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天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生  作者: 西洋司
第一部「ハルコン少年期」

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42 サスパニア出張旅行 その5_08

   *         *


「……、それで石原中佐さん。今回私ハルコンをここサスパニアに招聘されたホンとの目的を、できれば正直に仰って頂けませんか?」


 私の問いかけに対し、石原さんは直ぐに慌てた態度を改めると、おもむろに姿勢を正し、真顔になってこちらをじっと見た。

 その変わり身の早さに、一瞬ゾッとしてしまったんだけどさ、……。


 でも、相手は情報戦のエキスパートだ。こちらが少しでも弱みを見せようものなら、いくらでもそこを突破口に攻めてくることが予想されるんだよね。


 だから、私はニッコリ笑顔を作って隙を見せず、とにかく相手の出方を伺うことに徹することにしたんだ。


「実はですな、ハルコン殿。我々、関西軍第2特殊作戦機関12名は、今回の異世界転移に関し、女神様よりいくつかの条件を言い渡されております」


 石原中佐は、そうおもむろに話し出した。


 私は、彼のいう「関西軍第2特殊作戦機関」なるものを、後世に残された文献から見出したことはない。


 おそらく、この機関の名は偽名か、もしくはこの機関を別の名で表していた可能性が高いように思われた。


 いや!? もしかすると、私のいた地球世界と石原中佐達のいた地球世界が、時代が違うだけでなく、よく似て非なる並行世界の関係にあったとしたのなら、……。


 さて、……。この場合だと、私の常識など何ら効力を持たないものとなってしまうだろう。


 今回、この面会の場で、その辺りのことを突っ込んで話すべきかどうか、正直な話、相当迷ったのだけど、……。


 ここは、あえて不問に付すことで、石原中佐から新たな情報を引き出すことにのみ専念しよう、……と私はさっぱり気持ちを切り替えることにした。


「ぜひ、伺いましょう!」


 私はそう言って、笑顔でひとつ頷いて見せたところ、……。

 石原中佐もまた、特に笑顔を崩すことなく、その条件とやらを話し始めたのだ。


「女神様はですな、……。我々日本人のことを、こよなく愛されておられました。我が国の置かれた窮状に憐れみをお示しになられましたし、いくつかの戦場において、我々の戦況が好転するよう、気象天候を弄られることもしばしばありました、……」


 なるほど、……。中佐の話のとおりなら、女神様は彼ら12名のことを、特別に目をかけておられたのだなぁと思われるのだけど。


 まぁ、女神様が先日仰ったように、「皆、仲良く!」ということであれば、私も石原中佐の話を疑ってかかってはいけないのだろうけどね、……。

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