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天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生  作者: 西洋司
第一部「ハルコン少年期」

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41 サスパニア出張旅行 その4_08

   *         *


 ハルコンと元女盗賊さんは、実はもう既に、サスパニアの首都エドモンドの郊外にいるんだよね。


 現在の時刻は、……とりあえず手元の魔石時計を見てみると、23時10分を少し過ぎたとこ。


 ホンの10数分前まではさ、私達はファイルド国の王都の中心部近くにある王立研究所の所長室で、宴席の片づけをしていたんだけど、……。


 でも、今っ、……私達は見知らぬ都市の、見知らぬ街の郊外に立っているんだよ。


「えっ、えぇっ!? ワカっちゃぁいるでやすが、ハルコン殿っ、……。ここっちゃぁ、サスパニアのエドモンドでやしょうかっ!?」


「はいっ、元女盗賊さん。仰るとおり、ここはサスパニアの首都エドモンド。中心部から西に3キロ(地球のモジュールに換算しています)ほど離れた地点ですよ!」


「ほへぇ~っ!? ホンにたまげたでやすっ!?」


 元女盗賊さんが戸惑うのも無理もない。だって、ここから私達の住むファイルド国までは、距離にして250キロってことらしいからね。


 私が先日の午前中に治療した、サスパニアの隊商の皆さんから聞いた話ではさ、……。通常の馬車で移動するとなると、最短でも10日間を要する距離なんだそうだからね。

 

 しかも、途中コリンドを経由する際に、標高の高いフォリア山を通過しなければならないし、本来ならもっと日数がかかるって話だね。


 それにさ、……。悪路というほどでもないけど、整備されているとはいえ、断崖絶壁の道を数キロほど進まなくてはならず、なかなかスリル満点なんだってことも聞いているよ。


 先だって、隊商の皆さんから詳しく事情聴取していたからさ。

 話の途中から、とりあえずチートスキル「マジックハンド」で、ちょっと下見だけでもしておこうと思ったんだ。


 まぁ、そんな具合でさ、……通常の行程を私達は全てすっ飛ばしてしまって、ほとんど準備なく、このサスパニアの首都に足を踏み入れてしまっているんだよ。


 マジ、このスキル「マジックハンド」。チート過ぎて半端ないね!


「さすがはハルコン殿でやすっ! 確か『マジックハンド』でやしたか? ホンに融通の利くっちゃぁチートスキルでやすな?」


「えぇ。まぁ、飛翔中のワイバーン(実はNPCです)を数頭経由しながらの、空の旅でしたが、……。怖くなかったですか?」


「いっやぁ~。ハナからついビビっちまって、しょんべんチビりそうでやんしたが、……。だども、ハルコン殿にしがみついてやんしたら、夜空の向こうのフォリア山の眺めやら、サスパニアの首都エドモンドの街灯りを上から見ちゃぁ~っ、もぉぅそらぁビックリたまげた心持ちっちゃぁよぅっ!」


 ホンと、興奮冷めやらぬ様子で、……。


「エドモンドの夜景、眺めチョ~最高でしたよねぇーっ!」


「うんにゃ、むしろハルコン殿でやす! アタイっちゃぁ改めて、ハルコン殿をば見直したでやんよ。ホンに、カッコいいっちゃぁ、……」


 そんな具合に、元女盗賊さんが目力強く、熱く語ってきたんだ。

 何だかさ、……。褒められ過ぎて、ちょっとこそばゆいよね。

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