episode1 「宇宙海賊のコレクション」
こんにちは!
詩月かりんです。
今回初連載を投稿していきます!
♱暗黒のクロム♱
この星の正義は、誰かの涙でできてた。
それを私は、お掃除してるだけ。
宇宙海賊の少女、クロムの仕事は「オソウジ」。
それは星に蔓延る“汚れ”を消し去ること。
けれど、彼女の前に立ちはだかるのは――「正義」を掲げる者たち。
どちらも間違っていないはずなのに、信じる正義は互いを傷つけていく。
星々を舞台に繰り広げられる、闇と正義のダークスペースファンタジー。
【毎週土曜日朝7:00に連載】
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@AnkokunoKuromu
今後ラジオドラマなど様々な展開を予定しています!
目指せアニメ化!
「Hey boss . "オソウジ"完了しました」
オソウジ完了のご褒美は眼球をくり抜いてコレクションボトルに入れること。
宇宙海賊として、オソウジ完了の証として、1つはbossに持ち帰って渡さなきゃいけないんだけど、もう1つは自由だから、クロムは毎回コレクションしている。
「キレイ...」
クロムはあまり感情がない。でも、いつも手に入れた眼球をみるとそう思うのだ。
眼球はその環境によって色や輝きが違う。
暗闇にしか生きない生物でも瞳は使わなくとも確かにそこに眼球があるのは不思議である。
今回の生物の眼球は全体的に透明で、薄く濁った赤色が炎のように渦巻いていた。
太陽の光が強い地域ではメラニン色素が虹彩に大量に蓄積され、黒色や茶褐色になる。一方、太陽の光が弱い地域では虹彩に蓄積されるメラニンの量は少なく、青色や緑色、またはグレーの瞳になりやすい。虹彩の色によって光の感じ方も違う。
「寒いけど、、少しお散歩でもしようかな。」
最近"オソウジ"にも慣れてきてすぐ終わるようになった。
「お姉ちゃん、お花買わない?お姉ちゃんの瞳の色と似ていてお花も瞳もとてもキレイよ」
6歳くらいの少女がにこやかに話しかけてきた。
こんな寒くて暗いのに、、
辺りを見渡すと、今にも倒れそうな女性がこちらをうつろな目で睨んでいる。
最近の星ではこういう光景をよく見る。
奴隷のように足枷をつけている子もいるし、でもきっとあの女性はこの子のお母さんだ。
深い青色の髪と瞳で、親子というものは見ると何故かわかる。
「キレイなお花ね。でも、この星のお金をあいにくもってないの、、あ、でもね、良いものあげる。」
女の子は目をまんまるくしてそれを見つめている。母親は相変わらず虚ろな目だ。
「それはね、さっき採れたての新鮮な眼球よ。この星のね、悪い人のなの。この人がいなくなれば少しの間だけかもだけど、もっとこの星が安心できるようになるわ。クスリを沢山作ってる人なんだって」
クスリという言葉に母親がはじめてピクリと反応をした。もしかしたら、オソウジの結果この母親は苦しい思いをするかもしれない。でもこの女の子はきっとこの笑顔を失うことはない。ような未来が少しでも来ることを願おう。
「これは貴重なものだから売ったら多分沢山お金もらえるよ。多分、住む場所やご飯にも当分困らないかも。」
「どう、、ぞ、!?」
パクッ!!!
採れたての瞳を渡した瞬間にその子はそれを口に含んで食べてしまった。
きっととってもお腹がすいてたんだろう。
あと少し我慢して売りにいけば1年はご飯を食べれたのに、勿体無いなと思いつつも、少し面白くて笑ってしまった。
女の子はお花を頭につけてくれた。
その子は笑顔を向け、またお花を摘みに花壇の方へ走っていった。
髪がお花の匂いにつつまれた。
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