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天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生  作者: 西洋司
第一部「ハルコン少年期」

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36 王立学校祭 その3_07

   *         *


『さて、……皆様、当サークル名物「ハルコンズ・ブートキャンプ」は如何だったでしょうか? 大変いい汗がかけて、さぞやリフレッシュできたことと思いまぁっす!』


 怒涛のプレ・トレーニングが終わって、グラウンド上には横たわる多くの参加者達で死屍累々。

 そんな会場に、何とも愛らしい女子によるすっとぼけたアナウンスが鳴り響く。


「「「「「「「「「「ウオオオォォォーーッ!」」」」」」」」」」


 それでも多くの参加者達が手ぬぐいで汗を拭きながら手を突き上げると、観客席から拍手と歓声が自然と起こり、会場中に響き渡った。


「リフレッシュどころか、……広大な第一グラウンドいっぱい、腰の抜けた参加者達で死屍累々だねっ!」


 とってもいい笑顔で、シルファー先輩が感想を述べると、ミラとステラ殿下、キャスパー殿下は、思わずうんうんと苦笑いを浮かべて頷いている。


 見ると、会場のあちこちで、女子マネージャー風の雰囲気の少女達が、大会参加者達のコンディションチェックに動き回っている。


 何ともこなれた感じで介抱しているのが、とても好印象だ。

 以前の弱小サークルの頃は、女子の全く寄り付かない男所帯だったのだが、……。


「最近は、ぜぇーっ、女子マネージャーが、ぜぇっ、……結構な人数が参加してくれてさ。皆、張り切ってるんだぜ!」


 ケイザン兄の、ミラにサークル自慢をしている声が、こちらまで聞こえてくる。

 なるほど。先程のナレーションは、女子マネによるものなのか。


 ハルコンが思わずへぇーっと感心すると、兄達は肩でぜぇーぜぇーと息をしたまま、笑顔でサムズアップしてきた。

 

 まぁ、……いい感じにサークルが華やかになってきて、ちょっと安心かなぁと、ハルコンは思った。


『……、次の演目は、マルコムとイメルダ合同サークルメンバー達による、演武の披露ですっ! 両サークルはここ王立学校において、2大武術サークルとして名を馳せておりますっ! それでは皆さん、どうぞご覧下さぁぁーーいっ!!』


 そのアナウンスの直後、特設の壇上に上半身裸の男子10数名が駆け上がり、横2列に正しく並んだ。


「「「「「「「「「「ヤァーッ!」」」」」」」」」」」


 演者の選手達は一斉に掛け声を上げると、様々な野獣が威嚇する姿勢になった。


 なるほど。イメルダのサークルから演武をスタートさせるワケか。

 私が先にブートキャンプをやったから、次は順番にイメルダのサークルのお披露目ってことね、とハルコンは思った。


 彼らは次々と野獣のように構えては、お互いの掌打や蹴りを急所すれすれで交わしていく。


「「「「「「「「「「ウオオオォォォーーッ!」」」」」」」」」」


 多くの観客達が手ぬぐいで汗を拭きながら、拍手と歓声を上げている。


 なかなか見事な演武だ。そうハルコンが思っていると、……。壇上の上手から、上半身裸のキャスパー殿下が現れなさった。


 殿下は演武の最中、……ごく自然にするりと中に入られると、演者達の掌打や蹴りが次々と迫りくる。

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