50 帝都での出来事_18
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今は、おそらく21時50分頃。
私は晩餐会が終わった後、コリンド側から与えられた一人用の客室に戻り、そこで書類の整理をしていた。
明日からは、コリンド側の整備局の担当者との打ち合わせが予定されている。
とりあえず、……そのおさらいをしておかないとね。
さて、……。明日会う担当者は、どんな人達だろう?
ちゃんと、話の通る人かな?
それとも、横暴だったり、自己流を相手に押し付けるタイプじゃなきゃいいんだけどね。
まぁ、そもそも論として、……。これまでコリンドという国は、近隣諸国を睨み付けてきたり、一方的に侮るような大国病に支配されてきた、ちょっと厄介な国だよね。
でも、ファイルド国との長年の戦争に勝利することができず、徐々に疲弊していった大国は、その意識とは裏腹に、国力を急速に落としていった、……。
まぁ、そんな認識で間違いないよねぇとハルコンは思った。
そして、今回数名とはいえ、役人と接触して思ったのは、やっぱり大国意識バリバリで偉そうっていうか、何か感じ悪いよねぇってことかな。
実際、……。私は晴子の時代に、そんな大国との付き合いに散々苦労させられたからね。
その国の名は、大国アルメリア。
前世の私を殺した国。
ホンと、敵に等しい国だよ。
そんな具合に物思いに耽っていると、……。
トントンと、外廊下からドアをノックする音がした。
「はぁ~い」
ドアを開けると、使いの者ではなく、何とステラ殿下だった。
「!?」
えっ!? 皇族自らお迎えにこられたの? といった顔を、こちらがしていたのだろう。
「驚かせて、申しワケありません!」
ステラ殿下がニコリと微笑まれるので、こちらも「い、いいえ」といって軽く会釈した。
「それでは、お父様の許へ参りましょうか?」
「はい。案内をよろしくお願いいたします」
そう言って、こちらも深々と頭を下げた。
客室エリアの渡り廊下は、光魔石が随所に設置されていて、とても明るくて見易かった。
でも、それが宮殿の奥部の皇室エリアに入っていくと、むしろ魔石の数はまばらで、廊下は薄暗い。
よく見ると、灯は魔石ではなくて低価格の獣脂のランプが設けられ、独特の匂いが鼻に付く。
「ハルコン、……。足元にお気を付けて!」
「はい」
いくら復興期に入ったとはいえ、コリンドはまだまだ貧しい。
晩餐会のメニューも、私の目には粗食だったし、あれだけ人を集めても、楽団の一人も演奏する者がいなかった。
なるほど。ここは虚飾の楼閣なんだなぁと、ハルコンは思った。
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