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第三話
この世界【ドン・ハイン】に来てからはや三週間経った
三週間というのは私の感覚であってこの世界の日にち感覚ではない
カレンダーというのがあるわけではないし、曜日があるわけでもない
そして、フェルについてや世界についてだいぶわかってきた
「ん〜!!流石に疲れたぁ」
勉強机に向かっていた椅子をお尻で後ろに押すと足と腕を思いっきり伸ばした
(フェルの家に飛ばされた当初はしゃべることもままらなかったけど、こうして話せるようになったし…なにより…飛ばされた理由)
目を閉じて“あの時”を思い出す
学校に向かっている最中、周りの音、人の気配が消えフードの男が立っていた
そして、その男の人に話しかけようとして
鋭い何かに刺された
絃葉は無意識に刺された場所をさするとゆっくりと瞼を開けて窓の方に向ける
「ようやく見つけた。君を待っている」