50 帝都での出来事_06
* *
「それでは、陛下が別室にお待ちですから、こちらまで付いてきて頂けますか?」
ステラ殿下の姉君が、笑顔でそう案内されてこられた。
「では、我々も参りましょう!」
シルファー団長が笑顔でそう仰るので、私とミラも頷くと、揃って別室に向かうことになった。
さて、……。ムムム。
先ほどより、ステラ殿下の姉君が、私の右手をずっと放して下さらないんだけど。
「えっ、えぇと殿下。そろそろ、……」
こちらも露骨に断るのもマズいと思いつつ、多少口ごもった調子でそう伺ったところ、……。
「ん~っ? 私に手を握られているの、……イヤ?」
「いっ、いいえ。イヤっていうワケではっ!?」
「なら、しばらくこのままでいいですよね? ハルコン卿には、私ず~っとお会いしたかったんですから!」
そう仰って、ニコォッとお笑いになる。
すると、……。見るに見かねたのだろう。
「ダメですよぉ~っ!」
ステラ殿下はそう仰いながら、姉殿下とこちらの間にズイッと、ご自身の身体をお入れになって、……。
今度は、殿下ご自身がこちらの右腕に抱き着いてこられた。
「ちょっ、ちょっとステラッ! あなたはず~っとハルコン卿と一緒に過ごしていたでしょ!」
「んべ!」
何と、ステラ殿下は姉殿下に対し、かわいらしくアッカンベェをされるではないか!
「んなっ!?」
びっくりされる姉殿下。どこか悔しそうに、こちらを見てこられた。
そうしたらさ、……。今度はスッとシルファー団長がお近づきになって、……。
「ちょっと、ちょっとステラさんや、……。一人だけ抜け駆けは、断じてあきまへんで!」
そう仰いながら、するりとこちらの空いている左腕をお抱きになられた。
「「えっ!? えぇ~~っ!?」」
今度は、ステラ殿下と姉殿下がご姉妹で驚かれなさった。
「ほらほら、陛下がお待ちよ! 皆さん、急ぎましょっ?」
見るに見かねた皇后様が、笑顔でそう仰ったのだけど、……。
でも、その目は、少しもお笑いになられていなかった。
「「「「はっ、はいっ!」」」」
そのまま、皇室の方々の案内で廊下を進むと、皇室の方用の個室に入った。
中に入ると、そこは地球のモジュール換算で20畳ほどの居室で、……。
4人掛けのソファには、ステラ殿下の父君、皇帝陛下が寛いだご様子でおかけになっておられた。
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