世界観設定
■世界の名前
この世界全体を指す名前はない。惑星であるという認識はされておらず、星の名もない。
舞台となる大陸の名前は【名称未設定】。
■種族設定
●人
何の変哲もない人間。ただしこの世界の生物固有の能力として体内に魔力を持ち、魔法を使うことが出来る。
杖、もしくは触媒結晶が別途必要にはなるが。
●ドワーフ
正確にはドワーフとは人の近縁種であり、今は人の中の一民族として扱われている。多分交配はできないが気にするな。
背が低く、筋肉質な身体は肉厚で横に広いという特徴的な外見をしている。若いころから髭がかなりの勢いで伸び、成人を越えるころには立派な髭面になるむさくるしい民族。
髪や髭を伸ばして編むことに美を見出しており、立派な髭は彼らの誇りである。
元は山肌などに穴を掘って住居として暮らしており、そのころに掘り当てた鉱物資源をもちいて鍛冶技術に長けてきたという経緯がある。
民族全体が凝り性という気質から、多くの者が鍛冶師として身を立てており技術者であることに誇りを抱くものが多い。
●エルフ
人(徒人)やドワーフとは根本から違った、特異な種族。
外見的には徒人に近く、美しい容姿をしているが耳が長く尖っているのが唯一最大の違いである。
長大な寿命(約500年ほど)を持っており、ある程度の時点からほとんど容姿が変化しなくなる。ただし時を重ねすぎると色素を失うなどの変化が現れ、また寿命の限界に来ると一気に老いが現れる。
体内に魔法発動用の触媒結晶を持つ、生まれながらに魔法が使える種族。(人型の魔獣という見方もできるが、それは彼らに対する侮辱である)そのため徒人より数段魔法能力に長けている。人が使う魔法は元々はエルフが体系化し、伝授したものである。
高い知性、長い寿命、魔法能力など強大な身体能力を誇るが、反面自らのうちに思索を求める精神性を持ち、特に歳を重ねるとそれが顕著になる。
生殖能力が低く、個体数は他の種族に比べて非常に少ない。大抵どこでもアルフヘイムという名の郷を作り、そこに自分たちだけで引き篭もって暮らしている。
幻晶騎士の動力炉である魔力転換炉を作れる唯一の種族として、人から保護を受けている。
■大陸の地理(大陸東側)
●フレメヴィーラ王国
別途掲載。
●ボキューズ大森海
強大な魔獣が潜みいる魔境。魔獣の楽園のように思われているが、実際は幻晶騎士の開発により隆盛を謳歌する人類に追いやられた魔獣たちの最後の砦である。
ボキューズ大森海が残った理由は、オービニエ以西を制覇した人類がまずは安定を望んだこと、オービニエによって大地が分かたれ東の魔獣が西に来ることは少なかったことなどが上げられる。
とはいえ、実は大陸東側に住む魔獣のほうが強力であり、簡単に攻め落とすことは出来ない。
●オービニエ山地
正確には東部ではないが便宜上。大陸の中央を南北に走り、ちょうど東西に分ける形になる大峻嶺。
大陸西部に安定をもたらした要因の一つ。
■大陸の地理(大陸西側、人類の支配圏)
西側を占めているのは“西側諸国”と呼ばれる多数の人類の国。
●クシェペルカ王国
フレメヴィーラ王国の友好国。アンブロシウスの娘マルティナが嫁いでおり、孫であるエムリスが留学していた。
●【名称未設定】
●諸国連合(仮)
■大陸における人類の繁栄と幻晶騎士の開発経緯
かつて人とエルフがまだ力持たぬ種族であったころ、両者は共に協力し合う存在だった。
人は数はいるがまだ魔法を使えず、エルフは強力だが人より少ない数しかいない。
そこで、エルフは自身の魔法能力を学問としてまとめあげ、そして人に伝えることで彼らも魔法を使えるようになった。
エルフは賢者の種族となり、人は増えると共に魔法の力でその領土を広げ始める。
しかし、巨大な魔獣に対抗する術が弱くそれも限定的なものに止まっていた。
やがてエルフの中の賢の粋を集め、彼らは魔力変換の秘密へと迫る。
このころに知識の探求の結果としての魔力転換炉が作り上げられ、同時に錬金術が起こった。
巨大な人造の“心臓”を創り上げた彼らは、次に見合う巨大な“身体”を創り上げようと考えた。
それは世に跋扈する巨大な魔獣への対抗手段でもあり、エルフと人に通ずる“ヒト”の力の拡大という考え方によるもの。
そうしてこれまた長い時間をかけて鍛冶と錬金と魔導の集積物、幻晶騎士が生み出されることになる。
魔導の力によって動く巨大な身体、幻晶騎士を得た人は魔獣に対する積極侵攻を行うようになり、人類は爆発的にその領土を増やしていった。
エルフは長寿ではあったが、出生率が低く数が増えにくいという特徴を持っている。
そのため、人類圏の拡大に比して彼らの数は少ないままだった。
彼らの躍進を支える幻晶騎士、その心臓部を作ることができるのはエルフのみ。人はエルフに炉の増産を望み、それ以外を請け負うことを約束した。
現在にも通ずる“法”の概念はこのときに生まれ始める。
また長い時を経て、オービニエ以西は人類がほぼ手中に収めた。
いくらかオービニエを越えて東へと侵攻したものの、人は領土の拡大よりも西側のさらなる安定を望みつつあり、小規模なものに止まった。
東側への侵攻の結果、フレメヴィーラ王国が成立し魔獣に対する盾としての役割が確立されてゆく。
だんだんとオービニエ以西は安定し始めるが、その中で人同士での争いも始まっていた。
かつて人類の剣であった幻晶騎士は、今度は人同士が争うための武器となる。
その戦乱の中、炉の生産を独占しようとエルフの郷を襲った国家もあった。
彼らはエルフを強制的に働かせ、一時は多くの炉を作るが出生率の低いエルフは数を減らす一方で、結果として一つの郷の全滅を招くこととなった。
その国は騎士の増産叶わなくなり、その後逆に他国の侵略に遭い滅亡を迎えた。
エルフの減少と炉の供給停止を恐れる他の国はそれを教訓とし、以前からあったエルフの保護をいっそう推し進めることとなる。
ここで現在と同様の“法”と“郷”の姿が完成した。
そして数百年は過ぎ、色々な意味で均衡の中にある時代が本作品の舞台である。