49 コリンドの風景_15
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シルファー団長は、コジカ辺境伯の問いかけに、ニコリと笑みを浮かべられた。
おそらく、辺境伯としては、今後ファイルド国との緊密な通商が行われるに際し、誰がその責任者になるのか、関心があったのだろう。
傍らでそのやり取りを窺っていた私にも、辺境伯の緊張がこちらまで伝わってくるのを感じた。
すると、団長は隣りにお座りになるステラ殿下をご覧になって、お互いにニッコリと微笑み合った。
「まぁ、……私と申しますか、ステラ殿下と『共同』で、ということですね!」
シルファー団長はそう仰って、ステラ殿下と一緒に極上のスマイルをされた。
「そうでございましたか、……」
コジカ辺境伯は、お二方の仲が良いのを見届けると、笑顔で数回頷かれた。
なるほどね。もうラスキン国王陛下と団長との間で、内々で話が付いていたみたいだね。
つまり、これからはシルファー&ステラ両殿下で同盟をお組みになり、互いの利益を確保しながら両国のルートを確立していくおつもりのようだ。
「コジカ辺境伯、今後お力添えをお願いできますでしょうか?」
ステラ殿下が、穏やかな表情で辺境伯にお訊ねになると、……。
「はい。ご用命とあらば、何なりとこの辺境伯にお申し付け下さい!」
そう仰って、笑顔で頷かれた。
「「それは、大変ありがたいことですわ!」」
ここで、シルファー団長とステラ殿下お二人の言葉が、偶然被ってしまった。
「あらっ」
「まぁっ」
お二方とも、少しだけ頬を染めて、くすりとお笑いになると、……。
その会談の席にいる者全てが、いっせいに笑い声を上げることになった。
それはそうと、……。
こちらの領都ミオンが、辺境の地にあるにも拘らず栄えているのには、実はワケがあったと思う。
これまで、ファイルド国東方3領のひとつ、ロスシルド家が、隣国のコジカ家と密貿易を行っていたため、いずれの領も大いに栄えていたんだということ。
まぁ、私が知る範囲では、父カイルズがラスキン国王陛下に進言して、両国の隠れた交流を黙認して貰っていたんだよね。
抜け道は予め設けておいた方が、こちらも把握し易いってね。
それがここ最近では、石鹸製造などで両国の関係が更に緊密になり、……。
そろそろ「正規」ルートを開通して、両国の親善のシンボルでもあるシルファー団長とステラ殿下を、このルートの代表に立てようという、そういう流れだと思う。
なら、コジカ辺境伯も、この話には大いに関与したいところだろうね。
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