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天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生  作者: 西洋司
第一部「ハルコン少年期」

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35 王立学校祭 その2_11

   *         *


「なら、私も参加します。ハルコンばっかし負担の多いこと、やらせてらんないですから!」


 ミラは、シルファー先輩に向けて、しっかりとした口調でこう答えた。


「ですわね。今回は私も王族は民事不介入などと言ってないで、参加させて頂きますわ!」


 すると、先輩もまたミラに挑まれたことに対し、不敵に微笑み返した。


 さて、……。私はこの場合どうしたらいいのだろう?

 私のせいで、普段仲のいい2人が争うのは、とても見ていられないのだが、……。


 そう思ったら、ハルコンの胸が少しだけキリリと痛むのを感じた。


「あぁ、ハルコン。そこんとこ心配しなくて構わないぞ!」


「えっ!?」


「今回、我々の大会は、武術を競うのではなく、むしろ体術、身体の鍛錬を扱うんだ!」


「えっ!? そうなのですか?」


「ふふっ、まぁな。今回は暴れ足りなくて、いささかがっかりしたか?」


「い、いぇ、……とんでもないです!」


 ケイザン兄の言葉に、こちらは勢い込んでいた分、なおさら拍子抜けしてしまった。


「もしかして、イメルダのサークルと合同で、体操大会でも開くおつもりですか?」


 ミラが、すかさず話の間に入ってきた。


「そうだ。ミラ嬢には、ぜひともハルコンズ・ブートキャンプの指導教官を行って貰いたいものだな!」


「えっ、えぇ、……それでしたら」


 少しだけホッとしたのか、ミラの目つきから鋭さが次第に消えてゆく。


「一般客の希望者にも参加して貰って、2時間ほど表の第一グラウンドを貸し切っているからさ、……なるべくなら大勢で、賑やかに楽しくやりたいなぁと思っているんだ!」


 とても快活な調子で語るケイザン兄に、ミラもホッとしたのか、漸く穏やかないつもの笑みを浮かべ始めた。


「いいですねっ! やりましょう兄様っ!」


「おっ、おうっハルコン! なるべく大勢の人を参加させて、大いに盛り上げるからなっ!」


「はいっ!」


 ハルコンは、将来的にこのファイルド国を健康立国させたいと常々考えていた。

 その考えに沿った兄達のイベントには、大いに協力させて頂こうと思った。


 横で食事を摂りながら、口を挟むことなく様子見のサリナ姉とステラ殿下。

 彼女達は、どちらかというと文系タイプだ。


「ふぅ~ん。体操くらいなら、私もやってみたいかも!」


 サリナ姉の言葉に、ステラ殿下も目を輝かせて頷かれていた。


「それにしても、ケイザン兄様。どうして体術、身体の鍛錬なのでしょうか?」


 ハルコンは白パンを手に取りながら、率直に訊ねてみた。


「それは、我が国が『善隣外交』を遂行したことで、周辺諸国との緊張関係が次第に緩和されてきているからなぁ」


 ケイザン兄の言葉に、シルファー先輩とステラ殿下が、誇らしそうな顔を一瞬された。


「なぁ、ハルコン。これからの時代、武装国家はナリを潜めるだろうな。国民の健康と福祉を第一に掲げる国家は、今後武術ではなく、体術を重用していくだろう。これは、ハルコンの受け売りかな?」


 ニッコリと笑うケイザンに、両殿下もサリナ姉もミラもつられてニッコリ。

 ハルコンは、「えぇ、……まぁ、そうですよね」といって、ひとつだけ頷いた。

「天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生」をお読み頂き、ありがとうございます!

ハルコンの薬学チートや、仲間たちとの冒険を楽しんで頂けたら嬉しいです!

この物語を気に入って下さったら、☆評価やブックマークで応援して頂けると、作者の励みになります!

ハルコンと一緒に次の展開を盛り上げるため、ぜひ力を貸してください!

引き続き、毎日更新で頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします!✨

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