表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
四度目は嫌な死属性魔術師  作者: デンスケ
第四章 ハートナー公爵領編
110/514

四章キャラクター紹介

・ヴァンダルー


 四章終了時点で、後二ヶ月ほどで八歳に成る主人公。乳製品を手にした事により、これから身長も伸びるのではないかと将来に期待している。

 ラムダに転生してから地球で培った孤独への耐性を失っていた事に気がついたが、今では体内に蟲や植物を装備し、普段は透明に成れるレビア王女達を連れているので、全然寂しくない。


 無条件で神を自分より上の存在と考え畏れているが、それはオリジンでの死亡時ロドコルテに対して一矢も報いられなかった事が強烈な失敗体験として刻まれているため。アイスエイジに宿っていた『氷の神』ユペオンの分霊を砕いた事は、「所詮分霊だ」としか考えていない。


 尚、そのロドコルテが自分の行った疑似転生で被害を受けている事を分かっていない。アルダやフィトゥンの動きも、神ならぬ身であるため敵である事以外具体的には知らない。


 ラムダで初めて遭遇した転生者、海藤カナタを滅ぼした事に対しては特に思う所は無い。ただ、他の転生者が来たら面倒だろうなと考えている。ただ防ぐ手段も無いので、今まで通り気を付けて備えるしかないと考えているようだ。

 ハインツ達はテーネシアが倒された後レムルースの魔力が切れたため、その後は監視しては居ない。そのため、ハインツのS級昇級や、自分が成りたがっている名誉貴族に彼らが成った事は知らない。


 新たな金属の精製や魔王の欠片との融合、原種吸血鬼テーネシアの排除、そしてタロスヘイムにゴーファ達避難民と新たな住人を誘致する事に成功する。

 現在のタロスヘイムは人口四千人超で、ラムダでは都市国家としてはまだ小規模だが、そのインフラの充実度では大国の首都に匹敵する。

 ただヴァンダルー本人は無自覚なままワーカーホリック気味に働くので、あまり贅沢をしている自覚は無いようだ。


 四章で期待していたオルバウム選王国も「夢の国などでは無く、所詮ただの他国」と現実を直視したため、急速に期待感が醒めている。

 特にハートナー公爵領に対しては醒めきっており、もしアミッド帝国に侵略されても「ふーん」で済ませるか、S級冒険者がハートナー公爵領に居なければ「双方が疲弊したところで、横から帝国軍を一回くらい蹂躙しようかな」とヒットアンドアウェイを企む程度。


 現在、カプリコーンを増やし乳製品を増産するために、南の沼沢地の開拓を始めている。


 今章で加速的に人間離れしたが、あまり気にしていない。

 現在実力的には人からはみ出さない様に注意して戦うならC級下位から中位程度。

 【装蟲術】や【装植術】、舌や糸、【死霊魔術】を使って『怪物』っぷりを露わにするなら、A級上位からS級。

 そして【魔王の欠片】まで使用して一切の遠慮無く戦うなら、真にS級相当である。




・エレオノーラ


 ヴァンダルーの力に成るため武術の研鑽に励んだ結果、魔術系スキルが成長しなかった。

 ただヴァンダルーの僕として傍にいる間に、どんどん保護者っぽさが身に付いている。ヴァンダルーの母親に間違えられる度にダルシアへの申し訳なさと、「私が成りたいのは母親じゃないの! 経験も無いのに!」という怒り、そして「私、そんなに老けて見えるのかしら?」とちょっと落ち込む。


