50 帝都での出来事_11
* *
「では次に、このファイルド・コリンドルートを、第二 段階に上げていくご相談をさせて頂きたいのですが、……」
シルファー団長はそう仰って、皇帝陛下をじっと見つめられた。
すると、……。
先ほどより、皇帝陛下と団長のやり取りをご覧になられていたステラ殿下もまた、表情を改められて、陛下を真っ直ぐに見つめられた。
お二人の表情には、大いなる覚悟が伴われているように、私には見受けられた。
実は先日、王都に一時帰京した際、ラスキン国王陛下との面談で、いくつかその件についてもお話を伺っていたんだよね。
それは、現在のファイルド・コリンドルートを、今後公式の通商ルートに変更するというもので、……。
その責任者を、両国の王族と皇族を代表して、シルファー団長とステラ殿下に担わせようと、ラスキン国王陛下はお考えだったんだ。
実際の話、両殿下は大変仲が良く、更には私を間にして、お互いにけん制し合うライバルでもある。
そんなお二人が共同でこの両国の最重要ルートを担当されたら、これまで以上に両国の親善が深まるし、更なる発展だって期待できる。
もちろん両国の王宮と宮殿が後ろ盾になるし、何ならお二人と仲のいい私も補佐を依頼されていたんだ。
だから、シルファー団長が早々にこの話を皇帝陛下に切り出したからには、私もできるだけ後押ししたいなぁ、……とハルコンは思った。
「ほぅ、……。相談とは、ステラとシルファー殿下との共同で、コリンド・ファイルドルートを運営していくという話についてだね?」
皇帝陛下は、シルファー団長がこれから説明される前にそう仰ると、……。
団長とステラ殿下はきょとんとした顔をして、素直そうに陛下をじっとご覧になられた。
「えぇ、仰るとおりです陛下。よくご存じでしたね?」
「ふむ、……。賢王ラスキンの手紙に、そう記してあるよ。我も、その考えに概ね同意するところだね!」
「「それでしたら!」」
ここで、シルファー団長とステラ殿下は、声を合わせてその身を前に乗り出されると、……。
「ふむ、……。だが、このルートは現在コジカ辺境伯のシマでね。その彼と仲のいい第一皇子もまた、一枚噛みたいと申していてね、……」
「「……」」
出鼻を挫かれてしまった形の両殿下は、顔を渋らせたまま、再び席にお着きになられた。
なるほどねぇ、……。やはり、このコリンドという大国は、一筋縄ではいかない様子だねぇとハルコンは思った。
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