49 コリンドの風景_12
* *
「一体、これは何事だぁ―――っ!!??」
そう叫び声を上げながら、馬に跨った騎士達10数名が、こちらに向かってやってきた。
「そりゃぁ、やっぱりそうくるよね」
「……、うん」
ミラの懸念どおり、それは確かにそうだろう。
だって、突然、コジカ辺境伯領の領都ミオンの近くで、1000人規模の旅団が現れたのだから、……。
更には、こちらの旅団は、「神軍」を名乗って大声で気勢を上げているものだからさ。
領都を管轄する側からしたら、突然何者かに攻め込まれたと勘違いし、もうパニック寸前で、何とか対応してきたことだろうと予想された。
みるみるうちに、硬い表情をした100人規模の騎士団が武装して現れると、旅団の全周を包囲してしまった。
「あらあら」
「まぁっ」
でも、両殿下はそんなことを仰って、わざとらしく驚いた素振りをお見せになる。
いやいやいや。この事態は、あなた方が齎したことなのですよと、ハルコンは思った。
そして、他の騎士達よりも身なりのいい甲冑姿の男が、馬に跨ったまま、前に進み出た。
「そなたらは、一体どこの所属の、何者であるかっ!?」
そう叫んだものの、その表情は青白く、とても強張っている。
「ステラ殿下、……。あの方はどなたですの?」
シルファー団長が、隣りに立つステラ殿下に率直に訊ねられた。
「この地の領主である、辺境伯マリオン・コジカですわ。あらあら、泡を食っちゃった顔をなさってますね」
ステラ殿下はそう仰って、自国の大貴族の大慌ての様子を、冷ややかな笑顔で見つめている。
「シルファー団長、この事態、どうされるおつもりですか?」
すると、客室からアントン騎士長が声をかけてきた。
「そうですねぇ、……。とりあえず、私とアントン、ハルコンと中年の一級剣士さん、……。後ご足労ですが、ステラ殿下も一緒にきて頂けますか?」
団長は、笑顔で事もなげにそうお伝えなさった。
「「「了解です!」」」
その声に気をよくしたように、シルファー団長は「では、参りますか!」と仰ると、指揮車の展望台からぴょんと飛び降りて、そのまま大地に立った。
「「「え―――っ!?」」」
その突飛な行動力に、思わず驚かされてしまった。
「ちょっ、ちょっと、お待ち下されっ!」
アントン騎士長が大慌てで車外に飛び出すと、直ぐにシルファー団長を追っかける。
「う~んっ!」
すると、地球のモジュール換算で3メートルほどの高さを、ステラ殿下が飛び降りて追っかけるか躊躇なさっておいでだったので、……。
「殿下、危ないですから! 我々は普通に下に降りていきますよ!」
こちらの言葉に、彼女は「はいっ!」とホッとしたご様子で、そのまま梯子を降りていかれた。
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