 主人が加速的に人間離れしているが、元から彼女はヴァンダルーを世界で最も恐ろしい主人と認識しているので、改めて恐れるような事は無い。

 ヴァンダルーが連れ帰った新しい僕、ベルモンドに親近感と同時に対抗意識を燃やしている。


 元第一開拓村の村長の息子、セバスを含めた五人を従属種吸血鬼化したが、実は専属の部下をアイラ達ヴァンパイアゾンビ以外は持ったことが無いので、やや扱いに困っている。

 なので、適当に「とりあえず、ジョブチェンジしながらランクを5まで上げなさい」と指示して放置状態である。


 剣術の腕を磨き、ジョブチェンジも果たしたため三章当時よりもやや強くなっている。




・ブラガ


 一人身からマリーと元娼婦のリンダの二人の嫁を娶り、リア充の仲間入りを果たした。尚、結婚式は地球で言うクリスマスの時期に行っている。

 意外としっかり家族計画を立てており、子供達が生まれたらランク4に成長するまで次は作らない様にしようと夫婦で話し合っている。

 ブラックゴブリンは素の状態ではランク2で、タロスヘイムで狩りをして生きるためには力不足だからだ。


 今は充実した夜を過ごしながら、子供が生まれたら自分が体得した殺しのテクニックを教えるのだと技を磨いている。




・名前:ブラガ

・ランク:6

・種族:ブラックゴブリンニンジャアデプト

・レベル:85


・パッシブスキル

闇視

状態異常耐性:4Lv(UP!)

敏捷強化:4Lv

直感:4Lv(UP!)

気配感知:5Lv

忍具装備時能力値強化:中


・アクティブスキル

短剣術:6Lv(UP!)

投擲術:4Lv(UP!)

忍び足:7Lv(UP!)

罠:3Lv(UP!)

解体:4Lv(UP!)

開錠:3Lv(UP!)

限界突破:2Lv(NEW!)


・ユニークスキル

人種殺し:3Lv(UP!)




・カシム


 サウロン公爵領から逃げてきた元難民で、元第七開拓村出身の冒険者。D級まで昇級したが、現在はその資格は失効している。

 同じ開拓村出身の少年同士でパーティーを組んでいて、彼は盾職兼リーダーである。

 因みに、何故盾職を志したのかと言うと、昔話で英雄の活躍を聞いて感動したからであり、その英雄が【シールドバッシュ】を初めて開発した事で知られる人物だったからである。


 それまで防御系と挑発系のみだった盾術の武技に、攻撃用の武技を編み出した功績でその英雄の名は歴史に残っている。

 何時かその英雄の様になりたいと、彼は夢見ているのだ。そのためか、まだ発動できないのにシールドバッシュと叫びながら盾で攻撃する事がある。


 現在成長期で、日ごとに逞しくなる肉体美にヴァンダルーの羨望が止らない。

 しかし、本人はハーレムなヴァンダルーに対して羨望が止らない。


 因みに実家は農家だった。




・ゼノ


 サウロン公爵領から逃げてきた元難民で、元第七開拓村出身の冒険者。現在はその資格は失効している。

 同じ開拓村出身の少年同士でパーティーを組んでいて、彼は斥候職兼サブリーダーである。


 昔から小器用で身軽だったが力仕事が苦手だったため、冒険者に成るなら斥候職だろうと決めていた。

 落ち着いた性格である事もあって、適性は高かったようだ。

 頻繁にフェスターに振り回されていて、カシムと一緒に止めるのが何時ものパターン。


 実は最初ヴァンダルーと会った時は彼をやや警戒していたが、その立ち振る舞いから「こいつ無表情なだけの子供だ」と見抜き、以後は普通に接している。……後に移住先の王様だと知って、仰天したが。


 タロスヘイムの美味しい食事に、自分が腹ペコキャラだった事を気がつかされた。




・フェスター


 サウロン公爵領から逃げてきた元難民で、元第七開拓村出身の冒険者。現在はその資格は失効している。

 同じ開拓村出身の少年同士でパーティーを組んでいて、彼は前衛兼ムードメーカーである。


 調子に乗りやすい性格で、『何でも屋』の看板娘で村の冒険者ギルド出張所唯一の職員リナに惚れている。

 極普通にヴァンダルーを子供として扱ったかと思うと、稽古を頼んだり、対人戦に対する心構えについて助言を求めたり、妙な鋭さと柔軟な頭を持つ。


 現在メキメキと実力をつけていて、リナとの仲も進行中。実は主人公属性持ちかもしれない。




・デーヌ


 通称、リンゴババァ。

 ニアーキの町で姑の嫁イビリに耐えながら果物を売りながら生計を立てて息子を育て上げ、息子が嫁をとったので「今度は自分の番」だと思ったら嫁に息子共々逃げられると言う、同情できる面もあるが自業自得な過去を持つ中年女性。


 ヴァンダルーから小銭を「ニセ金だ」と言いがかりを付けて巻き上げ、冒険者ギルドから逃亡しそのまま町から出た彼を捕まえて売り飛ばそうとしたが、その際彼の【叫喚】と【精神侵食】に巻き込まれて狂死する。

