白いもふもふ
「うええ……」
「…頑張って……」
今僕が何をしてるかというと、素手でスライムと戦うという荒行を成し遂げているところだ。なんで素手かっていうとね……。
~十分前~
「…スライム発見……。…三体……」
「わかった。手分けして狩ろう!」
「…了解……」
森林エリアに入って、スライムに遭遇した僕らは、普通に手分けして狩ることにしたんだけどね。
「やぁっ!……ってああ!!」
「…!…どうしたの……?」
「…武器買うの忘れてた……」
「………」
僕の間抜け!本来の目的忘れてどうすんだよ!
「…どうする…?町に戻る…?」
「…いや、ミウに悪いしこのままやるよ。一応素手なら戦えるし」
「…そう…別に戻ってもいいのに……」
「戻らない!今日は格闘のレベルを上げるんだ!」
こうなりゃ意地だ!ということで話は冒頭に戻る。
~現在~
「うう、スライムって気持ち悪い…」
大抵の人は武器で倒すよね?スライムは、体の中心にある核を壊せば倒せるんだけど、武器を持たない僕は、手をスライムの中に突っ込まなきゃいけない。そしてスライムに直接触ると、何とも言えないぐにょぐにょ感がまとわりつくんだよ。冷たいような温かいような温度も不快感を増幅させる。それに耐えて、スライムの核を取り出したら、何回も踏みつけなきゃなんない。素手でもATKはたったの10しかないからね、一撃で、っていうわけにはいかないんだよ。
「ていっ!っとこれで三体目。ミウ!そっちはどう?」
「…問題ない、六体倒した……」
(…僕の倍……)
とりあえずスライムを見つけ次第倒してるんだけど、どう頑張っても武器なしはキツい。魔法とかあればいいんだけど…。
「…ナタ、右前方に二体、後方に三体発見……」
「前にいるやつは僕がやるよ」
「…じゃあ私は後ろ……」
…いいなぁ、ミウ。《気配探知》があるから見つけやすいんだろうなぁ。いいスキルだなぁ。
ミウは後ろに、僕は前にと、二手に分かれる。スライムぐらいなら一人でも十分倒せる。さすがに十体とかいると無理だけどね。対応できる気がしない。
「…いい加減慣れたかもなぁ……」
スライムの中に手を突っ込んでも、最初より不快感を感じない。あんなに気持ち悪かったのに、慣れって恐ろしい。
ちなみに、スライムもじっとしてるわけではない。一応ゼリー状の体で叩いて(?)来るんだけど、僕のDEFがスライムのATKより高いのか、ダメージはない。レミリアさんにローブをもらったおかげかな?
「ん?」
右の木の陰に何か白いものが見えた。なんだろう?
「…白い…仔馬……?」
なんとそこにいたのは、純白と言ってもいいくらいに白い体に、引きこまれそうな深みのある青い眼を持った仔馬だった。僕のことを見ても、きょとんとしてる。警戒心とかないのかな?
っていうかヤバい!超可愛い!!もふりたい!!!
恐る恐る手を伸ばしてみる。さすがに逃げるでしょ、とか思ってたのに、逆に近づいてきて匂いを嗅ぎ始めた。それヤバいって!それだけでも悶絶しそうなのに、仔馬は何を思ったのか、僕の指をペロッと舐めた。
「はうっ!!」
これは……!イイ!!何この子メチャクチャ可愛いじゃん!悶絶している僕を見て、仔馬は小首を傾げている。悶え死にしそう。
『ユニコーンLV1が、あなたとコンタクトしています。《調教》スキルを使うと、一定の確率でパートナーにすることができます。スキルを使用しますか?』
「当然!!」
ユニコーン!?よく見ると額に小さいけど角らしきものが見える。運営ありがとう!使えないスキルだと思ってたのに、予想外だよこの展開!
そういえば《調教》ってどうやって使うんだろう?
「ステータス。えっと、スキル詳細は、っとこれか。どれどれ?」
【スキル詳細】
《調教》:遭遇したモブをパートナーにできるスキル。遭遇後に、懐いてくる様子があったら、パートナーになってもいいという意思表示。その後、一度だけ名前を付けるチャンスがある。つけた名前が気に入ったら、調教成功。
クロちゃんから一言:「まず無理だからね~」
「…最後のマジでいらない……」
もしかしてスキル詳細って全部こんな感じ?見る気が失せる…。
気を取り直して、
「名前を付ければいいの?」
その通り、とでも言うようにユニコーンが頷く。名前……名前……。
「シェリィってのはどう?」
了承したのか、シェリィが僕にすり寄ってくる。
「やったぁ!!」
『パートナーについて説明するよ~』
「わっ!いきなり出てこないでよ!」
びっくりした~。せっかくうれしさに浸ってたのに~。っは!これじゃクロちゃんとキャラが被ってしまう!
『失礼なこと考えてるでしょ~。まぁいいや~。パートナーっていうのはね~、一緒に冒険できるモブのことだよ~』
「それだけ?」
『いやいや、パートナーにもステータスがあってね~、これはステータス画面で確認できるけど~、プレイヤーと同じように成長するんだよ~』
「モブ倒したらレベル上がんの?」
『それだけじゃなくて、ちゃんとスキルも使えるよ~。仲良くしてないと使ってくれないけどね~』
「へぇ~」
『もう一つ、大きなメリットがあるよ~。それはね~』
「それは?」
『親密度が80%以上になると、パートナーのステータスの25%が、プレイヤーのステータスにプラスされるというものなので~す!』
「親密度って?」
『読んで字の如くだよ~。遊んであげたり、食べ物あげたりすると上がるよ~逆に乱暴に扱ったり、嫌なことしちゃうと下がるよ~。何か質問はあるかな~?』
「パートナーにできるのって何匹まで?」
『上限はないけど、基本的にパートナーにできない前提だからね~。ラッキーだったね~』
「そりゃね」
LUCKがあんだけ高ければね、むしろラッキーじゃなかったらおかしいと思う。
『じゃ、また用があったら呼んでね~』
「別に呼んでないんだけどね」
クロちゃんって意外と親切なのかな?そんなわけないか、使えない鞭くれるくらいだし。
「ん?」
足がなんか引っ張られてると思ったら、シェリィがズボンの裾を噛んでいた。可愛いなぁ。そうそう、ステータス見とかなきゃね。
Name:ナタ(Female)【LV1】
Race:人間
【ステータス】
HP:110
ATK:0(-10)
DEF:53(+43)
MP:10
SP:10
AGI:343(+333)
DEX:5
LUCK:133(+33)
【装備】
『麻の胴着』『革のズボン』『革のベルト』『丈夫な靴』『壊れた鞭』『ホワイトラビットのウサ耳』『毛のローブ(ハーフ)』
【スキル】
《モノマネLV1》《魅了LV1》《調教LV3》《格闘LV1》《ラビットジャンプ》
【所持金】10100G
【備考】
『壊れた鞭』:ATK-10
『ホワイトラビットのウサ耳』:DEF+33,AGI+333,LUCK+33
『毛のローブ(ハーフ)』:HP+10,DEF+10
【パートナー】(親密度50%)
Name:シェリィ【LV1】
Race:ユニコーン
【ステータス】
HP:200
ATK:55
DEF:70
MP:60
SP:30
AGI:120
DEX:20
LUCK:80
【スキル】
《ヒールLV1》《ホーンチャージLV1》《ステップLV1》
「…僕より強くない……?」
矛盾点などあればお願いします。主人公は簡単にしているように見えますが、ユニコーンは出現自体が稀なモブです。LUCK補正だと思ってください。
4/16ステータスを大きく変更しました。