他国配備機体
■他国配備機体
■クシェペルカ王国配備機体
●レスヴァント
主搭乗者:クシェペルカ王国騎士
装備:
クシェペルカ王国制式幻晶騎士。
その性能は優秀ではあるのだが、新型を投入するジャロウデク王国軍に対して全く歯が立たなかった。
●レスヴァント・ヴィード
主搭乗者:クシェペルカ王国騎士
装備:魔導兵装(計六門)
ウォールローブ
クシェペルカ王国の量産機“レスヴァント”はジャロウデク王国の主力量産機“ティラントー”に対して能力が低く、これが緒戦で連敗を重ねる一因となっていた。それを多少なりとも補うために、急場の改修を施されたのがこの“レスヴァント・ヴィード”である。
逼迫する状況から短期間でおこなえる改修を優先した結果、調整に多くの手間を必要とする綱型結晶筋肉は採用せずに最新式の魔導演算機と四門の背面武装を追加した。
さらに全身の周囲を覆う蓄魔力式装甲の追加装甲“ウォールローブ”を装備。これにより従来の倍以上の魔力貯蓄量と厚い装甲、多連装の魔導兵装など遠距離法撃能力に特化した構成となっている。
突貫工事で作られたためバランスの調整が不十分で、ウォールローブの大重量もたたって機動性はティラントー以下の劣悪さとなったが、用途を拠点防衛と遠距離戦闘に限定することで回避している。最悪の場合はウォールローブを脱ぎ捨てることで軽量化し、逃げることはできる。
重装甲・大出力で近接戦闘に長けるティラントーに対抗するため、とにかく近づかないという潔い方針に基づいての改修だが、本機は予想以上の戦果をあげることとなる。
それは、大西域戦争序盤において圧倒的な優勢にあったジャロウデク王国が躓いた原因の一つとすらいわれたほどであった。
なお、本機を発端として重装甲大容量の遠距離法撃特化機体という一つの大きな流れが生まれることになる。この構成を持つ機種は“法打撃戦仕様機体”と呼ばれるようになり、主に拠点防衛用として普及したほか、後に飛空船に搭載する空対空兵器、空対地兵器としても有効性を見出された。
●レーヴァンティア
主搭乗者:
装備:
東方様式にそって作り変えられたレスヴァント。
初期型は急造品であるため、カルディトーレを元にしたモザイク兵器であったが、後に十分に練り上げられて正式採用にいたる。
●カルトガ・オル・クシェール
クシェペルカ王国国王騎。
■ジャロウデク王国配備機体
●ヴェンドバダーラ
主搭乗者:銅牙騎士団員
装備:刺突剣
外見的な特徴に乏しく、頭部は卵型のつるりとしたもので、視界を確保するための穴だけが開いている。
軽量化のため外装が少なく、皮革を使った覆いや一次装甲が露出している箇所もある。
極端なまでに静穏性と隠密性が追求されており、足音はおろか魔力転換炉の吸気音や筋肉の駆動音も相当抑えられている。
その能力の通り表沙汰にできない類の用途に使用される、特殊工作用機体といえる。
単体での戦闘能力は低い。結晶筋肉の量を絞っているため出力は低く、装甲も貧弱。
正面から通常の機体を相手にすれば、戦力比は3:1と言ったところである。
刺突剣と呼ばれる突き刺すことに特化した剣を装備しており、その戦闘スタイルも暗殺じみたものになる。
●ティラントー
主搭乗者:黒顎騎士団員
装備:重棍、戦棍
背面武装+内蔵型魔導兵装の計4門
源素供給器を内臓
フレメヴィーラ王国より強奪されたテレスターレに由来する技術を使用して組み上げられた重量機体。
出力に優れるが持続力に欠ける綱型結晶筋肉の特性を最大限まで有効活用するため、筋肉量を増やし極めて高い出力を持っている。
その出力を生かして装甲も並外れて厚く、重装甲大出力を体現するかのような機体である。
反面重量が大きくなりすぎたため機動性は劣悪で、航続距離も短い。
同時期に開発された史上初の実用航空戦力“飛空船”と併用することで真価を発揮する。