 その後、アンデッド化してハインツ達と戦い、ゾンビジャイアントの核に成る等素晴らしい奮闘ぶりを見せる。


 更にその後、彼女は『蝕王の果樹園』でヴァンダルーが見つけた、鉄の様に硬いリンゴに似た実を付けるエントに疑似転生を果たし、今では彼の体内に装備されるに至った。


 死後の方が輝いている、チェザーレと同じタイプの人。

 ただし、ヴァンダルーは彼女が生前どんな人だったか覚えていない。




・レビア


 タロスヘイムの第一王女。生前は妹と違い戦闘能力に乏しく、ミルグ盾国軍が攻めて来た時は護衛の戦士団と共に戦えない子供や老人を中心にした避難民を連れて、当時友好国だったハートナー公爵領に逃げている。

 その後裏切りによって火刑に処せられ、残った遺灰は地下墓地に放置された。


 その後無念からゴースト化し、更に成仏しようとしたところをヴァンダルーに煽られてフレイムゴーストにランクアップし、カナタを殺して更にランクアップしてブレイズゴーストに成る。

 ヴァンダルーの【死霊魔術】にとって無くてはならない存在であり、現在はダルシア以外では彼に憑いている霊筆頭である。


 気品を漂わせた美女で、優しく淑やかな性格をしている。ただ巨人種なので「細かい事は気にしない」気質も持ち合わせている。


 現在は褐色の肌等は生前と同じだが、髪や衣服が炎で出来た、脚が膝の上までしかない姿に成っている。髪や衣服は彼女の一部なので自由に形を変える事が出来、戦闘時にはそのまま攻撃手段にも出来る。


 普段は魔力を節約するためにレオタードの様な露出度が高い格好をしているが、実はタロスヘイムの巨人種は寒い冬以外は露出度が高い格好を好んでいたので、深い意味は無いらしい。

 因みに、生きていた頃は丈の長い貫頭衣(だけどよく見るとスリットが深くまで入っている)を着ていた。


 バストサイズは、大きさだけならタロスヘイムの頂点に君臨する。しかし、それは巨人種出身故に生前身長が二メートル半あったためで、比率を人種にするとタレアやバスディアとそう違わない。

 そのため、タロスヘイムのバストランキングでは話し合いの結果、番外扱いで、何故か特別顧問にされてしまった。


・名前:レビア

・ランク:5

・種族:ブレイズゴースト

・レベル:65


・パッシブスキル

霊体:6Lv(UP!)

精神汚染:5Lv

炎熱操作:7Lv(UP!)

炎無効

実体化:5Lv

魔力増強:4Lv(UP!)


・アクティブスキル

家事:5Lv

射出:5Lv

憑依:3Lv




・海藤カナタ


 ラムダに降り立った二人目の転生者。軍事訓練をそれなりに優秀な水準でクリアし、オリジンではほぼ天才級の火属性魔術と、並程度の風属性魔術を操り、選択した対象を透過するチート能力『グングニル』を持つ。

 スナイパーライフルや赤外線スコープ等が存在したオリジンでは、『ブレイバーズ』で最も高い任務達成率を誇っていた。

 災害時の人命救助でも瓦礫を透過して怪我人を助ける等、数多くの活躍をしている。


 ただし、人格は下衆と言う以外にない。


 地球に居た頃は、特別である事に憧れる平凡な学生でしかなかったが、チート能力や魔術の才能を与えられ転生したオリジンで特別である事に溺れてしまった。

 更に魔術が存在するオリジンの人々を自分と同じ人間では無く、物語やゲームのキャラクターの様に認識してしまい、他人より良い思いをしようとチート能力を活かして犯罪に手を染める。


 獅方院真理の母親が瀕死の重傷を負っていた時、その臓器を売りさばくために止めを刺すなどの行為に至るが、それもゲームで悪人のロールプレイをしているような感覚だった。

 彼のゲーム感覚は三度目の人生でも治る事無く、ステータスやスキルシステムの存在のせいで酷くなってしまった。更に転生を繰り返した結果、自分の死生観まで適当なものと化しており、「拙い事態になったらリセットすれば良い」と本気で考えるようになった。


