50 帝都での出来事_22
* *
「なるほど。これで何が起こっていたのか、大体把握した。ありがとう、ハルコン殿!」
「い、いいえ、……」
皇帝陛下のお言葉に、私はどうしても口ごもらざるを得なかった。
「では、これを製造する技術レベルについて、貴殿はどう推察されたのかね?」
「はい。知人のドワーフの親方に確認したところ、一点ものであれば作ることは可能のようです。むしろ、親方はこの容器の仕組み(ギミック)に強い関心を抱いたようです」
「ふむ、……」
こちらの言葉をお聞きになった陛下は、ご自身でも気になったのか、ちょっと封のところを開閉しようと思ったようだ。
でも、弄っても開くことができず、……。こちらをちろりと見て、ニコッとお笑いになった。
「陛下、ここの開閉は、この小さなボタンをカチリと押すんですね」
すると、その容器はカチリと音を立てて、ガラスの部分と金属の部分で2つに分かれた。
「なるほど、……」
「かなり、……。腕の立つ職人を抱えていないと、ファイルド国でも難しいとのことでした」
こちらの言葉に、陛下は腕を組んで考え込んだご様子で、……。
しばしの間、黙考されておられたのだけど。
「ハルコン殿、……私の見立てでは、このガラスの容器の部分が、非常に密閉性が高いのだ。貴殿なら、この容器に何を仕込みますかね?」
「その目的が平和利用なのか、もしくは戦争の道具としてなら、それぞれ用途は異なると思います」
「ふむ、……。では、平和利用の場合はどうですかね?」
「私なら、エリクサーのタイプBを入れますね。荒地など任意の場所で開閉できるようにし、そこの土壌改良などを行います!」
「ほぅ、……。ハルコンB(栄養剤擬き)に、そんな使用方法があるのですか?」
「はい。畑の作物の成長促進や花枯れ対策にも、一定の効果がありますからね」
実際の話、王立学校祭の少し前に、フラワーインフルエンザに感染した作物に対し、100倍に希釈して使用したことがあった。
あの時は、ファイルド国内の東方3領で生産されていた生花が、大量に枯れたことに端を発していたのだけどね。
「ふむ、……。では、戦争目的の場合はどうですかね?」
「私なら、毒物を混入しますね」
「……」
こちらのその言葉に、皇帝陛下の目の色が、一瞬にして険しいものに変わっていった。
「我がコリンドは、……。何者かによって、毒物を撒かれたのではないかと疑念を持っています。ならば、お訊ねしたい。ハルコン殿、貴殿はいずれの国が、この無法を我が国に仕掛けたと推察されるか?」
「……」
さて、……。何て言ったら、相手は納得して矛を収めてくれるのだろう?
そんなことばかり、頭の中で考えを巡らせていた。
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