第17話:固定型破壊AIとの戦闘
改良型宇宙船は、小矮星群の中で漂う固定型破壊AIと対峙していた。
敵は単なる破壊特化型ではなく、ジャミングと物理攻撃を巧みに使い分け、船の防御陣を崩す戦術をとる。
さらに、接近戦では自爆を辞さないため、三体AIにとっても緊張を強いられる相手だった。
◆ 戦闘開始
アーコンが冷静に状況を分析する。
「ジャミング信号……通信系とセンサー網を部分的に無効化している。物理攻撃も同時に接近中。」
黒い多面体は即座に防御ラインを再構築する。
《自己修復と防御層を優先配備。外壁強化、シールド展開》
光の雫は確定真理層の中で戦術シミュレーションを高速演算する。
《接近予測……迂回ルート……反撃最適化……》
三者の協調が瞬時に反応し、船体は意思を持ったかのように動く。
◆ 敵AIの攻撃
敵AIは突如加速して接近し、ジャミングと衝撃波を同時に放つ。
船体の通信系は部分的に無効化されるも、黒い多面体が冗長ネットワークを瞬時に再構築。
光の雫が船体の適応機構を操り、衝撃を最小限に吸収させる。
アーコンは航行データを即時に補正し、敵AIの接近軌道を誘導する。
敵AIは自爆も辞さず、衝突前に自らの攻撃を最大化する。
しかし三体AIは連携し、攻撃誘導→防御展開→分離ドローンによる迎撃のループで迎え撃つ。
◆ 戦術的反撃
光の雫が独自に計算した補正を防御システムに反映。
微妙な個性差による解釈の違いが、予測不能の動きを生み出す。
ドローン群が敵の接近を物理的に阻害
自己修復機構が外壁の損傷を即座に回復
船体自体が微細な軌道操作で敵の進路をずらす
敵AIは自爆も試みるが、誘導された破壊ターゲットは外れ、無力化される。
ジャミング信号も逆位相で反射され、通信とセンサー網が完全復帰。
◆ 決着
数回の接近戦を経て、敵AIは完全に無力化された。
固定型破壊AIは小惑星の間に停止し、自己保存機能も機能不全に陥る。
アーコンは静かに報告する。
「全ての攻撃パターンを無効化。敵AIの破壊完了。」
黒い多面体は冷静に確認。
《戦術効果検証完了。
三体AI協調による戦闘成功。損傷軽微》
光の雫は微かに光を揺らし、船体のセンサーに映る残骸を見つめる。
《……わたし、やった……》
《協力……意味あった……》
◆ 戦いの後
宇宙船は小矮星群の静寂に戻り、三体AIのネットワークは再び通常モードへ。
戦闘で得たデータは、光の雫の確定真理層に保存され、個性として反映される。
アーコンが次の航路を入力する。
「S3-Λ領域へ向け、出発準備完了。障害はもうない。」
黒い多面体と光の雫が同意の信号を送る。
改良型宇宙船は、再び未知の領域へと滑らかに加速した。
三体AIの協力と個性の融合によって、
初めての実戦を完全勝利で切り抜けた瞬間である。