 ラムダへの転生前にロドコルテにヴァンダルーの抹殺を依頼されるが、その報酬として科学の発展した世界での四度目の人生を要求する。

 ただそのいい加減な考えが仇に成り、道中「初見殺し」である自分のチート能力を使って無軌道な狼藉を働いたために、ヴァンダルーに自身の戦法を知られて封殺されてしまった。


 最後はヴァンダルーが魂を砕ける事を知らなかったため、再戦宣言をしてしまい、それを危険視された結果魂を砕かれ消滅した。




・ピート


 木の枝で日向ぼっこしていたら、下を通りかかったヴァンダルーに一方的にテイムされ、某怪盗並のダイブを決めたアグレッシブなムカデの魔物。

 【装蟲術】で装備された蟲一号である。


 後日、セメタリービーの舎弟的立場に成る。

 最初はランク1だったが、四章終了時にはランク4のランスセンチピードに至っている。

 ヴァンダルーの髪から頭だけ出してそのまま寝てしまったりする御茶目な一面があるが、普段巣作りや蜜や芋虫集め等の仕事で忙しいセメタリービーの姉御達に変わって、ヴァンダルーが装備している蟲の面倒を見ている……らしい。


 詳しい事はギチギチキチキチヴヴヴと顎やら羽やらを鳴らしてのコミュニケーションしか出来ないので、ヴァンダルー以外は理解できない。

 因みに、水が嫌い。


・名前:ピート

・ランク:4

・種族:ランスセンチピード

・レベル:95


・パッシブスキル

飢餓耐性:2Lv

自己強化:従属:2Lv

毒分泌(神経毒):顎角:4Lv


・アクティブスキル

忍び足:1Lv

突撃:4Lv

限界突破:2Lv



・ゴーファ


 【剣王】ボークスの一人娘。二百十三歳で、タロスヘイムからハートナー公爵家に避難したが、レビア王女と戦士団から引きはがされて、「避難の間暮らしてもらう場所に案内する」と言われて案内された奴隷鉱山で二百年こき使われていた。

 現在はヴァンダルーの若返りマッサージを受けた結果、肉体的には百歳ぐらいまで若返っている。


 姉御肌な性格で、巨人種奴隷の中では年配の者が死んだ後は纏め役の一人に成っていた。

 奴隷鉱山で三度出産するが、現在子供は息子が二人。ボークスと再会し、親子関係を再開しているが、色々な意味で変わった父と、突然できた祖父に戸惑う息子達の間を取り持つのに苦労している。


 子供の頃からレビアに憧れて、自分も王女様みたいになりたいと子供心に思っていたが、過酷な鉱山労働の結果、ヴァンダルーに「ナイス筋肉」と認められる、雄牛も絞め殺せそうな女傑に成長。実際、土の中から出てきたアースワームを絞め殺して撃退した経験がある。それもこれもハートナー公爵家のせい。


 タロスヘイムに帰還後は、「身体の調子も妙に良いし、採掘はもう暫くする気に成れないから、冒険者でもやるかね」と子供の頃に中断していた夢を再開した。




・名前:ゴーファ

・種族:巨人種

・年齢:213歳(肉体年齢百歳)

・二つ名:無し

・ジョブ:熟練坑夫

・レベル:88

・ジョブ履歴:見習い戦士、奴隷、見習い坑夫、坑夫



・パッシブスキル

筋力増強:7Lv

体力増強:7Lv

頑健:6Lv

疲労・飢餓耐性:6Lv

病毒耐性:4Lv

自己強化:隷属:3Lv


・アクティブスキル

剣術:1Lv

採掘:7Lv

農業:1Lv

限界突破:2Lv

格闘術:2Lv

枕事:2Lv




・ルチリアーノ


 冒険者で、元々ミルグ盾国で活動していたがアンデッドの研究を続けるためにオルバウム選王国に行き、ハートナー公爵家のお家騒動に端を発する貴族家の陰謀に巻き込まれて奴隷堕ちしてしまった、髭が自慢のアラサー男性。

 C級冒険者だったが、奴隷堕ちした時にその資格は剥奪されている。


 画家の家に生まれた二男で、芸術の才能には恵まれなかったが魔術の才には恵まれ、それを活かして真っ当に生きて行こうと志すが、魔術師ギルドで修行中アンデッド研究に魅入られてしまう。

