔物の創造に補正を得る。この二つ名を付けた神々がアルダ派の場合、その魔物にはヴィダの新種族も含まれる。


 また、オリハルコン製の武具を含めたアーティファクトでこの二つ名の所有者を攻撃する場合、与えるダメージが上昇する。勇者の二つ名を持っている場合、上昇量は更に増える。


 更にこの二つ名を付けた神々の加護を持つ者は、この存在と戦う時補正を得る事が出来る。

 それら以外にアルダ達神々にとって予想外の効果として、ヴァンダルーと相対した事が無い魔王の欠片も彼を本体だと認識するようになる。


 ただ『怪物』の効果は、既に名付けた対象からは十分注意を引いている上、裏社会で『魔王』の名前で擦り寄って来る者は極少数(あまりにも現実感が無いので信じないか、人の形をした怪獣として認識されるため)だろう。

 またステータスシステム的にヴァンダルーは「人間」に分類されるため、手下を作りやすくなる効果も発揮されない。



・名前:骨人

・ランク:10

・種族:スケルトンブレイドデューク

・レベル:3


・パッシブスキル

闇視

怪力:8Lv(UP!)

能力値強化:忠誠:9Lv(UP!)

霊体:7Lv(UP!)

能力値強化:騎乗:3Lv(UP!)


・アクティブスキル

虚骨剣術:1Lv(剣術から覚醒!)

盾術:7Lv(UP!)

弓術:6Lv

忍び足:3Lv

連携:5Lv(UP!)

指揮:4Lv(UP!)

鎧術:6Lv(UP!)

騎乗:4Lv(UP!)

遠隔操作:5Lv(UP!)

恐怖のオーラ:2Lv(NEW!)


・ユニークスキル

骨刃(NEW!)

ゼルクスの加護(NEW!)




・魔物解説:スケルトンブレイドデューク


 ランク9のスケルトンデュークの骨人が、『解放の悪神』ラヴォヴィファードとの戦いで【剣術】の上位スキルに覚醒し、『戦旗の神』ゼルクスの加護を得た事で更にランクアップした種族。

 順当に進めばスケルトンキングになるはずだったが、明らかに同ランクのキングよりも強力な個体になっている。


 本来なら魔物は亜人型であっても【剛力】の様な身体能力に直接作用するスキルを除いて、武術や魔術系の上位スキルに目覚める事は稀で殆ど無い。ノーブルオークやハイゴブリンなど、人間に近い知能を持つ一部の種族は例外である。

 また、生前既に上位スキルを習得している存在がアンデッド化した場合も、数少ない例外だ。


 そのどちらでも無く、生前はネズミだった霊が人骨に宿り、ランク1のリビングボーンから上位スキルに目覚めランク10にまで至った骨人の希少性は、歴史に名が残るに相応しいものだろう。




・スキル解説:骨刃


 全身の骨を刃が付いた武器と同様に扱う事が出来るスキル。実際に刺突斬撃を放てるだけでは無く、武術系スキルの効果を受ける事が出来、武技を発動させる事が可能。

 更に骨人の場合は【遠隔操作】スキルを使用し、骨をバラバラにして個別に操作して攻撃に使用している。


 【形状変化】スキルと同じ身体の形状を変化させるスキルであり、刃に特化したスキルである。

拙作「四度目は嫌な死属性魔術師」の発売日が12月15日に決定しました!

ネット小説大賞のホームページでキャラクターラフやカバーイラスト等も公開されていますので、よければご覧ください。


もし書店で見かけましたら手にとって頂けると幸いです。


後、二百万字到達しました!


12月7日に156話か閑話か、を投稿する予定です。主人公が登場できるかまだ未知数なので(汗


○追記 『魔王』の二つ名効果に、『魔王の再来』の効果を追加しました。

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