50 帝都での出来事_16
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晩餐会の会場を担当する係の者が、晴れ晴れと響き渡る声で、コリンド国皇帝陛下と皇后様のご到着を朗々と告げた。
会場中の者全ての視線が注がれる中、お二方が現れなされ、壇上にお立ちになった。
「今宵は、我がコリンド国最大の友人が、ここ宮殿に訪れて下さった。ファイルド国旅団、……。シルファーファイルド殿下率いる、総勢1000名の大旅団だ。我がコリンド国を代表して、大いに歓迎したい!」
「「「「「「「「「「……」」」」」」」」」」
会場中の者が固唾を飲んで、威厳のある皇帝陛下の次のお言葉に耳を傾けているのを見て、……。
私は、さすがは大国コリンドの皇帝陛下だと、素直に感心した。
でもさ、……。
そう思いつつ、ちらりと傍らにお立ちになる、シルファー団長の方を見た。
すると、彼女は先ほどスキル「マジックハンド」で、胃の中の余分なものを全て排除したものだからさ、……。
極めて小ざっぱりとした澄ました表情を浮かべられて、今はステラ殿下と並び立って、陛下の次のお言葉に耳を傾けていらっしゃった。
いやぁ、……。ホンと、この方、よくあれほどの皇帝陛下に、直談判できたものだな。
マジで、末恐ろしいやとハルコンはしみじみと思った。
「そこで、我々宮殿は、細やかながら、晩餐会を催させて貰った。立食形式で片肘張らず、大いに楽しんで貰えるとありがたい。どうか両国の更なる友好を祈念して、我に賛同する者は、大いに拍手を以て応えてくれっ!!」
すると、……。しんと静まり返る会場に、小さな拍手が起こった。
と、いうか私だよ。ハルコンだよ。
なかなかの名調子なものだから、思わず手を打ってしまったよ。
そうしたら、次々と波が沸き上がるようにして、万雷の拍手に変わっていった。
「「「「「「「「「「皇帝陛下、バンザーイッ!!」」」」」」」」」」
会場のあちらこちらから、万歳の声が響き渡るのを聞いて、……。
へぇーっ。万歳の挨拶は、私がファイルド王宮に請われて提案したものなんだけどさ。
数年経って、ここコリンドでも万歳の挨拶を使うようになったんだねぇと、ハルコンは素直に感心した。
「ハルコン、……。せっかくだから、料理を取りにいかない?」
ミラが声をかけてきた。護衛対象のシルファー団長から離れてしまってもいいものかと思ったけど、アントン騎士長がニコリとウインクした。
「すみません」
こちらもそう言って会釈すると、騎士長に護衛を任せて、ミラと料理のブースに顔を出した。
「へぇーっ。コリンドの料理も美味しそうだね、ハルコン!」
「そうだね」
2人でいくつかの料理を皿に移し終えると、壁際に向って、さっそく食べ始める。
まぁ、……。ここからなら、シルファー団長とステラ殿下のご様子がよく見えるので、とりあえず、安心かな。
そう思っていると、……。
ホールの係の若い女性が近づいてきて、「ハルコン卿、こちらをどうぞ!」といって、和紙の小さなメモを手渡してきた。
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