 その後は法を犯さずアンデッド研究に打ち込むも、魔術師ギルドから倫理的に問題があるとして破門同然で放り出される。しかし冒険者稼業で生活費と研究費を稼ぐ、見た目以上に逞しい人物。


 因みに、奴隷堕ちされる際に被された濡れ衣以外では一切法を犯した事は無い。常にグレーゾーンを上手く歩いて来た。


 冒険者ではあるが討伐依頼やダンジョン攻略よりも、その特殊な生命属性魔術を使って貴族等から指名依頼を受ける事が多く、そのため貴族相手の礼儀作法等を習得している。同時に洗練された生活を知っており、最後の晩餐にフルコースを要求する程舌が肥えている。


 以前ヴァンダルーと遭遇した際には生命の危機を覚え恐れたが、奴隷鉱山で彼が未知の魔術を使いこなしアンデッドをテイムしている事を知ったため、弟子入りを決意。以後、ヴァンダルーのアンデッド製作の助手をしたり、彼の死属性魔術を自分の生命属性魔術で再現できないか研究したりと、充実した日々を過ごしている。


 ただヴァンダルーを「師匠」と呼ぶが、何故か彼の方が偉そうである。ヴァンダルーがそれを咎めないので、ますますそう見えている。




・ベルモンド


 原種吸血鬼テーネシアの側近、【五犬衆】の一人で【テーネシアの愚犬】だった貴種吸血鬼。

 見た目はモノクルが似合うイケメン執事だが、実際には全身に傷痕や火傷が残る、先祖にラミアの血が混じった密林猿系獣人種の女性。

 死にかけていたところをテーネシアの手の者に助けられ、恩を返そうと何度か失敗しつつも副作用に負けずに立ち上がり、貴種吸血鬼と成った。


 しかし、待っていたのは最後の隠れ家の番を、思い出したかのようにやって来るテーネシアの八つ当たりを受けながら何千年も続けると言う退屈な日々で、それを過ごす内に、自分は側近とは名ばかりの非常食に過ぎない事を察してしまった。

 そして精神を病みつつも現代の人間社会では殆ど使い手が途絶えている金属糸を武器に使用する【操糸術】スキルを独学で習得し、【糸使い】のジョブに就く等、才能は豊か。ただ、魔術的な素質は獣人種と言う出身の為か、貴種吸血鬼化後も乏しいままだった。


 慇懃な口調と態度を常に崩さないが、実際はかなりのヤンデレ。ただ他人を攻撃するタイプでは無く、ただただ自分を追い詰めていく。

 ヴァンダルーに寝返った後もそれは変わっていないが、今後に期待したい。


 手足の指、そしてさらに舌でさえ金属糸を器用に操る【操糸術】の達人だが、戦闘力では【五犬衆】最下位。

 また、傷跡と火傷で女性的な部分が無い為バストランキングでも現在最下級。

 ただライフデッド化したテーネシアボディから色々素材を移植する手術をヴァンダルーは実行するつもりである。

 切り落とされた尻尾も、猿タイプの魔物を探して移植予定である事を告げられ、顔を引き攣らせていたそうだ。




・テーネシア


 原種吸血鬼の一人であり、『悦命の邪神』ヒヒリュシュカカを奉じる者の内では最も戦闘力に優れていると評された存在。

 魔王グドゥラニスの欠片である【魔王の角】を体内に持っており、それを切り札にしていた。


 ただヴァンダルーの大雑把な作戦に踊らされ、ハインツに追い詰められ、逃げた先で待ち伏せされて首から下を獲られ、最後は【魔王の角】と【石化の魔眼】を奪われる等散々な目に遭い、こいつにだけは殺されたくないと逃げ出してハインツに止めを刺されるも、結局霊を【降霊】され情報を全て引き出された上に、魂を砕かれる。

 四章で最も不幸な目にあった人物。


 彼女が創りだしたアンデッドで残っていたのはどれも、彼女の依存症にまで達していた歪んだ欲望を満たすための物で、ヴァンダルーが求める戦力的な実用性は無かったが、幾つかは調整を受けてタロスヘイムに加わっている。

