50 帝都での出来事_04
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なるほどねぇ~。これが大国病というものなのかと、私は思った。
先ほどから、このコリンドの宮殿では、全て自国の皇族であるステラ殿下を中心に話を進めていてさ。
遠路はるばる表敬訪問でここまでこられたシルファー団長を、ここの役人達はまるで添え物のように扱ってすらいるんだからね。
まぁ、以前私がファイルド国から次々と緊急物資を送った時は、皇族の皆様がホンとホッとされたご様子で、感謝されていらしたんだけどね。
でも、その時の危機が去った途端、宮殿を支える現場の役人達は感謝の気持ちを忘れ、何もなかったかのように振舞ってさえいるんだ。
私はさ、……実は知っているんだよ。大国の興亡なんてものには波があってさ。大体250年、国がもてばいい方なんだっていうこと。
たとえ上層部が危機意識を以て謙虚に振舞ったとしても、またはそれを支える役人達下位組織が努力を重ねても、250年でその国はほぼ消滅するんだっていうこと。
なるほどねぇ~。ご多分に漏れず、この国は皇室の腐敗ではなく、官僚組織の中に、奢りと慢心が潜んでいたみたいだなぁと、ハルコンはよぉ~く理解した。
ミラが、少しだけ心配そうにこちらを見てくる。
「まぁ、何とかなるよ!」と、とりあえず安心させたくて、こちらもニコリと笑顔を作ると、漸くホッとした顔になった。
でも、肝心要のステラ殿下の顔色が優れない。少し心配そうに気弱な笑顔を向けてこられるため、こちらも安心させたくて、笑顔を作って応じることにした。
すると、……。
「ステラ、戻ったのね!?」
その声と共に、皇室の皆様が来賓室に入ってなさった。
「お母様!」
ステラ殿下は、嬉しそうに皇后様の許に駆け寄られた。
3年ぶりの帰国だから、もっと直接的に抱き合ったりされるものかと思ったけど。
でも、さすがは皇室だ。少なくともシルファー殿下の目の前で、プライベートを見せることは決してないだろう。
「よく無事で。頑張りましたね!」
「はいっ!」
皇后様は笑顔でステラ殿下を労った後、表情をスッと引き締めなさって、シルファー団長の許に近付かれた。
団長もスッと表情と姿勢を正されなさって、皇后様に笑顔をお向けになった。
「ステラ殿下、……。これまでの貴国のご厚情、このコリンドの一皇族として、大変深く感謝申し上げます!」
そう仰って、頭をお下げなさった。
皇后様の隣りにはステラ殿下の姉君もいらっしゃり、共に殿下に頭をお下げになる。
「こちらこそ。貴国のご高配に、深く感銘を受けております。我が国では、『善隣外交』を国是としております。特別のご配慮、大変感謝申し上げます!」
シルファー団長もそう仰って、深々と頭をお下げなさった。
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