表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生  作者: 西洋司
第一部「ハルコン少年期」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

361/444

40 サスパニア出張旅行 その3_11

   *         *


 私はステラ殿下の案内で、台所の隣りにあるリビングルームまで通された。

 室内はざっと20畳ほどで、開口部の広い窓外の樹々の先に、王城と王宮を望むことのできる、なかなかの絶景スポットだった。


 室内のインテリアはシックに落ち着いており、セイントーク領近辺で製作されたクッションやカーテンといったインテリア小物が、随所に配置されていた。

 普段着のステラ殿下の生活がとてもハイセンスなのを、よく物語っていると言えよう。


「ハルコン、ここではあなたがお客様ですよ。どうぞ、お座りになって!」


 そう仰ると、ステラ殿下はこちらの両肩を背後から押して、ソファーセットの席に着かせて下さった。


「あ、ありがとうございます!」


 こちらも殿下にニッコリと微笑み返すと、台所の方からエプロン姿のシルファー先輩とミラが、ひょっこり顔を出してきた。


「おっ、ハルコン。今日はどうしたのかな?」


 シルファー先輩が生クリームを鼻先にちょこっとだけ付けながら、笑顔で話しかけてこられた。


「は、はい。先輩、こんにちは! ミラも一緒かい?」


「うん」


 ミラもニッコリ。

 最近のミラはこうやって、いつも両殿下よりも一歩下がった位置に控えている。


 実は、まだミラは子供で学生の身分とはいえ、もういっぱしの騎士爵の役目を果たしている。


 何と、フルアーマーのオーダーメイドの鎧を、特別に王宮から支給されているんだからね。

 衛兵式では、その姿で体の大きい大人達と共に参加しているんだ。


 だから、……ホンと、ミラは偉いと私は思う。


 まぁ、それはミラのハレ舞台の姿であって、普段の彼女は学生服や年齢相応のラフな服装で過ごしている。

 そして、……現在もミラは任務中だ。


 普段の彼女は、王立学校では「学友」という形で、学生服のままシルファー、ステラ両殿下の身辺を警護している。

 また、学外ではこうして身の回りの世話も含めてサポートする、私服の「衛士」を立派に演じているのだ。

 

 だから、第三者の目から見て、仲のいい子供達3人で遊んでいるように思われても、実際は絶えず周囲の異変を気にしながら、両殿下を守り続けていることになる。


 緊張が絶えず、なかなかの重労働とも思われるが、ミラ本人は大切な役割を王宮から賜り、大変名誉なことだと、……むしろ親子共々感謝しているようだ。


 ホンと、ミラはちゃんと貴族しているよね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