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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

僕の春

作者: Non

全て事実です。

誹謗中傷 等は遠慮願います。


※登場人物の名はすべて仮名です。実名ではありません。

 また、本作内の名前等は本作内のみのものであり、実在したとしても関係のないものとなります。

※『いじめ』についての内容が書かれています。読む際はご注意ください。

青春とはなんだろうか?

大抵は、学生時代や若いころの青々しく輝いた日々のことなど、楽しかった時のことを言われるのではないだろうか。

だが、果たして皆が『青い』のだろうか?


僕にも『青い』春はあった。

友人とともに会話をしたり、休みの日に偶に遊びに行ったり。

他にも、無邪気に走り回って遊んだり笑いあっていた頃もあった。

でも、そんな日々は急に壊れた。『青い』春じゃなくなっていったのだ。


僕は昔から、基本的に年齢や性別など関係なく誰とでも仲良くできるような性格だった。それもあって、異性しかいない輪の中に1人ではいっていくこともあった。それに、男女混合で遊びに行く際や部活が休みの日に体育館を借りて練習する際の幹事をしたりすることもよくあった。

部活の種類的に、男女別ではあるが同じ場所で行うこともあり、休みの日に一緒に練習に行くことの多い異性の練習風景を観察したりすることもあった。そうすることで新たな技を習得したり、少しでも相手と対戦した際に勝てる確率を上げたかったのだ。

でも、それが影響で問題に発展した。


ある日の部活終わり、予定があって早く帰りたかった僕は同じ部活のカズミに呼び出された。断れる雰囲気ではなかったこともありついていくと、カズミのグループのメンバーに退路を断たれ逃げられない状態となってしまった。僕に向かって怒り顔のカズミ、座ってこちらを見ているミイとチユリ、そして柱の方を向いて泣いているシュウ。

状況を呑み込めない僕に対して、カズミは内容を話し出した。

簡潔に説明すると、『同じ種類の部活の異性であるタイチと、シュウが付き合っており、僕が異性の練習風景を見たり仲良くしていることに対して嫉妬するからやめてくれ』という事だった。それも、シュウは泣き続けていたため、すべてカズミからの説明だった。

この日から僕の『青い』春は壊れ始めた。


次の日から、僕の行動に対して監視が始まった。

僕はタイチに近づくつもりなんかなく、ただ僕の友人と仲良く話をしたかっただけなのに、ただただその友人とタイチのクラスが近かったことで監視された。それも四人で固まってではなく、今となっては何があってもいいようにだったのだろうと思うが、わざわざ一人ずつで四か所に分かれてずっと僕の行動を監視していた。

幸い、監視はタイチに近づいた際と部活の時程度だったのに加え、シュウ達とはクラスが違ったことで自身の教室などにいれば回避することができた。

この頃から僕の春は、『青い』春から『薄黒い』春へと変化し始めていた。


日が経つにつれ、監視は酷くなっていった。部活中は常に気を張っていた。

それに加え、部活内で僕のグループは比較的人数が多かったのだが、いつしか僕と同じグループの中にもシュウ達の味方をして僕を監視している人がいるのではないかという状況になった。

そこで僕は急いで味方を集めた。同じグループ内で僕側についてくれる人を緊急で集めて事情を伝えたのだ。

そこまでしないと対応ができないくらいひどい状態になっていたのだ。


そんな日々が続き、偶に僕の味方に助けられたりもしながら、一向に続く監視の日々をおくった。

それからしばらく経ったある日の部活の際、急にカズミに普通に話しかけられた。本当に今まで何事もなかったかのように普通に話しかけてきたのだ。僕には意味が分からなかった。

後に少し落ち着けば、別れたりでもしたのだろうと検討は付く。

だがその時の僕はパニックに陥り、ただただ恐怖でしかなかった。

長い間、監視してきていた相手が急に何事もなかったかのように話しかけてきたのだから。


それ以降僕は、急に他人(主に異性)が怖くなる症状が出るようになり、回数も多かった。仲の良い異性や親族に対してもこの症状が出ることがあり困ったりもした。

それにとどまらず、パニック障害を発症したり、フラッシュバックに悩まされる日々が続いた。そして、恋愛に関して怖く苦手なものとなりトラウマになった。

僕の生活は一変した。周りが恐怖まみれで、ほぼずっとおびえて過ごしていた。

心に一生の傷を負ったのだ。そして、僕の春は『真っ黒』な春となってしまったのだ。


でも、シュウ、カズミ、ミイ、チユリ。この四人の生活は僕とは違った。

今までの監視などなんてなかったかのように普通に過ごし、すぐに笑っていた。

本当に何事もなかったかのように『青い』春をおくっていた。

きっと、僕にしたことなんてすぐに忘れたのだろう。

そもそも、僕をここまで追い込んでいることすら気づかずに行っていたのかもしれない。


あれから既に十年程度経つが、僕はいまだにとらわれている。

正直なことを言うと、恨めしく感じることもある。

何故、された側が一生の傷や様々な負担を抱え、した側はすぐに忘れて元の生活にもどれるのか、と。

あれから長い年月がたったが、僕はいまだに思い出すたびに辛く鮮明に覚えている。この作品を書いている今だって、正直怖くて仕方がない。

でも僕は、いじめで傷つく人を少しでも減らしたい。だから怖いけれど頑張ってこの作品を作った。


この作品を目にする人が果たしてどれくらいいるのかなんてわからない。

つらつらと僕の受けたこと書いて、じゃあお前は何もしたことがないのかと言われればうまくは返せない。僕だって知らぬ間にする側に加担してしまっていたこともあるかもしれない。そんなことは分かっている。

それをわかったうえで、僕は傷つく人を減らしたいと思う。


『青い』春というと聞こえはいいかもしれないが、誰もが『青い』春を過ごしているわけじゃない。僕のように『黒い』春を過ごしている人や、他の色の春を過ごしている人だっているかもしれない。


『いじめ』をなくすのは長年の難しい課題だとは分かっている。

でもすぐにはなくならなくても、それぞれが言動や行動を起こす前に一度、ほんの少しでもいいから考えてから動くようになれば少しずつでも減っていくのではないだろうか。


『いじめ』などによって傷つく人が少しでも減ることを僕は強く願う。

『いじめ』をなくすのは長年の難しい課題だとは分かっている。

でもすぐにはなくならなくても、それぞれが言動や行動を起こす前に一度、ほんの少しでもいいから考えてから動くようになれば少しずつでも減っていくのではないだろうか。


『いじめ』などによって傷つく人が少しでも減ることを僕は強く願う。


『いじめ』をなくすのは長年の難しい課題だとは分かっている。

でもすぐにはなくならなくても、それぞれが言動や行動を起こす前に一度、ほんの少しでもいいから考えてから動くようになれば少しずつでも減っていくのではないだろうか。


『いじめ』などによって傷つく人が少しでも減ることを僕は強く願う。


※敢えて同じ文を後書きにも記しています。

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