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天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生  作者: 西洋司
第二部「ハルコン青年期」

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50 帝都での出来事_23

   *         *


「ルーテア国か? バルコニア国か? それとも、……」


 皇帝陛下はそう仰って、近隣国の名前をひととおり挙げなさった。

 ハルコンとしても、本来ならそこは誠実にお伝えすべきところなんだろうけど、……。


「陛下は、もしやサスパニアのことを疑っておられるのでしょうか?」


 こちらの問いかけに対し、陛下は苦い表情を浮かべられた。


「断言はできませんが、……」


「実際のところ、どうでしょうね? 我が国の王立療養所に収容されていた患者は、そのサスパニアの隊商のメンバー達でしたよ!」


「ほぅ、……。では、ハルコン殿。貴殿は、まさかサスパニアの上層部が自国民を巻き込んだりはしない、……。そうお考えなのだろうか?」


 陛下のお言葉に対し、何と答えるのが正解なのかなぁと思っていると、……。

 傍らでお話しを聞かれていたステラ殿下が、こちらを見て、ニコッとお笑いになられた。


 実を言うと、私は事の真相を知っている。

 新生サスパニアの石原中佐が、王国を滅ぼされたメリッサ元姫殿下の意を汲み、コリンドに報復したという事実だ。


 石原中佐らは、近代戦のエキスパートだ。中世ヨーロッパ文明レベルくらいのコリンドなど、簡単に滅亡させることもできたはずだ。

 でも、……。あえて、そうはしなかった。


 どうやら、私、ハルコン・セイントークと有利に交渉するため、残忍な性質をあらわにすることを控えたということらしい。


 その辺りの話は、石原中佐本人からではなく、その側近の一人だった「半次郎」から、間接的に聞いた話だ。

 まぁ、先ず彼女の言ったことで、ほぼ間違いないんだろうなぁとハルコンは思った。


「いえ、陛下……。私は、ただその可能性を示唆しさしたのみです」


「ふむ、そうでしたか……」


「ハルコン殿の見立てでは、……我がコリンドは、今後サスパニアに勝てますかね?」


「私には、ワカりかねます」


「ふむ、……」


 実際の話、あの時もし私が薬剤を緊急手配していなかったら、今頃ここコリンドの宮殿は、一体どうなっていたことだろうか?


 皇帝陛下やステラ殿下と、こうして話をしたりすることも叶わなかったのではないか。


 そう考えると、確かに遺恨は残るのだろうけど、……。

 私は、やはりラスキン国王陛下の提唱された「善隣外交」を、ここで強く推すべきなのではないかと、……。


 私自身、ラスキン陛下のお考えに強く賛同していることを、コリンド側にもちゃんとお伝えしなければならないと、ハルコンは思った。

「天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生」をお読み頂き、ありがとうございます!

ハルコンの薬学チートや、仲間たちとの冒険を楽しんで頂けたら嬉しいです!

この物語を気に入って下さったら、☆評価やブックマークで応援して頂けると、作者の励みになります!

ハルコンと一緒に次の展開を盛り上げるため、ぜひ力を貸してください!✨

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