49 コリンドの風景_18
* *
「辺境伯。あなたもおワカりのとおり、もうコリンドはどんな手を打っても、ハルコン・セイントークただ一人に勝利することは叶いません!」
「……、何と!」
ステラ殿下の極めて現実的な状況説明に、コジカ辺境伯は小さく呻いた。
そんな彼を、殿下は極めて冷厳な目でじっとお見つめになってから、席をお立ちになる。
「もう我が帝国は、ハルコンの僕になる外はないのですよ!」
ステラ殿下は、コジカ辺境伯の両手をしっかりとお握りになり、そう仰った。
「我々は、もはやハルコン卿の軍門に下るしかありませんか?」
「えぇ。そのとぉ、……」
ちょっ、ちょっと! そのまま放っておいたら、とんでもないことを殿下が仰っちゃうよ。
「ちょっとお待ちを! 私はラスキン国王陛下のご意志に従い、『善隣外交』を全うするだけですからっ! 絶対、私はコリンドに攻め込んだりしませんよ!」
「ハルコン卿、もしやそのためにステラ殿下を!?」
ちょっ、ちょっと!? 辺境伯まで何仰ってるの!?
「あはっ! そのために、私はハルコンの許に嫁ぐのですからっ!」
もう、ステラ殿下っ! いくら何でも話を進め過ぎっ!
「ちょっ、ちょっと待ったぁ、ステラ殿下! 抜け駆け禁止だよっ!」
「えぇっ!? 抜け駆けも何も、……。私は両国とハルコンとの力関係を、的確にお伝えしただけですよぉ!」
「ダメよ、そんなのっ!」
「えぇっ!?」
シルファー団長とステラ殿下、両国の殿下が、私を尻目に、そこでお互いに笑顔で睨み合った。
「ダメですよぉ~っ、お二方が喧嘩をなさっては、絶対ダメですっ!」
「「ハルコンッ、私達、別に喧嘩なんかしてないわよっ!」」
「えぇ――っ!?」
すると、……。
ここで、コジカ辺境伯は緊張の糸が途切れたように、「ふぅ~~っ」と長いため息を吐かれた。
「ハルコン卿、……」
「はいっ」
「我が帝国への入国、大いに歓迎致しますぞ!」
「ありがとうございます、コジカ辺境伯!」
辺境伯は立ち上がって、こちらの手をしっかりと握られなさった。
領都ミオンを発った旅団は、その数日後に帝都の門をくぐった。そこで旅団は、街を上げて大いに歓迎を受けることになった。
「ステラ殿下ぁ――っ、バンザーイッ!!」
「ハルコォ――ンッ、バンザーイッ!!」
街中で群衆に囲まれながら、皇帝陛下の待つ宮殿まで進む旅団。
帝都ではステラ殿下との仲の良さが持て囃され、ご婚約の噂で持ち切りとなった。
* *
途中トラブルがありましたが、旅団は無事帝都まで到着することができました。
でも、新たなトラブルが待ち受けていそうな予感です。
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