表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
1/19

prologue. 生徒会

ここはどこだ。

全てが黒い色で埋め尽くされた空間。

宇宙?いや、違う。

色んな人の姿が見える。

様々なできごと、色―――。

ここはどこだ。



目が開いた。

何で開いたのか。周りの音か。

目が開いた。

そこは教室だった。

俺は少し暗さの残る教室で、眠りに落ちていた。

何でこんな処で・・・。

そう考えて記憶を辿ってみると、何だか思い出してきた。

友人の沢口明が、帰っていく姿。

その後、生徒会の会議が4:30からあるとか、クラスの谷山優利香が教えてくれた。

あと1時間もあるじゃねぇか。と思って、俺は教室〈ココ〉で寝ることにしたんだっけか。

それで―――。

時計に目をやると、既に4:45分を回っていた。

遅刻。

会議に遅刻。

「マジかよッ!!」

俺は急いで教室を飛び出し、廊下を走っていった。



急いだはいいものの、さてどうしたモンか。

俺は扉の前にいる。

この中はどうなっているだろうか。

地獄か、天国か。

俺は恐る恐る取っ手を手にかけた。

開けた、その瞬間だった。

黒板消しの力を思い知った。

古典的な、扉と壁の間に挟むようなアレじゃあない。

目の前から直に飛んできたのだ。

「遅いッ!! 何分遅れてんの!!!」

「ゴホッ・・・。何も直に投げることはねェだろ!」

「遅れたアンタが悪いのよ」

そう言うと、彼女は謝る素振りもせず席に着いた。

今のを投げたのも、当然彼女である。

菅原七海〈すがわら ななみ〉。生徒会役員の会長だ。

その外見は学園でも一,二を争う容貌である。

しかし、それとは裏腹に性格はヒドい。

いつもはキチンとしてるフリをしているが、ひとたび紐を解くと、こうだ。

今日はまだいい。暴れているワケじゃあない。

これが本気になったときには・・・。

うっ・・・。考えただけで身震いしてきた。

「とっとと入りな。会議始めるわ」

冷たい声で、七海は言った。

「相変わらず冷たいっスねェ、七海先輩。香坂先輩を見習ったらどうですか?」

「ヤマト君、言いすぎだよ。先輩に失礼だって・・・」

「―――何か言った? 滝口、神奈」

彼女は鋭い目つきで二人を睨んだ。

二人は同時に、その目から逃れるように目を泳がせた。

滝口ヤマト〈たきぐち やまと〉は2年の役員。

書記の立場ではない物事を、いつも言う。

あの七海にだってあーいう口が聞けるんだ。

度胸だけは相当ある。

凄いモンだろう。

中崎神奈〈なかざき かんな〉は2年で副会長二人の片側だ。

中間的な立場で、意外とこの生徒会をまとめている。

なんというか、それも凄いといえる。

俺にはできないからな・・・。

滝口と仲がいいようだが、深い仲かどうかは知らない。

「みんなっ、・・・止めようよ。ケンカとか・・・よくないから・・・さ」

「アンタはおどおどし過ぎだよ、由紀・・・」

香坂由紀〈こうさか ゆき〉、3年で書記を担当している。

物静かで、喋るのが苦手。

顔が小さくて童顔。

典型的な内気タイプなんだろう。

あまり話したことがないからわからないんだけど。

俺は黒板消しを拾い上げると、服を叩きながら生徒会室へと入った。

「・・・でさ」

ふと、七海が口を開いた。

何だ、まだ何かあるのか?

「アンタはいつまで寝てるんだよ! 大村ァ!!!」

彼女の鉄拳が、机に突っ伏して寝ていた彼の頭を殴った。

ゴヅンという低音が響き、室内は静まり返る。

「ちょっ・・・ちょっと菅原さん・・・」

「ふぁ?」

間の抜けた声とともに、彼は顔を上げた。

辺りをキョロキョロと見回すと、ポンポンと七海の肩を叩いた。

そしてもう一度、机へと堕ちた。

「また寝てるんじゃないっての!!」

今また寝に入ったのは、大村賢仁〈おおむら けんじ〉。3年の役員。

カッコいい顔と優しい表情を持つ、いわゆるまぁ、イケメンってヤツだ。

学校へ来ると、すぐに寝に入ってしまうという凄い男。

バイトをいくつも掛け持ちしているとか。

「おい、大村。起きろよ」

「んー、もう少し寝かせてくれ・・・。椿・・・」

寝言のような声で、彼はそう呟いた。

その姿を見た七海が、また大村を殴った。

俺はそのやり取りの合間を縫って、生徒会室を出て屋上へと向かった。


俺は椿涼介〈つばき りょうすけ〉。

この生徒会の副長を担当している。

こうやって順々に説明したように、この生徒会には様々なキャラの人間がいる。

俺にとっては苦労だ、まったく。


屋上に出ると、清々しかった。

始まりは、屋上だった。


next story page1...


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