48 ハルコン、王都に帰還する_10
* *
「それにしても、ハルコン殿、……。此度の岩石落としの件、これはやはり避けられなかったワケであるかの?」
「えぇ、……。他に方法があるとすれば、……」
ラスキン国王陛下の問いかけに対し、ハルコンは話しながら別のケースについても頭を巡らせていた。
今回、5体の翼竜のウチ、最後の1体が指揮車両目がけて、直上より体当たりをしようとしたのだけどさ。
これを私は更に上空から、フォルナ山の岩石を落として対処したんだよね。
でも、別の方法がなかったのかと問われれば、……。私には、まだ他の手はあるにはあったかも。
例えば、指揮車両の中には女占い師さんと、シルファー団長の傍仕えのセロンさん、この2人が乗車していたからね。
彼女達は、実はNPCだからさ。その触れるモノ全てを、私は瞬間的に他所に移動することができるんだよ。
ならいっそ、指揮車両ごと別の場所に瞬間的に移動することだって、可能だったんだ。
でも、そんなことをやってしまったらさ。
私のスキルの発動条件が、バレてしまうおそれだってあるじゃん。
だから、……。まぁ、今回の岩石落としこそ、一番の落としどころだったと思うよ。
などと、そんなことを考えつつ、ハルコンは陛下のお言葉を伺っていた。
「やはり旅団員らには、貴殿のスキルを見せるべきではなかったかの!」
どうやらこちらのスキルを秘匿すべきだったと、陛下はご懸念されているようだ。
なら、ここでちゃんと釈明しておいた方が良さそうだ。
「はい。申しワケありません。なにぶんにも、咄嗟のことでしたので、……」
「ふむ。まぁ、……。そうではあるな!」
「……」
「ただのぅ、我が一人の父親として話させて貰うとすると、……。ステラ殿下とシルファーの身を守ってもらい、とても言葉に尽くせない。ありがとう、ハルコン殿!」
陛下はそう仰って、宰相共々深々と頭をお下げなさった。
「とっ、とんでもないっ!? 陛下、頭をお上げくださいっ!」
父カイルズ共々親子で身を乗り出すと、陛下はこちらを見上げて、茶目っ気たっぷりにニヤリとお笑いになられた。
そう言えば、前にもこういったやり取りがあったような、……。
おそらく、陛下は頭の下げどころを、とてもよくご存じなのだろう。そんなことをされたら、私のような木っ端貴族など、まるで太刀打ちできないからね。
なかなか一国の王として、ラスキン国王陛下は老獪でいらっしゃるなぁと、ハルコンはしみじみと思った。
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