持久力のなさを補うため、心臓部に併設して源素供給器が搭載されている。これを使用すれば一時的に大きく魔力を回復することができるが、魔力転換炉に負担をかけ劣化を招くため多用は禁物である。
●ヴォラキーロ
主搭乗者:黒顎騎士団員
装備:ロングソード、盾
背面武装2門
軽歩兵戦力として運用され、行軍速度が必要な場合などに投入される。
東方様式にしたがっているが、内部構造の最適化が十分ではなくいくらかの問題を残す。
旧世代機に比べると高い性能を持っているが、新世代機の中では特筆すべき点はない。
●ズーティルゴ
試作で破棄された機体。ティラントーの強化型で、プロトタイプ・アルケローリクスにあたる。
重装甲大出力であるティラントーに、さらに機動性をも持たせようと挑んだ意欲的な試作機体。
しかし結果は失敗で、ありとあらゆる性能を求めすぎたためそのどれも満足せず、さらに操縦バランスの予想以上の悪化、あまりにも劣悪な燃費など様々な問題点を抱えることとなった。
数機の試作機が作られた段階で製造を中断されたが、基礎設計にはいくらか見るべき点があったため、他機種の技術をフィードバックして作られたのがアルケローリクスである。
とはいえアルケローリクスは王族向けの費用を度外視して作れる機体だからこそ完成したのであって、量産機としてはまったくの失敗作のままである。
●アルケローリクス
主搭乗者:クリストバル・ハスロ・ジャロウデク
装備:ロングソード、盾
背面武装2門
ジャロウデク王国王族専用旗機。現在2機存在する。
第二王子が前線指揮官、第一王子が総司令部で国王に代わり指揮を執っている。
黒を基調としたジャロウデク王国の騎士にあって、純白に金で装飾した姿は優美ではあるがひどく目立つものである。
金に糸目をつけず建造されているため、ジャロウデク王国の騎士の中でも突出した性能を持つ。
クリストバルが乗る機体は二号機。
●ソードマン
ヴォラキーロをベースとして作られた専用機。
ヴォラキーロは東方様式としては平均的な能力を持つ凡庸な機体だったが、このソードマンは搭乗者の趣味により非常に偏った武装を施されることになった。
全身に大小あわせて数十本に及ぶ剣を装備。明らかに使いきれていないのだが、搭乗者に気にした様子はない。
いちおう使っていない時の剣は追加装甲の役割を持ち、小剣などは飛び道具としても使えるのだが、それでもいろいろと無理がある。
こんな馬鹿げた機体が曲がりなりにも成立しているのは、偏に搭乗者が高い技量を持っているためである。
剣に強い執着を抱く搭乗者は「剣を持てば持つほど強くなる」という妄想を実力として示して見せた。単純な戦闘能力では軍でもトップクラスである。
しかし部隊に組み込んで運用するためには癖が強すぎるため、指揮系統の独立したドロテオ旗下で運用されている。
●ヴィッテンドーラ
主搭乗者:銅牙騎士団員
装備:刺突剣
ヴェンドバダーラの後継機。
極限まで静粛性と隠密性を追求したコンセプトを東方様式にすることにより発展させている。
外見も元から受け継がれたもので、つるりとした頭部と視界確保のための目の穴だけの意匠となっている。
全体的に細身となっており機動性に重きが置かれている。装甲は死んでいるので、奇襲からのヒット&アウェイが身上である。
さらに出力の向上により一般機との戦闘に耐えうる能力を手に入れた。
肩が大きく膨らんだ形状をしている。内部には特殊な構造をした腕の骨と筋肉が収納されており、これを展開することで腕を伸ばすことができる。
綱型結晶筋肉の出力をもって伸ばされる腕はかなりの勢いを持っており、これとに装備された強固な爪により攻撃してくる。
●ヴェイロキノス
主搭乗者:ケルヒルト・ヒエタカンナス
装備:
東方様式に則った特殊指揮官機。銅牙騎士団の旗機である。
重装よりも動きを重視するケルヒルトにあわせて、通常の体型よりやや細身。
攻撃型補助腕“ブラックウィドー”を装備しており、変則的な攻撃方法により相手を翻弄する。