50 帝都での出来事_07
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今回 私達が案内されたのは、皇室の方用の小規模なプライベートルームだった。
ミラは、こういう部屋にはあまり慣れていない様子だ。
以前、ファイルド王国で騎士爵叙勲の前打ち合わせの際、父ローレル卿と共に入ったことくらいしかなかったんじゃないかな。
そのため、とても緊張しているのが傍で見ていてもワカるほどだ。
「大丈夫だよ!」
だから、その手をギュッと握ってニコリと笑いかけたら、ミラも漸くホッとした顔になってくれた。
「ハルコン卿、遠路はるばる、ようこそお出で下さった!」
こちらをご覧になるなり、ステラ殿下の父君、コリンド皇帝陛下が、ソファーからお立ちになった。
それから、こちらまでお近づきになると、ニコリとお笑いになられた。
「えぇ、こちらこそ。こうして直にお会いするのは、これが初めてですね!」
そう申し上げると、陛下はこちらの肩をポンポンとお触れになられて、……。
「あぁ。私はず~っと、卿にお礼を直接伝えたかった!」
そう仰って下さった。
すると、……。
「コホン、……。陛下!」
皇后様がそう仰って、ひとつ小さく咳ばらいをされたため、陛下もそちらに目をおやりになった。
その視線の先には、シルファー団長が満面の笑みを湛えて控えておられた。
「こちらの方が、この度旅団を率いてこられたシルファー団長。ファイルド王国第二王女殿下でございますわ!」
「おぉ、シルファー姫殿下ではないか! 王国でステラと仲良くして頂き、誠にありがたい次第だ!」
そう仰って、陛下の方から団長の手をお取りになって、感謝の意をお示しになられた。
「いえ、こちらこそ。陛下とこうしてお会いできて、大変恐縮する次第でございます!」
シルファー団長も、ニッコリとそう申し上げなさった。
「まぁ~、立ち話もなんだ。長旅のところ申しワケないが、……。もうしばらく、ここで話を聞かせて頂けないか!」
「はいっ。私どもでよろしければ!」
お互いにそう仰ると、ソファーのボックス席に着く。
「さて、……。ここまで、旅はどんな具合だったのかね?」
「はい、……。実は、……!」
陛下のお訊ねに対し、団長はこれまでの旅団の冒険譚を、ざっとご説明なされた。
すると、……。そのご説明が、あまりにも常軌を逸していたのだろうか?
10数分後には、皇帝陛下は笑顔を絶やさないものの、かなり顔を紅潮させており、……。
皇后様、姉殿下と一緒になって、一言一句聞き漏らさないご様子でいらっしゃった。
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