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天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生  作者: 西洋司
第一部「ハルコン少年期」

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36 王立学校祭 その3_02

   *         *


「殿下、そろそろ開始時刻のため、お席に着いて頂けますか?」


「おぉっ、もうそんな時間か。では、ハルコン、ミラ。後でまたヨロシクな!」


「「はいっ!」」


 キャスパー第一王子殿下は、サークルのメンバーに連れられて、席に向かわれた。

 すると、傍にいたマルコム兄が、ハルコンにそっと耳打ちした。


「ボクとケイザンは、新たにサークルの後援者となったキャスパー第一王子の派閥に入った。オマエとミラ嬢はシルファー殿下だったな!」


「……」


王立学校において、王族は民事不介入とのことだが、一度外に出ると、こうした派閥の問題が自ずと生じてくる。


「仕える派閥は異なるが、まぁ、……お互い上手く立ち回ろうな!」


「……、ワカりました」


 こくりと頷き合うと、マルコム兄はキャスパー殿下の後に付いていった。

 その後ろ姿を見送っていると、今度はシルファー先輩が「ハ~ルコンッ!」といって耳元にそっと声をかけてきた。


「!?」


 不意打ちされ、思わずギョッとしたところ、シルファー先輩はニシシと白い歯を見せて、悪戯っぽく笑っていらっしゃる。


「それじゃぁ、ハルコン。宿題ヨロシクねっ!」


「えぇ、……了解です」


 そうだった。ホンと、この方は人使いがとても荒いのだった。

 とりあえず、先輩との約束どおり、部屋(ハルコンの居室のこと)に戻ったらジグソーパズルを急いで仕上げよう。


 もう既に何点か清書した図柄を台紙に張り付けてあるから、仕上がりまで、後は切込みを入れてピースを作りさえすれば完成だな。


 ふと、会場である第一グラウンドに目を向けた。

 すると、先ほどまで多くの参加希望者達で、臨時の更衣ルーム前はごった返していたのだが、……。


 でも、もう皆さん軽装服に着替え終えていて、サークルメンバー達に誘導され、整然と会場の隅々まで適切に並んで待機していた。


「ハルコン、私達も早く着替えないと!」


「だね、ミラ。シルファー先輩とステラ殿下のこと、お願いね!」


「うん、了解!」


 ミラはそう言って、両殿下を女子用の臨時の更衣ルームまで走ってお連れした。


 さて、……と。私達も急がないとね。

 ハルコンはケイザン兄と共に、男子用の更衣ルームに走って移動した。


 そこで着替えながら聞いた話では、昨晩のウチに、ステラ殿下とキャスパー殿下は、王宮で急遽開かれた晩餐の席にてお会いしていたらしい。

 その席には、ケイザン兄達やイメルダらも、東方3領出身ということで呼ばれていたそうだ。


 すると、ケイザン兄が耳打ちしてくるのだが、……。


「ハルコン、あのな、言いにくいんだけどさ、……キャスパー殿下は、どうやらステラ殿下のことを狙ってお出でだぞ!」


「なるほど、……そういうことでしたか!」


 キャスパー殿下の帰国を知らされていなかったのは、どうやら私とミラだけのようだと、ハルコンは思った。

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