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天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生  作者: 西洋司
第一部「ハルコン少年期」

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303/447

37 研究所の長い一日_01

 王都の中心部から北西方面に少しだけ移動したところに、約1000坪(地球のモジュールに換算しています)ほどの広大な敷地に建てられた、石造りの3階仕様、白亜の建築物がある。


 それこそが、……まさにファイルド国が周辺各国に誇る総合科学の拠点、王立研究所だ。


 ちなみに、その建築物の竣工までの期間、最新のクレーン運搬技術が、随所で大いに活躍している。

 高くそびえるクレーンの威容さや、建設期間が通常に比べてかなり短かったこともあって、王都っ子の間では大いに噂になったものだった。


 その敷地の外縁は黒の鉄の柵で覆われ、敷地の随所には適度な樹木が植えられ、下草も庭師によって綺麗に刈り整えられている。

 

 そして、その王立研究所の初代所長に任命されたのが、当時若干8歳だったハルコン・セイントーク男爵。


 そのハルコンが、ほぼ単独で開発したとされる仙薬エリクサーの研究開発を主目的に、王宮の命により研究所はスタートしたのだ。


 ハルコンの所長就任の一報は、当時の王都の市民達の間で大いに耳目を集めることになったのだが、……もうあれから3年。


 月日の経過とともに、仙薬エリクサーの質の向上及び量産体制が確保され、研究所の設立目標は既に達成した。

 それに伴って、ハルコンの爵位は男爵から子爵にまで格上げされている。


 研究員達の間では、実はハルコンが王宮から伯爵位まで打診されていたというのだが、……。

 でも、年齢を理由にハルコンが断っているという噂が、まことしやかに流れていたりする。


 研究所のスタートの際には、まだ建物の外装と物置代わりの数部屋しか用意できていなかった。


 それが、部屋をひとつ完成するごとに、新たなプロジェクトの研究者達が入居し始めると、そのプロジェクトの成功と並行して次第に大所帯となっていった。


 昨年、研究所が無事竣工した際には、30のプロジェクト全てに対応すべく研究室が割り振られるに至っている。


 現在、王立研究所の主任、副主任といった正研究員は100名を数え、見習いも併せると大体300名程が所属している。

 

 研究員達の多くがファイルド国の出身だが、中には近隣諸国から招聘された者や、留学してきた者も少なからずいる。

 国は違えど、研究の更なる発展のために一致団結し、概ね良好な人的環境が整っている。


 そして、研究所内の環境整備に大いにアイデアを出しているのが、まだ王立学校の学生でもあるハルコンだ。

 

 子供とはいえ、大人相手にも物怖じせず、快適な環境づくりに貢献するハルコンは、研究員達の間でとても信頼が厚い。


 所内には、研究員達が快適に研究に勤しめるよう、様々な配慮がなされている。

 先ず、昼勤夜勤に拘わらず、室内は常時光魔石で煌々と照らされ、とても目に優しい。


 他には、配備された清掃スタッフ達によって、研究室だけでなく仮眠室やトイレも数時間おきに、掃除と整理整頓が行われている。


 また、研究員達が24時間いつでも利用できる食堂や、様々な日用品や文具や軽食を取り扱っている店舗も整備され、所内はまさに24時間態勢の不夜城を成していた。


 そして、そんな研究所のハルコンの許に、……ある時、近隣諸国から一報が届いたのだ。

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