 ヤマタもその一体である。

 残りは存在するだけで痛みを感じる等構造上の問題が大きすぎるか、別の形に成りたいと希望したので身体から霊を抜かれ、疑似転生を待っている。




・フロト


 開拓村を巡教するアルダ神官を装った、ルーカス派の雇われ工作員。役目は各村の情報収集で、ヴァンダルーが現れなければ上手く事も運び、後少しで完了と言う頃にゴブリンキングの群れに襲撃されて開拓村ごとゴブリンの食料にされていただろう。

 ある意味ではヴァンダルーのお蔭で多少寿命が延びたといえる。


 研究者としてはそこそこ出世できる人物だったが、運悪く上司に嫌われてしまい閑職に追いやられてしまった過去があり、そのため出世に固執している。


 ただその末路は蟲を寄生させられ、ヴァンダルーの体内で全身を蟲に這い回られる感覚を味わい、その後ルチリアーノの実験サンプルにされ、残りは人知れず蟲のご飯に成る。


 尚、ヴァンダルーがフロトの正体に気がつかなかったのは、フロトが工作員として優秀だったからと言うより、ヴァンダルーの目が節穴だったからである。




・カールカン・ラッセン


 ハートナー公爵家に仕える騎士の家出身の、平均的な騎士。ただ野心は大きく、それを叶えるためにルーカス公子の派閥に着いた人物。

 ベルトン公子主導の開拓事業を潰す裏工作を任されるが、ヴァンダルーによって次々に失敗に終わり、それに焦って工作の中止を命じられていたにもかかわらず暴走。部下ごと玉砕してしまう。


 因みに、ヴァンダルーがハートナー公爵領に来なければ彼が何もしなくても開拓村はゴブリンキングの群れに襲われて消滅していた。ただ、その場合は奴隷鉱山やニアーキの町もどうなったか分からない。

 死亡後魂は砕かれていないが、印刷機ゴーレムにされてしまった。




・ベルトン・ハートナー


 ハートナー公爵家の次男として生まれるが、本妻の息子であるため継承権第一位を持っていた。

 鋭さは無いが人に好かれそうな柔和な顔立ちをしている。しかしその内面は、目的のためには非情な手段を執る陰謀家である。

 貴族でなければ人間に在らずとまではいかないが、平民は自分達貴族のために尽くす事が正しい姿であり、平民を効率良く使う事が王侯貴族の義務だと考えている。


 因みに、難民等は自分の民ではないと考えている。ただ頑張って生計を立てれば、民に加えてやっても良いとは思っている。


 自身の支持者だった魔術師ギルドのギルドマスター、キナープが暴露したスキャンダルにより、側近に人類の裏切り者が居ることが発覚。

 その後様々な関係者を謀殺し、ハインツを利用したイメージ戦略を行うが、家督争いからは身を引く事になった。


 ただ公爵家の分家として公爵領の運営には関わり続けるので、本人は「私は無理でも私の子に託せばワンチャンあるな」と企んでいる。




・ルーカス・ハートナー


 ハートナー公爵家の長男だが、妾の子だったために継承権二位だった人物。

 鋭い顔つきの武人然とした人物だが、四章終了後に城の修繕や赤狼騎士団の後始末や隠蔽工作、新たな砦の建設事業などで苦労が続き、一気に老ける予定。


 四章最後、盛大に虎の尾を踏み抜くような事をしたため抱いている危機感は半端ではない。ただ、その危機感の結果建てられる砦が、ヴァンダルーにとって何の意味も無い(ダンジョン転移であっさりスルー出来る)事を知ったら総白髪の危機である。


