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天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生  作者: 西洋司
第一部「ハルコン少年期」

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40 サスパニア出張旅行 その3_12

   *         *


「了解しました。サスパニア出張旅行の件、……陛下のご命令とあらば、私は一人の王族として従うのみです!」


 シルファー先輩がさも当然のようにそう仰ると、隣りにお座りになるステラ殿下もうんうんと頷かれていらっしゃった。


「ミラも構わないですわね?」


「はい。私は、シルファー先輩とステラ殿下をお近くでお守りするよう、陛下より命じられておりますので!」


「だ、そうですよ、ハルコン!」


 シルファー先輩はそう仰ると、黒文字(和菓子に添えて出される楊枝のこと)でホイップのたっぷりのった水ようかんを器用に切ると、スッと口にお運びになられた。

 

 へぇーっ。黒文字を上手く使っているなぁ、……。

 思わず感心して見入っていたら、ステラ殿下もミラと共に笑顔でお食べになっている。


 そう言えばさ、……ここ最近、サスパニアからの食材がファイルド国にまで届くようになってくると、王都ではちょっとしたサスパニアブームが起こっていたんだよね。


 サスパニアの料理もそのひとつで、焼き飯だけでなく、うどんをフォークではなくて箸で食べる、そんなニワカ食通が出現し始めていたんだ。


 しばらく前、私が王宮の晩餐に招かれた際、昆布だしのきつねうどんが出されてきてさ。

 ご丁寧に、フォークとスプーンの他に箸が一膳置かれていたんだよね。


 私が王様と王妃様、シルファー先輩の方を見ると、皆さん、とても興味深そうにこちらの様子を観察されていらっしゃったんだ。


 全くもう。王族の皆様は、ホンと私に強い関心がおありのようですねぇ。


 とはいえ、こちらの世界で、うどんだなんてさ。

 ホンと、久しぶりだなぁ、……。


 懐かしく思いながら箸を手に取って、さっそくそれで麺を摘まんでいたらさ。シルファー先輩が、何だかとても悔しそうにされていたんだっけ。


 ふふふっ。そんなこともあったよなぁと、ハルコンは思わず楽しくてニコリとした。


「あら、どうしたのハルコン? 何だか、とても面白い顔をしてますよ?」


 ステラ殿下が隣りの席から、こちらを覗くように興味深そうに訊ねられた。


「い、いえ。皆さん、大変器用でいらっしゃるなぁと思いまして」


「ふふふっ。今、王都ではサスパニアブームですからね。私の母国であるコリンドでは、サスパニアは隣国でしたが、ほとんど接触のない国だったんですよねぇ」


「そうでしたか、……」


 ステラ殿下がそう仰いながら水ようかんを口に運ばれたため、ハルコンもそう返事をしつつ、一口食べた。


 まだ仮説の段階とはいえ、ステラ殿下をはじめとした隣国の皇族の皆様は、サスパニアからウイルス攻撃を受けていた可能性がある。


 このことは、国王ラスキン陛下と宰相閣下の耳には届いているものの、コリンドではまだのはず。

 そもそも、なぜ自分達が発病したのかさえ、全くワカっていないことだろう。

「天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生」をお読み頂き、ありがとうございます!

ハルコンの薬学チートや、仲間たちとの冒険を楽しんで頂けたら嬉しいです!

この物語を気に入って下さったら、☆評価やブックマークで応援して頂けると、作者の励みになります!

ハルコンと一緒に次の展開を盛り上げるため、ぜひ力を貸してください!

引き続き、毎日更新で頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします!✨

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