50 帝都での出来事_01
「ハルコン殿ぉ―っ、ハルコン殿ぉ――っ!!」
旅団が帝都に入ってから、目抜き通りで群衆に取り囲まれてしまって立ち往生していた時、……。
外部から、指揮車両のドアを強くノックする者がいた。
何度も私の名前を呼んでいたけど。ホンと誰だろう?
「一体、誰かしら? この車両には両国の王族、皇族が乗車しているのよ!」
少し群衆にうんざり気味のシルファー団長が、不愉快さを隠さずにそう仰ると、ステラ殿下も若干不安そうにこくりと頷く。
「私、見てきます!」
両殿下の護衛騎士を務めるミラが席を立つと、アントン騎士長に一度確認してから、ドアノブをグッと握った。
「はい、どちら様ですか?」
ミラがおそるおそるドアを開けて、その相手を見ると、……。
「ハルコン殿はおらぬか? 突然消えていなくなるものだから、こちらは四方八方探し回ったのだぞ!」
何と、国境の関門付近で旅団に接触してきた、帝国の宮殿護衛騎士長だった。
「えっ、関門からこちらまで追いかけてこられたのですか?」
ミラが思わずそう声をかけると、……。
相手の騎士長は「無論だ!」といって、大きく胸を張った。
こりゃぁ、マズいな。ミラだとちゃんと対応できないだろうから、私がいった方がいいだろうなぁ、とハルコンは思った。
それで腰を上げたところ、……。
「ちょい待ち!」
「えっ!?」
シルファー団長はそう仰りながら、こちらの右手首をグッと握って、一緒に立ち上がった。
「私も参ります!」
ステラ殿下も後に続き、3人でミラと騎士長の許に近付いた。
傍らにはアントン騎士長も控えているので、相手もいきなり殴りかかってきたりはしないだろうね、……たぶん。
すると、帝国の騎士長の隣りには、前回仲介を頼んだ弓使いの女エルフがいた。
『もしもの時は、頼みますよ!』
『了解です、ハルコン様!』
念話でそうやり取りすると、改めて相手をじっと見た。
「あら、あらぁ、お久しぶりですねぇ、……。帝国の騎士団長殿!」
「グッ、ムウゥゥ、……」
さっそくシルファー団長が噛ましてくれると、相手はぐうの音も出ないように、ぎろりと一瞬強く睨んだ。
これは、初っ端からマズいかもなぁ、……とハルコンは思った。
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