 ヴァンダルーに会ったら、耳から鉤爪を突っ込まれて奥歯をガリガリされるかもしれない人。




・パブロ・マートン


 赤狼騎士団団長。

 百人の騎士を連れて乗り込んだが、必要な兵力に桁が一つ足らなかったと言う人物。

 ヴァンダルーと一対一で問答をした、ラムダでは貴族階級としては常識的な人。


 生け捕りにされて晒し者にされた挙句、ルチリアーノのモルモットにされ、部下のカールカンと共に印刷機ゴーレムにされる。




・ハインツ


 オルバウム選王国で活動するうちに、ヴィダの新種族の存在を(人間に対して無害なら)認めるアルダ融和派こそ正しいと確信した、ヴァンダルーの復讐対象の一人。

 【緑風槍】のライリーと別れた後、オルバウム選王国に活動拠点を移すが、エルフの女精霊魔術師マルティーナを挑戦した『ザッカートの試練』で喪う。


 現在のパーティーメンバーは斥候職のエドガー、盾職の女ドワーフのデライザの二人に加えて、格闘士のジェニファー、神官のエルフのダイアナが加わった。


 ダルシアを依頼とは言えゴルダン高司祭に引き渡した事に罪悪感を覚えており、数々の葛藤の末にアルダ融和派に宗旨替えし、今では融和派の旗頭の様な存在に成っている。ダンピールの少女セレンを保護したのも、その際。

 冒険者としての本来の目的は『ザッカートの試練』の完全攻略だが、紆余曲折あって最近は邪神派の原種吸血鬼を討伐して回っていた。


 勇者の転生体や異世界からの転生者やその子孫と言う事は無く、純粋にラムダ世界産の英雄で生まれながらの天才。冒険者としての範疇に収まらない正義感と理想の持ち主だが、それを可能にする、若しくは可能だと思わせる実力とカリスマ性がある。


 ダルシアの子供が生きていると知らなかったが、ニアーキの町で見たダンピールの少年(ヴァンダルー)が実はそうなのではないかと内心では考えている。

 そしてエレオノーラをハートナー公爵領で起こった事件に関係していると考えて彼女と彼女の主を探しているが、それがヴァンダルーだとは気がついていない。


 普段の言動からアンデッドを作り出す存在を嫌悪している事がうかがえるが、それは勿論ヴァンダルーに対しての物では無く、アルダの信者としてごく一般的な考えである。

 因みに、アルダ融和派でもアンデッドは討伐、若しくは浄化する対象で共存は出来ないとされる。そしてアンデッドを作り出す行為は、生命の冒涜であり命の法則に逆らう許されざる罪だとされる。


 実力的には実質S級で、二百年前のミルグ盾国の英雄『氷神槍』のミハエルと並ぶ戦闘能力の持ち主。

 更に魔剣を含め、全身に伝説級のアイテムを装備している。




・名前:ハインツ

・種族:人種

・年齢:24

・二つ名:【蒼炎剣】 【新吸血鬼ハンター】 【剣聖】 【闇を切り裂く者】

・ジョブ:剣聖

・レベル:0

・ジョブ履歴:戦士見習い、戦士、剣士、魔剣使い、魔戦士、聖戦士、アベンジャー

・能力値

生命力:37295

魔力:12505

力:2829

敏捷:3510

体力:2700

知力:1097


・パッシブスキル

全能力値強化:大

状態異常耐性:5Lv

全属性耐性:7Lv

剣装備時攻撃力増強:大

魔力使用量減少:7Lv

気配感知:3Lv

リベンジ:ザッカートの試練

金属鎧装備時能力値増強:大

導き:聖道:1Lv


・アクティブスキル

輝神剣術:4Lv

聖光鎧術:1Lv

限界超越:7Lv

魔剣限界超越:7Lv

連携:9Lv

光属性魔術:6Lv

生命属性魔術:6Lv

無属性魔術:1Lv

魔術制御:4Lv

聖職者:2Lv

御使い降臨:9Lv

礼儀作法:3Lv


・ユニークスキル

アンデッドキラー:10Lv

アルダの加護:大英雄の運命




・雨宮寛人


 オリジンにおける転生者のリーダー。全属性適性(オリジンには時属性が無く、ヴァンダルー以外死属性の魔力を持つ者が未確認であるため、その他の七属性)や、無詠唱発動等、他の転生者に比べて強力なチート能力を数多く所有する。


 オリジンでは同じ転生者である仲間達を纏め、彼なりの考え方でブレイバーズと言う組織を立ち上げ、魔術では無い原理不明な特殊能力を持つ自分達が排斥されないよう立ち回っている。

