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天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生  作者: 西洋司
第一部「ハルコン少年期」

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44 サスパニア出張旅行 その7_05

   *         *


 とりあえず、元女盗賊さんと王宮トップの宰相様との顔合わせは、思いのほか上手くいったようだ。


 ハルコンとしては、元女盗賊さんに対しても王宮に対しても恩があると思っているので、どちらにも満足のいく形に進めることができて、とても嬉しくなった。


 現在、この王宮奥深くにあるプライベートルームには、周辺各国にとっても大変重要なメンバーが揃いも揃っている状態だ。


 周辺各国をリードする立場にある、ファイルド王宮首脳であるラスキン国王陛下と宰相様。そのお立場を技術と薬学で支える私、ハルコン。


 屈強で練度の高い傭兵部隊を率いる元女盗賊さんに、近々国交を正式に結ぶ予定の国、サスパニアの「国体」であるメリッサ姫。更には、日本の旧軍の秘密兵器だった「半次郎」さん。


 ここでの話し合いは、これから10年先の周辺各国を束ねる「善隣外交」の、事実上の指針となり得るワケで、……。


 ホンと私としても、とても気が気でなくて、一言一句間違いのないように細心の注意を払って、ラスキン国王陛下と宰相様には「事実」のみをお伝えしたんだよ。


 そして、その私の話を全て黙ってお聞きになられた陛下は、最後にこうお訊ねになられたのだ。


「では、ハルコン殿。貴殿はかつていた『地球』とやらに、近々戻られるおつもりか?」とね。


「……」


 私は、陛下がそう仰られるのは、当然あり得ると思っていた。


 陛下からしてみれば、現在推し進めている「善隣外交」の要は、まさに「仙薬エリクサー」にかかっていると思われているはずだ。


 そして、そのエリクサーには私の名前「ハルコン」が付けられ、周辺各国に大量に流通されているワケで、……。

 そうなると、事実上私、ハルコン・セイントークは、この地域の最重要人物と見做されてもおかしくないことになる。


 だから、私が消えていなくなることは、この地域の平和を乱すことにもなりかねないのだ。


「ハルコン殿、どうされるおつもりか?」


 ラスキン国王陛下が、改めてお訊ねになられた。

 私はサスパニアにいく前の内々の打ち合わせで、シルファー先輩を迎え入れた場合、最終的には公爵の地位を用意する旨打診されていた。


 まだ若干11歳の少年に話す内容としては、とても急過ぎる話である。


 その席の場には父カイルズもいたのだが、……。

 ただただ穏やかな表情を浮かべ、……静かに頷いているのみだった。

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