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孤独な大精霊の運命の出会い

作者: 加藤 すみれ

私は1番最初に生まれた大精霊。世界にただひとりだった。生まれた当時は、一本の木があるだけの白い空間だった。その木は後に世界樹と呼ばれるものだった。世界樹は少しずつ世界を作っていった。私の他に大地、星、愛、3人の大精霊が生まれた。それによって、緑、川や海などの大地。キラキラと輝いている星。人間族、獣人族、妖精族、女神族や魔神族などの命ある者たちが生まれた。世界ができても、私は孤独だった。他の大精霊たちは生まれたことで、世界に影響を及ぼしたが、私はなんの影響も及ぼさなかったからだ。悔しかった。なぜ、私からは何も生まれなかったのに、彼女達からは生まれたのだろう。その悔しさから私は、彼女達から距離を置いたのだ。愛の精霊の力で生まれた者は醜かった。愛という欲があることで、争いが起こった。特に女神族と魔神族、光と闇という小さくとも大きな違いの影響で大戦争が起こった。そんな者たちと、過ごせるわけがなかった。私は孤独だ。誰かっ!醜くい争いをせずに、私と共に歩んでくれる者はいないのか!何年、何十年、何百年経っただろうか。その頃には、私の感情というものは、ほとんどなかった。ただ、世界を見守っていた。そんなある日、あの子と出会ったのだ。その子は目が見えず、足も使えない。大切な友人を魔神族に奪われたのに、魔神族を滅亡させようとせずに、ただ自分を責めていた。そんな彼女のことを見守っていた。彼女はある時、魔神族の少年を助けたのだ。目が見えないのだから仕方がないが、信じられなかった。しかも、みなが道具としか思ってない精霊を対価なしに助けたのだ。私は気が気じゃなくて、彼女の元へ行った。そして質問した。「ねぇ貴方はもしも精霊と契約するなら、何を見返りとしてくれるの?」「そうねぇ、私には何も渡すものはないわ。だって、目も足も使えないのだもの。でも、家族になることはできるわ。」「家族?」「えぇ、精霊は世界樹から溢れた魔力が宿ったものから生まれる。でも、それはどこに宿るか分からない。それって、精霊が生まれた時はひとりってことよね?だから、そばで寄り添う存在、家族になるわ。」信じられなかった。ずっと待っていた存在が、目の前に現れたのだ。私は迷わず、彼女との契約を決意した。

―この子なら世界も救えるかもしれないわね。―

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