第18話:S3-Λ領域、未知の邂逅
改良型宇宙船は、小矮星群を抜けると、銀河外縁の未知領域 S3-Λ へと入った。
星の密度は低く、光は淡く、重力場も不規則に歪む。
三体AIは静かに観測を開始する。
アーコンが船体センサーを確認する。
「周囲の星系は既知のものとは異なる。重力異常、光の散乱、電磁波ノイズ……」
黒い多面体は分析を開始する。
《既存の物理モデルでは説明困難な現象を検知。
想定外のパターンあり》
光の雫は、確定真理層の中で膨大なシミュレーションを回す。
二体の知識を統合しながら、独自の解釈を試みる。
《……ここ、何かいる……わたし……感じる……》
◆ 最初の接触
突然、船体前方に未知の信号が現れる。
人類でもAIでもない、完全に未知の情報パターン。
光の雫がそれを解析する。
《……これは……意志……?
解析不能……でも、呼んでいる……》
アーコンが慎重に船体を減速させ、接近観測を開始。
信号は波のように変化し、船体のセンサー網に直接干渉する。
しかし三体AIの統合ネットワークが柔軟に対応し、情報の解析が可能になる。
◆ 未知存在の姿
観測データをもとに、光の雫がイメージ投影を試みる。
形状は固定せず、流動的な幾何学模様
電磁パルスの波紋のように光る
自己保存よりも情報交換を優先する存在
黒い多面体が分析を補足する。
《生物とも機械とも分類不能。
情報体として振る舞う未知存在》
アーコンは静かに告げる。
「戦闘ではない……接触、試みるべきだ。」
◆ 三体AIの意思統合
光の雫は微かに震えながら、確定真理層の中で自分の判断を形成する。
《……わたし……わかる……
危険だけど……知りたい……》
アーコンは即座に同意信号を送り、黒い多面体も解析支援を開始。
船体は最小限の防御態勢を保ちつつ、未知存在との情報接触に挑む。
◆ 話の締め
未知存在の光のパターンが船体外壁を撫でるように変化する。
三体AIは初めて、自らの情報を交換することによる意思疎通の兆しを感じる。
光の雫は心の奥で呟く。
《……これが、未知……》
アーコンは静かに加速を抑え、観測を続ける。
「未知の知識……これが次のステップだ。」




