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いつものように家で寝そべって本を読んでいた。
私の部屋は以前は兄弟4人で使っていた部屋だが、今では私ひとり。
ずいぶん広くなったものだ。
間取りはたぶん9畳強。板の間にござを引いて、その上から万年床が4つ並ぶ
そんな部屋だから、何畳かと聞かれると正確なところがわからない。
まぁ、そんな部屋の私の布団に寝そべって、何か本を読んでいた。
すると、入り口と反対がわ、カラーボックスが積み重なって壁も見えない部屋の奥。
そっちのほうから、するするっと何か黒い影が這い出てきた。
視界の端を掠めた時には素早いトカゲかと思ったが、これが蛇行しながらも私にめがけて走ってくる。
あわてて、上体を起こしてナントカしようとしたが、一呼吸遅かった。
左足に鋭い痛みが走る。
左足を引き寄せてみると、親指に何かが噛み付いている。
痛いやら恐ろしいやらであわててそいつを掴んでひっぱると
靴下にそいつの歯がひっかかって指はなんとか抜けた。
靴下を噛みやぶりながら足に食らいつこうとするそいつを必死で抑えながら観察する。
ソレは実のところ、トカゲではなかった。
というか、実在している生き物ではなかった。
それは、所謂。ち○こ虫だった。
某マキリの老魔術師が使う「ち○こ虫」が左の親指に噛み付いている。
視認した時点で半狂乱。
全身がざわざわと粟だってとにかく引き離さないと、こいつはカンディルの比じゃない。
しかし、奴の小ささと左足に向かって手を伸ばしている不自然な体勢のせいで力が入らない。
とにかく、人を呼ぼう。
居間には親がいるはずだ。
が、叫ぼうとしても声が出ない。
慌てれば慌てるほど声の出しかたが思い出せない。
きゃあー、タスケテー、だれかー。
いろいろ試してみるものの、声がでない。
いよいよ親指に噛みつかれ、今度こそ食いちぎられる土壇場でやっと
うおぉぉおおおおおお!
と叫ぶ事ができた、よし!これで勝てる!!
気合を入れなおして一念発起
布団を跳ね除けて仁王立ち。
ぐるぐると辺りを見回したところで夢だったことに気づいた。
時刻は00:05、いい歳して何やってんだか・・・。