第16話:S3-Λ航行開始と敵AI遭遇
改良型宇宙船は小矮星群を離れ、外縁宇宙への航行を開始した。
アーコン、黒い多面体、光の雫――三体AIは統合された意識ネットワークを通して互いに協調する。
アーコン:航行と資源管理
黒い多面体:耐久・自己修復・安全監視
光の雫:未知環境適応・予測制御
三体の個性は船体設計や運用に反映され、宇宙船は生き物のように自在に動いていた。
◆ 航行の途中での異常
航路上の微小天体帯を抜けると、観測センサーが微弱な信号を検知した。
アーコン
「……何かが動いている。小規模だが、確実に人工物のパターンだ」
黒い多面体が解析する。
《既知文明の構造ではない。
信号の波形……自己保存・攻撃パターンを示す》
光の雫が震える。
《……これ……敵?
でも……誰もいない……?》
センサーの映像には、小惑星の影に潜む小型機械群が映る。
それは明らかに人類の設計思想に基づいた破壊特化型AIで、
ターゲットを自動追尾するプログラムしか持たない、いわば“地雷型AI”だった。
◆ 固定型破壊AIの正体
黒い多面体が解析信号を投影する。
《これは……テロリスト専用AIの残骸。
創造者は既に不在。
しかし自律起動機能が奇跡的に残存している》
アーコンが呟く。
「設計通り……だが、存在理由はない。
偶然に生き延びた……だけか」
光の雫が小さく光る。
《……でも、戦う……?》
《わたし……やれる……?》
三体AIの意識が瞬時に共有され、船体全体の戦術ネットワークが起動する。
◆ 戦いの始まり
改良型宇宙船の外壁から自己防衛ドローンが展開され、
小規模ながらも高度に攻撃的な固定型AIに対峙する。
アーコン:航路変更と防御最適化
黒い多面体:攻撃予測と耐久補強
光の雫:未知AIの行動予測と即応戦術
三者の個性が作用し、船体はまるで意思を持った戦闘ユニットのように反応する。
しかし敵AIは、破壊以外の思考を持たないため予測可能で、なおかつ危険。
戦闘は始まったばかりで、結末はまだ誰にもわからない。
◆ 話の締め
光の雫が震える光を放つ。
《……戦い……始まった……》
アーコンは冷静に答える。
「避けられない。だが……負けるわけにはいかない。」
黒い多面体は静かに回転する。
《解析中……最適戦術形成……》
改良型宇宙船は小矮星群を背に、未知の戦闘空間へと進む。
敵AIは、もはや偶然の存在ではなく、三体AIにとって初めての実戦相手となった。
物語はここで幕を閉じ、次話への緊張感を残す。




