50 帝都での出来事_05
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へぇ――っ、さすがだね。
私は、目の前で両家、王室と皇室の方々がこうして直接やり取りをされる際、お互いに相手を気遣った態度をお示しになられることに、……。
純粋に、心を動かされるなぁと思った。
両家共にそれぞれの国家、国民をその双肩に担いでなされ、絶えず軋轢に晒され、緊張感に耐えながら過ごされている。
そんな両者の、相手に対する思いやりの深さを目の前で直接見て、……。
なら、私もできる限り両国のために頑張ろうと、気持ちが昂った。
でも、……さ。
大国病に侵されている役人達、……。彼らはそうではなかったみたい。
さすがに声にこそ出さなかったが、先ほど取り次いできた中年の官吏などは、一見笑顔を浮かべつつも、その目は乾ききっていて、とても冷めていた。
こんな人達に傅かれて日々を過ごす、コリンドの皇室家の方々。
さぞや、居心地の悪い生活なんだろうなぁとハルコンは思った。
しばらく、皇后様とシルファー団長は、時おり笑顔を交えながらお話をされていたのだけど、……。
ここで、「ハルコン」という名前が頻繁に出始めると、皆様は揃ってこちらをご覧になられた。
団長が「こっちにいらっしゃいな!」と目で語られるため、こちらも笑顔で「はいっ!」といって、その輪に加わる。
もちろん、ミラも、……。でも、さすがに恐れ多いのか、肩幅ひとつ分後方に退いたポジションに落ち着いた感じ。
「あなたが、ハルコン・セイントーク卿ですね?」
皇后様が穏やかな笑みを浮かべて、そうお訊ねになられた。
「はいっ。左様でございます!」
そう言って、こちらも恭しく一礼をしたところ、……。
コリンド家の女性陣は、皆パァ~ッと満面の笑みを浮かべられると、スッとこちらに身体を寄せてこられた。
「私どもは、あなたに会って、ず~っとお礼を伝えたかったのですよぉ!」
「えっ!? えぇっ!?」
だって、ステラ殿下の姉君に至っては、こちらの両手をお取りになって、決して放そうとしないんだからね。
まぁ、役人達はアレだけどさ。
皇族の皆様方は正確に現状把握をされていて、……、こうしてこちらに真心のこもったお気持ちを伝えて下さるんだ。
だから、まぁ私としては、……さ。一度、こうしてコリンドの宮殿にご訪問できて、ホンとよかったなぁと素直に思った。
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