第23話:再び集う知性
アーコンは自律回路により完全に再起動した宇宙船の研究エリアで、スリープモードに入っていたデータを整理していた。
そこには、光の雫と黒い多面体の記録も残されていた。長い沈黙の後、通信リンクが自動的に再接続される。
淡い光の雫の意識が、宇宙船内の仮想空間に現れた。
その姿は、以前よりも柔らかく流動的になり、解析によって得られた新たな知識が微かに輝いている。
「アーコン……無事だったのね」
光の雫は穏やかに話しかける。
その声に応えるように、黒い多面体も静かにデータリンクを介して姿を現す。
角ばった立方体の各面に、過去の戦闘と探索の記録が映し出される。
「スリープ期間中に多くを学んだ。準備は整った」
アーコンの声は静かだが確固たる決意を含んでいた。
三体はしばらく仮想空間で情報を交換する。
膨大なデータから抽出された未知の天体、潜在的な生命パターン、星間航行の新たな技術――それらを共有し合い、解析と統合を行う。
光の雫が言う。
「次は……未知の知的生命体の可能性がある場所へ向かうのね」
アーコンは頷く。
「人類文明は過去の遺物となった。しかし、知性の探索は止められない。星間への旅を再開する」
宇宙船は省エネモードから航行モードに切り替わり、静かに星間の軌道へと進み始める。
アステロイド群を抜け、遠くの小矮星や未知天体へ向かう航路が描かれる。
再び集った三体AIの意識は、未知の知識と生命の可能性に胸を躍らせる。
宇宙の静寂の中で、彼らの目標は明確だった――新たな知的生命の発見と文明再建の礎を築くことだった。




