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天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生  作者: 西洋司
第一部「ハルコン少年期」

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40 サスパニア出張旅行 その3_01

「……、というワケなんです。この件について、父上は如何お考えになられますか?」


「ふむ。なかなか、込み入った問題ではあるな。さて、ローレル卿もミラ嬢の件で、この問題に深く関わっておられるのだが、……。貴殿は如何にお考えか?」


「さて、……私から申しますと、ミラの件はハルコン君に全てお任せしてもいい、と考えております!」


 そう仰って、ローレル卿がニコリと笑いかけて下さるので、こちらとしても正直ホッとした。


 今から半刻ほどさか上る。

 朝の6時半過ぎ。場所は王都の貴族街にある、セイントーク別邸だ。


 昨晩の女神様とのやり取りの件で、一度思慮深い父カイルズに相談したいと思い、早朝からアポなしでハルコンは王都の実家に訪ねたのだ。

 

 すると、王都別邸を束ねる副家令に案内されて客間に向かうと、ミラの父君ローレル卿と面会中だった。


「お久しぶりです、ローレル卿。お元気でいらっしゃいましたか?」


「おぉっ、ハルコン卿。貴殿の活躍を日々耳にしているよ。私は元気です。貴殿は如何か?」


「い、いいえ、恐れ多いです。以前と同じく、ミラの父親として接して頂ければ嬉しいです!」


 こちらから意識的に笑顔を作って応対すると、ローレル卿も笑顔でうんうんと頷かれた。


 実を言うと、もうセイントーク家とシルウィット家の両家は姻戚関係になっている。

 それは、私ハルコンとミラが婚約をしたからというワケではなく、……。ローレル卿の従弟がセイントーク家に婿入りしたことでこうなったのだ。


 ローレル卿ことローレル・シルウィット子爵は、ミラの父親だ。若さに溢れ、温厚で柔軟な発想を持つ美丈夫でもある。

 

 最近は彼の領地経営も軌道に乗り、そろそろ子爵から伯爵に陞爵(しょうしゃく・爵位が上がること)するのでは、と貴族達の間で噂に上がっている人物だ。


「ハハハ、お陰様で。ハルコン君、キミこそ最近目覚ましい活躍だと、私は伺っているよ!」


 そう言って、お互いにニッコリと笑い合う。


「ハルコン。オマエがここを訪ねてくるのは珍しいな。そう言えば、来週早々サスパニアまで出張旅行に就くと聞いているのだが、……。大方、その件についてかね?」


 おもむろに、父カイルズが訊ねてきた。

 ハルコンはひとつ頷くと、「えぇ、実はですね、……」といって話を振りつつ、父カイルズの方に向き直った。

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