49 コリンドの風景_06
* *
「失礼、仕る!」
その者は指揮車両の外からドアをノックした後、中年男の実直そうな声でそう発した。
あぁ、さっそくのご到着かとハルコンは思った。
先ほど、女エルフさんの視野を借りて、隣国の騎士長の様子を窺っていたからさ。大体の人となりを、こちらでもワカっているつもりだよ。
ハルコンはそう思ってドアの方にいこうとすると、……。シルファー団長に手首をむんずと掴まれてしまい、……。
「ハルコン、ちょい待った!」と、制止させられてしまった。
「えっ!?」
「ハルコン、またあなた、私の知らないところで、何かやってくれちゃったの?」
団長はそう仰って、こちらを怪訝そうにご覧になられた。
「い、いやぁ~、そんな心外な、……」
すると、団長はしばしの間、こちらの表情をじとぉっとした目で窺った後、……。
「いいから。後は私とアントン(騎士長)に任せなさい!」
「ワカりました」
その言葉に従い、とりあえず元の席に再び戻った。
ステラ殿下とミラが、心配そうにこちらの表情を見てこられるので、黙って頷き返す。
「話を伺いますよ!」
シルファー団長はそう告げながら、ご自身でドアを開けた。
「ご無礼を承知で、こうして伺いに参りました。こちらは、コリンドの宮殿の護衛騎士団長を務める者でございます!」
そう言って、相手は自身の身分を明かしてきた。
「あらぁ」
団長はにっこりと、極上のスマイルをお作りになって、その顔をご覧になる。
「シルファー第二王女殿下、……。ご機嫌麗しゅうございます」
すると、一見人懐っこそうな笑顔で、コリンドの騎士長が挨拶を述べてきた。
「え、えぇ、お久しぶりです。宮殿の皆様は、お元気にしていらっしゃいますか?」
「えぇ、それはもう。ハルコン殿のお薬を定期的に服用しておりますので、……。皆様は、元気にお過ごしなされていらっしゃいますよ」
「そうでしたか」
シルファー団長がそう仰って、ニコリと微笑まれると、コリンドの騎士長も表情を崩して笑った。
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