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天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生  作者: 西洋司
第一部「ハルコン少年期」

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75/438

13 異世界チートの及ぶ範囲で_01

 長雨の季節の頃、ハルコンは殺し屋のNPCを領都で発見。その際、処分するという苦渋の選択を迫られた。


 だが事件後、女盗賊に命じて水路周辺を探らせてはみたものの、遺体を発見することはできなかった。


 取り逃がしてしまったのだろうか? せめて、殺し屋の思念にリンクだけでも貼っておくべきだった。正直、……あの時はかなり動揺していて、貼り損ねてしまったんだよね。


「あぁ、ダメだなぁ、もう。まだまだ私は、半人前だね」


 そう独り言ちると、ハルコンは部屋でたった一人、うずくまった。


 一方、ハルコンのここ数年の試行錯誤は大きく実を結び、セイントーク領発の技術や産品が国中に流通されていくことになる。


 その非凡さ故に、ハルコンはいつしか神童と噂されるようになった。それに伴って一族はますます注目され、大いに発展してゆくことになる。


 王都の学園に入学している兄姉達が、セイントーク領の特産品の恩恵を受けている仲間達から持て囃されているそうだ。


 でも残念なのは、……兄姉達は真面目で穏やかな性格の持ち主なのだが、決して傑物ではなく、平凡な性質だということ。


「「「学園でちやほやされるのが、正直心苦しいです!」」」


 兄姉達はセイントーク領に帰省するや、両親に抱えている悩みを素直に吐露していた。

 ハルコンは気付かないふりをしつつ、内心では迷惑をかけてしまったなぁと思っていた。


 これまで、何かと不便な生活を少しでも豊かにしようと、前世の知識を活かした商品を惜しげもなく市場に投入してきた。

 その多くはドワーフの親方の手が加わって商品化され、国内外に広く流通している。


 地球にあってこちらの世界にはないもの。あったら便利だなぁと思えるもの。それらを逐次チョイスして、ハルコンは世に送り出してきた。


 前世の晴子は、文字どおりの天才だった。そして、その習い事も多岐に渡っていた。


 例えば合気道、薙刀術、茶道、お琴、華道、料理教室、算盤、絵画といった教養、修養の他、趣味の家具作り、ガーデニング、キャンプ、釣り等も万全にこなす。


 前世の彼女の身に付けていた知識や技術は、こちらの世界でも大いに役に立つ。


 当時の晴子は、その薬学知識で石鹸やシャンプー、リンス、香水、化粧品まで自作していた。

 しかも、仲間ウチの女子の間で非常に評判が良かったという、……そんな折り紙付きだ。


 ハルコンは、ミラがセイントークの屋敷に遊びにやってくる度に、彼女に様々なグッズや食べ物のモニターをお願いして、元科学者らしくPDCAを繰り返していた。

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