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天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生  作者: 西洋司
第二部「ハルコン青年期」

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48 ハルコン、王都に帰還する_10

   *         *


「それにしても、ハルコン殿、……。此度こたびの岩石落としの件、これはやはり避けられなかったワケであるかの?」


「えぇ、……。他に方法があるとすれば、……」


 ラスキン国王陛下の問いかけに対し、ハルコンは話しながら別のケースについても頭を巡らせていた。


 今回、5体の翼竜のウチ、最後の1体が指揮車両目がけて、直上より体当たりをしようとしたのだけどさ。

 これを私は更に上空から、フォルナ山の岩石を落として対処したんだよね。


 でも、別の方法がなかったのかと問われれば、……。私には、まだ他の手はあるにはあったかも。


 例えば、指揮車両の中には女占い師さんと、シルファー団長の傍仕えのセロンさん、この2人が乗車していたからね。

 彼女達は、実はNPCだからさ。その触れるモノ全てを、私は瞬間的に他所に移動することができるんだよ。


 ならいっそ、指揮車両ごと別の場所に瞬間的に移動することだって、可能だったんだ。


 でも、そんなことをやってしまったらさ。

 私のスキルの発動条件が、バレてしまうおそれだってあるじゃん。


 だから、……。まぁ、今回の岩石落としこそ、一番の落としどころだったと思うよ。

 などと、そんなことを考えつつ、ハルコンは陛下のお言葉を伺っていた。


「やはり旅団員らには、貴殿のスキルを見せるべきではなかったかの!」


 どうやらこちらのスキルを秘匿すべきだったと、陛下はご懸念されているようだ。

 なら、ここでちゃんと釈明しておいた方が良さそうだ。


「はい。申しワケありません。なにぶんにも、咄嗟のことでしたので、……」


「ふむ。まぁ、……。そうではあるな!」


「……」


「ただのぅ、われが一人の父親として話させて貰うとすると、……。ステラ殿下とシルファーの身を守ってもらい、とても言葉に尽くせない。ありがとう、ハルコン殿!」


 陛下はそう仰って、宰相共々深々と頭をお下げなさった。


「とっ、とんでもないっ!? 陛下、頭をお上げくださいっ!」


 父カイルズ共々親子で身を乗り出すと、陛下はこちらを見上げて、茶目ったっぷりにニヤリとお笑いになられた。


 そう言えば、前にもこういったやり取りがあったような、……。


 おそらく、陛下は頭の下げどころを、とてもよくご存じなのだろう。そんなことをされたら、私のような木っ端貴族など、まるで太刀打ちできないからね。


 なかなか一国の王として、ラスキン国王陛下は老獪でいらっしゃるなぁと、ハルコンはしみじみと思った。

「天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生」をお読み頂き、ありがとうございます!

ハルコンの薬学チートや、仲間たちとの冒険を楽しんで頂けたら嬉しいです!

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