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ウサ耳隠さなきゃ!

戦闘はありません。

「ミウはどこ行きたい?」

「…武器は……?」

「あ……」


 忘れてた…。


「その前になんか被る物買っていい?これ隠したいんだ」

「………」

「そんな目で見ても買うからね!」


 ミウにすっごいジト目で見られた。そんなに隠しちゃダメなのか…。


「ほら、行くよ!」

「…待って……」

「何?」

「…知り合いにいいのがいる…から呼ぶ……」

「ちょ、待っ」


 ミウはそういって誰かに連絡し始めた。できれば見られたくないんだけどな…。


「呼んだかしら?」

「…おはよう……」

「来るの速くない!?今呼んだんだよね!?」


 背の高い女の人が現れた。種族は人間かな?美人だけど、特に外見をいじってるようには見えない。大抵の人は髪とか目の色は変えてるのに。


「…私のお姉ちゃん……」

「へ?」

「ふふっ♪ミウの姉のレミリアです。裁縫職人をやっているわ。よろしくね♪」

「あ、はい。カナタって言います。ジョブは…未定です」

「…カナタ……?」

「あ……。間違えました…ナタです…」


 やばい!ナタって呼ぶのがミウしかいないからミスって本名言っちゃった!


「そう、ナタって言うのね。ナタちゃんでいいかしら?」

「僕は男です」

「…嘘……。…ステータスに女の子って書いてあった……」

「ナタちゃんも知ってると思うけど、DEOで性別の変更はできないわよ?」

「それはですね……かくかく云々、というわけなんです」


 とりあえず運営のミスだってことをわかってもらわないと…!


「じゃあステータス見せてもらっても良いかしら?」

「はい。ステータス」


 レミリアさんに僕のステータスを見せる。


「…ナタちゃん、これって……」

「ATKに関してはスルーでお願いします」

「そうじゃなくて、ナタちゃんは女王様プレイでも目指してるの?」

「は?」


 ジョオウサマプレイ?ナニイッテルンデスカ?


「だってスキルが《魅了》に《調教》で、武器が鞭でしょ?この組み合わせは女王様を目指してるとしか思えないわ。ただ、鞭が残念だけどね」

「それはっ!」


 …否定、しきれない……!その構成は確かに女王様プレイのものだっ…!でも僕のせいじゃない、あの運営のせいだっ!


「(ボソッ)クロちゃんめ…」

『呼んだ~?』

「帰れ!」

『ひどっ!』


 まあクロちゃんには即効でお帰りいただいて、レミリアさんに運営のせいだって言わないと。


「でも、ナタちゃんには女王様は似合わないわよ?むしろお姫様って感じね。か弱い乙女として守ってもらってる方が雰囲気でるわよ?」

「うわああああぁぁあああぁぁん!!!」

「ちょ、どうしたの!?」

「…びっくりした……」


 だって…男なのに『お姫様』とか『か弱い乙女』とか言われて平気なわけないじゃん!叫ばないとやってらんないよ!


「…だからスキルも武器も勝手に決められただけって言ったじゃないですか…」

「ごめんね、ちょっとからかっただけなのよ。とりあえずナタちゃんは、リアルでもボクっ()ってことね」

「違います!」

「恥ずかしがんなくてもいいわよ。むしろおいしいです」

「え…?」

「ひ、引かないで!ちょっと本音が…」

「本音?」

「ああもう!そうじゃなくて!そ、そう!服が欲しくて呼んだんでしょ?どんなのがいいのかしら?」

「……耳隠したいんだって……」

「え……?」

「ちょ、二人とも何?なんでミウはわかってないな的な目で見てくるの?レミリアさんも何言ってるのこの子みたいな目で見ないでください!」

「その耳は見せるべきよ!隠すなんてありえないわ!」

「……お姉ちゃん、ちょっと…」

「何?」


 ミウがレミリアさんを連れて僕から離れる。姉妹って考え方も似るのかな?若干怖いけど。


(…ナタは私たちには耳見せてる。私たちになら見られてもいいって思ってる証拠……)

(じゃあ普段は隠させておけば…)

((あのウサ耳は私たちのもの!))


 何話してるのかな~?


「ナタちゃん。耳を隠すならローブを被るのがいいんじゃないかしら?」

「そうですか?」


 なんかさっきと言ってること真逆のような気が…。でもローブかぁ…、隠すにはちょっと長すぎる気がするんだよなあ。


「ん~、そんなに長いのじゃなくて、一応戦闘職を考えてるので、動くのに邪魔にならない方がいいんですけど…」

「なら、ハーフサイズのローブがあるわ。上半身だけのやつよ。それならどう?」

「そんなのあるんですか?じゃあそれをお願いします。いくらですか?」

「お代はいらないわ。条件を飲んでくれればいいの」

「条件?」

「周りに私たちだけしかいないときはローブは被らないでほしいの。あと、まだまだ先になるけど、私が作る服を試着してほしいのよ」

「それなら全然かまわないです」

(…お姉ちゃん、グッジョブ……)

「ふふっ、商談成立ね。ついでにフレンド登録もしましょ♪」

「…私もする……」

「ミウとするの忘れてた…」

 

 ミウとはパーティ登録はしたけど、フレンド登録してなかったよ。初パーティでちょっと浮かれてたのかな。


「これで良しと。用がなくても暇なときは呼んでね。すぐ来るから」

「ああ、はい……」


 レミリアさん…。目が怖いよ……。


「じゃあね♪ミウのことよろしくね~」

「はい!ありがとうございました!」

「…ばいばい……」




「さて、どこに行こっか?」

「…森でレベル上げ……」

「よし、じゃあ行こう!」

「…おー……」


 やる気があるような無いような返事のミウと一緒に森へ向かう。確か森にいるのは、スライムと虫系のモブだったかな?昨日はジェンガしかやってないから、今日こそレベルを上げるぞ!

 町を出て向かうは森林エリア。もちろんローブは被ってます。





Name:ナタ(Female)【LV1】

Race:人間

【ステータス】

HP:110

ATK:0(-10)

DEF:53(+43)

MP:10

SP:10

AGI:200(+333)

DEX:5

LUCK:133(+33)

【装備】

『麻の胴着』『革のズボン』『革のベルト』『丈夫な靴』『壊れた鞭』『ホワイトラビットのウサ耳』『毛のローブ(ハーフ)』

【スキル】

《モノマネLV1》《魅了LV1》《調教LV1》《格闘LV1》《ラビットジャンプLV1》

【所持金】10100G

【備考】

『壊れた鞭』:ATK-10

『ホワイトラビットのウサ耳』:DEF+33,AGI+333,LUCK+33

『毛のローブ(ハーフ)』:HP+10,DEF+10

ナタとミウが14、レミリアは19です。


4/16ステータスを大きく変更しました。

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