50 帝都での出来事_15
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おっ! 皆さんも、何とか上手くやってくれているみたい、……。
会場の人々をざっと見回したところ、今回旅団に参加した役人達数名が、コリンドの役人達と親しげに立ち話に興じていた。
ホンの数年前まで、両国は敵同士だった。それが、ここ最近のいくつかの偶然の出来事を通して緊張が雪解けし、今に至っている。
まぁ、……お互いのことを、まだ完全には信用仕切っていないのが現状だろう。
旅団に参加している役人達の多くは、まだ自分達だけで集まってコリンド側と距離を置いているし、コリンド側も然りだからね。
でも、こういう機会を増やしていくことで、いつしかラスキン国王陛下の提唱された「善隣外交」が実を結ぶことになるはずだと思うんだ。
私は、今回の旅団のサスパニア出張が、そのきっかけになればいいと思った。
実はさ、……。その役人達の中に、数名のNPCがいてね。彼らの視野を借りて、私は数時間前から現場の役人同士の折衝の様子も見ていたんだ。
すると、やはりこちらが心配したとおり、ウチの旅団の出張先がサスパニアなものだから、それを懸念する声が相当大きかったね。
中には、サスパニアとファイルドが同盟を組んで、両国でコリンドを挟み撃ちにするんじゃないかと、半ば当然の事実のようにファイルド側を詰めてくる者までいてさ。
だけど、その際のファイルド側の方便として使われたのが、「だって、ハルコン卿だから、……」っていう言い回しだった。
そうすると、相手もそれで直ぐに納得した感じだった。
さて、……。私、ハルコン・セイントークは、非公式ながらコリンドの救国の英雄と見做されているらしい。
宮殿が流行り病の患者で溢れ返った時、弓使いの女エルフを派遣して、次々とエリクサーを始めとする様々な物資を送り続け、病気を根絶させていったワケだしね。
なら、直接こちらにきて、お礼を述べる者がいるかといえば、……今のところ、それはないみたい。
その辺が、大国コリンドの驕りなのかなぁと思っていたら、……さ。
傍らにゆったりとリラックスしたご様子でお立ちになるステラ殿下が、こう仰るんだ。
「役人達には、我々皇族のみがハルコンと関わりますから、あなた方は決して彼に近づかないで下さいねって、お願いしているんですよ!」
「えっ!?」
「だって、ハルコンを怒らせたりしたら、怖いじゃないですか!」
「……、そうでしたか」
どうやら、これは宮殿内の政治の話になるので、こちらからは黙っていた方が良さそうだなぁとハルコンは思った。
すると、……。
「コリンド皇帝陛下、皇后様のお成~~りぃ!」
会場を担当する係の朗々たる声で、陛下と皇后様が大ホールに現れなさった。
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