50 帝都での出来事_24
* *
「時にハルコン殿、お訊ねしたい。此度の旅団がサスパニアに出張することと、貴殿の国ファイルド国がサスパニアのメリッサを保護している点について、どうお考えなのか?」
なるほど、そうくるかと私は思った。
「皇帝陛下、メリッサ元姫殿下をファイルド王宮で保護していることを、よくご存じでしたね?」
とりあえず、こちらもその点について、ちゃんと訊いておこうと思った。
そもそもメリッサ元姫殿下は、私のスキル「マジックハンド」を使って、サスパニアから超特急でファイルド王宮に招いた経緯がある。
もちろん王宮内でも箝口令を布いていて、彼女の存在を知る者は王宮内でもごく限られた範囲の人達だけだ。
だから、その情報がコリンドに筒抜けだったということは、ファイルド王宮内に、コリンドの間諜が潜んでいるということになる。
私は、ちらりとステラ殿下を見た。まぁ、……別に殿下のことを疑っているワケではないんだけど、その関係者の誰かが漏らしたという可能性が高いよね。
すると、……。
「お父様、……。メリッサ様が王宮にいらっしゃることを、よくご存じでしたね?」
ステラ殿下がさも驚いたような表情を浮かべられ、皇帝陛下を不思議そうにご覧になられた。
どうやら、殿下ご本人は、全く情報漏洩に関与していなかったみたい。
ホンと、どこのどいつが一体情報を漏らしたのやら、……。
そうしたら、皇帝陛下は少しだけ身を前に乗り出してこられ、声を潜めてこう仰った。
「ハルコン殿、実はですな……。メリッサは4年前、我が国の第一皇子アビルとの縁談を進めているところだったのです!」
「!?」
皇帝陛下の突然の発言内容は、こちらの想定を大きく超える話だった。
「お父様、アビル兄様はメリッサ様と結ばれる話があったのですか?」
ステラ殿下も、少しだけ身を前に乗り出すと、小声でひそひそと訊ねられた。
「ふむ、……。アビルは第一皇子とはいえ側室の子だ。第二皇子のマルスは学問好きの朴念仁であるし、そもそも帝位に全く興味を示さないのだ!」
「「……」」
「ならば、上の2人の姫は隣国に嫁ぐことが決まっておる故、ステラをファイルド国に留学させて、ハルコン殿を我が国に招聘しようと考えておりましてな」
「つまり、……。私をステラ殿下の皇配にしようとなされたのですか?」
「そういう計画を、宮殿の役人達は描いておったようです。我はステラではなく、この国を救って下さったハルコン殿が、次代の皇帝を引き継いでくれればいいと考えておりました!」
「……」
「そこで、お訊ねしたい。ハルコン殿、今のサスパニアと組んで、貴殿は今後どうされるおつもりなのか?」
皇帝陛下が、こちらの目の奥底まで覗き込むような表情で、お訊ねになられた。
何分ご懸念がおありの様なので、……。ちゃんと説明しておかないとマズいよなぁとハルコンは思った。
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