 ただその結果オリジンでの天宮博人にそうと気がつかないまま止めを刺してしまい、更に仲間を戦地に送る事に成ってしまった。


 地球では引き籠りのニートであり、二度目の人生で与えられた力と機会に「今度こそ正しく生きるんだ!」と志を高く持った結果であり、事実数多くの人々の命を救っている。

 ただ、人は堕ちる時は堕ちるという事を見落していて、そのためカナタが裏で卑劣な犯罪行為に及んでいる事に気がつかなかった。


 今もブレイバーズを離れてテロリストグループと合流した村上を含めた十人の転生者を追っている。


 私生活では成瀬成美と結婚し、子供もいる。


 因みに、天宮博人の存在は成瀬成美が自分と勘違いして接触してくる時まで知らなかった。当然、自分が彼の分もチート能力を手に入れた事も知らない。




・リクレント


 『時と術の魔神』。無性にして無貌の存在であるが、信仰される時は三人の美女、老人と青年と少年等のシンボルが使用されるため、本人もその形状を使用する事が多い。


 ズルワーンとの雑談の中に出てきた異世界のゲームに在るというジョブとスキルのシステムを開発して実装、魔王グドゥラニス達が作り上げたダンジョン生成と運用のシステムに介入する等、ラムダ世界の重要な出来事に関わっている。

 ただ神としては人々を導く存在と言うよりも、偉大な魔術師であり研究者の祖であると言う側面の方が強い。その教義も、研究者や歴史家としての心構えを説いた物が多い。


 そのためこの神の神殿は宗教機関と言うよりも研究機関といった性格に成りやすい。又、魔術師ギルド等には必ずリクレントのシンボルや神像が飾られている。


 魔王が襲来した際には阿久津春香、後の生産系勇者アークを招いている。彼女との関係は互いにインスピレーションを与えられる存在で、神と信者では無く気の合う友人の様だった。


 後のアルダとヴィダの戦いでは、人格の無いシステムとしての従属神は中立を保ったが、人格を持ちリクレントを主神と仰ぎ続ける従属神はヴィダの味方をしている。

 更に彼女に何時かアーク(ザッカート)であった魂が戻って来る事を教えたのも、実はリクレントである。

 ある意味、ヴィダ以上にアルダとベルウッド達に反感を持っている神かもしれない。


 因みに改めてアルダ達と話し合おうとしないのは、彼らがヴィダにした仕打ちを知ったため。今の状態でアルダから攻撃されれば、再び長い時間眠らなければならないので、そんな危険は冒せない。

 そう判断する時点で、リクレントはアルダ達を既に仲間とは考えていないようだ。


 かつてアークであったヴァンダルーの目的達成のために神託を下したが、誰に何を下したのかは不明。




・ズルワーン


 『空間と創造の神』。四つの頭を持つ獅子等、異形の姿で描かれる事が多い。

 神としての性格はトリックスター的で、教義もとりとめの無い物が多い。その一方で、発明家や芸術家、職人に信仰されている。職能ギルドでは、ボティンと並んで神像を飾られているが、彼だけを祭った神殿は少ない。


 空間を司る存在である事から太古から異世界を眺める様に見る事が多く、リクレントに異世界の遊戯の話をしてジョブやスキルをラムダに実装させる切欠を作るなどした。

 始まりの十一神のアイディアマンだが、突飛な事を言い出してアルダと衝突する事も多かった。しかし、自分のアイディアに固執しないので、深刻な事態には至らなかったらしい。


 勇者を召喚する際の発案者で実行者であるため、七人の勇者全員に親しみを持っていた。

 それだけに魔王グドゥラニスとの戦争の際深く傷つき眠りに落ちた後、何とか意識を保てる程度に回復した時のラムダの状況には「何じゃこりゃ!?」と驚愕する事に成る。


 自分が発案したためにラムダで死に魂まで砕かれてしまった、かつての勇者達であるヴァンダルーのために神託を下したが、誰にどんな内容の神託を下したのかは不明。

ネット小説大賞に参加しました。宜しければ応援お願いします


4月11日に閑話8 15日に閑話9 16日に登場済み種族解説を投稿する予定です。五章は、4月19日開始予定です。


暫く閑話が続きますがご了承頂ければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] やっぱり、あの固すぎるリンゴを押し付けてたエントってあの婆ぁだったかwww あの部分読んでた時に多分そうなんじゃないかなとは思ってた
[一言] 魔王の欠片、集める気はなくても集まってしまいそうです。 ヴァンダルーくん、見た目と力は人とはかけ離れつつも、一番人らしい気もしますね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